【420日目】久しぶりの今治でお遍路

2023-10-29

5カ月前に訪問した今治市内の札所を打ちまくります。徐々に知った景色が出てきて再訪の懐かしさを感じながらのお遍路。札所間隔も短いのでスイスイ進みますね。ただ五十九番札所まで打ったところで足が止まります……。

目次

【五十五番札所】別宮山『南光坊』

乃万公園からおはようございます。昨日は延命寺を打ったあとあまり移動せずに近くの公園で野宿しました。次の札所も近いんですよね。延命寺からは6ヶ寺もの札所がまたまた市内に集中しています。

山門

一発目は県道38号線沿いにデカデカと山門がそびえ立つ五十五番札所『南光坊』です。名前からして特異ですね。四国霊場の内「坊」がつく札所は南光坊のみです。

山門は鐘楼門。

このひもを引っ張ると鐘が撞けるカラクリになっています。

他にも面白いのが門を守るのが阿吽の仁王像ではなく四天王像という事ですね。

車道が貫いている境内。街の中にお寺があるというより、町とお寺が溶けあっているような印象を受けます。

山や森に囲まれているような閉塞感はありませんね。

本堂

本尊:大通智勝如来
真言:なむ だいつぅ ちしょうぶつ

本尊『大通智勝如来』!? 初めて聞きましたよ。お遍路も五十五番まで打っていると札所の本尊もだいたい知っている仏様になって来るので特に新鮮さもないんですけど、ここにきて新キャラ登場するとは思わなかったのでテンションががりました。大通智勝如来が本尊の札所は南光坊だけです。

真言も書籍などでは「なむ だいつぅ ちしょうぶつ」と紹介されることが多いのですが、本堂前には大通智勝如来の真言として大日如来の真言である「おん あびらうけん ばざら だとばん」が掲げられています。

大通智勝如来は珍しい仏で、御真言について経典などを調べても真言が説かれていません。この仏は『妙法蓮華経』に説かれる如来で、「如来形の大日」とも言われることから大日如来(法華経ver)とも解釈できます。このことから大通智勝如来の本質は大日如来ですが姿のみが違う同体異形と考えられます。故に真言を大日如来の真言で統一することになったのです。

ほこから

って南光坊さんがFacebookで言っていました!

これが決まったのが今年の九月なんですよ。真言を統一するってかなり歴史的な事じゃないですか。すごい年にお遍路してしまいましたね。

https://www.facebook.com/SiGuoLingChangDiWuShiWuFanNanGuangFang/?locale=ja_JP

大師堂

寺の縁起は、文武天皇の勅願によって、伊予水軍の始祖と言われる越智玉澄が大三島に航海安全の神として「大山積明神」を勧請し24坊の別当寺を建立。そのうち8坊を、海を渡らずとも参拝できるようにとこの今治に別宮を建てて遷したのが始まりです。いや大三島の大山積明神って

あわせて読みたい
【269日目】しまなみ海道に残してきた宿題、伊予国一之宮『大山祇神社』 石鎚山に登るためだけの四国つまみ食い作戦は大成功。再びしまなみ海道を通って広島に戻ります。まずはしまなみ海道に残してきた宿題である伊予国一之宮『大山祇神社』へ参拝。そう、しまなみ海道には一之宮があるのです……。そのごやっとこさ尾道に戻ったらゲストハウスに飛び込んで、夕方はカメラ片手に尾道散歩。写真を撮るのがとても楽しい町ですね( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

伊予国一之宮『大山祇神社』じゃないですか!

まさかお遍路がそこにつながるとは思いませんでしたね。面白すぎる。

今治に別宮があるとはいえ、明治の神仏分離前までは大山祇神社が本来の札所という事で海を渡って大三島まで巡拝する遍路も多かったといいます。廃仏毀釈の折に大山祇神社の本地仏である大通智勝如来をこちらに遷して本尊となったという経緯があります。

納経所

思いがけず旅のテーマである一之宮ともつながった南光坊。とても興味深い札所でした。

NEXT☞ 五十六番札所『泰山寺』

次の札所までの距離:約3km
移動時間(徒歩):約45分

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次