今月(2022年5月14日時点)より自転車での日本一周を開始します!
日本一周、それも自転車で行うとなれば2,3カ月で終えられるものではありません。旅の期間は1年間をおおまかに予定しています。一介のサラリーマンがそれだけの長い自由時間を持つとなれば、大抵の場合は仕事を辞めるほかないでしょう。
という事で私も先月(2022年4月)に6年勤めた会社を退職しました( ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )
ではなぜわざわざ無職になってまで日本一周を行うのか。ここではその動機についてお話させていただこうと思います。
なぜ自転車で日本一周?
自転車日本一周の動機を一言で言ってしまえばついで、でしょうか。なんだか消極的な理由のように聞こえてしまいます(=_=;)
ただ正確に言語化しようとするとやっぱりそうで、自転車で日本一周をしようと思い至ったきっかけに、自転車は全く関係なかったのです。
いつか時間が出来たらやりたいことがあるんだよなぁ
この思いが日本一周の動機です。じゃあそれは何なのかといいますと、
山に登りたい!
それは
登山
です。
このブログはほとんど登山の記録をつけているだけで、記事は山に関するものばかり。そんなただ山登りを趣味にしているだけのサラリーマンが日本一周を意識し始める契機となったのが去年(2021年7月)登った剱岳です。
この山にすべてを変えられてしまいました。
全てのきっかけは剱岳
私が山に登り始めた発端は、学生時代にワンダーフォーゲル部で活動していたという会社の同期に誘われたからです。そんな彼の後ろにただついて行くだけの登山をたびたび行っていました。
入社した年(2016年)から登り始めたので歴だけで言えば私も登山歴6年ということになるわけですが、当時無趣味極めていた私はあらゆる活動に消極的で、
まあ暇だしたまには外で遊ぶのもいいか
くらいの非常にモチベーションの低い登山者でした。ですからその期間を歴に含めるのは非常におこがましい気持ちになってしまします。ただ漫然と時間を過ごしただけでキャリア更新しようなんてのはねぇ。
本当に誘われる以外で山に行ったことなかったですからね。カルガモの親子のようにただ後ろをついて行くだけですから何も学んでいませんでしたし。そんなやつを根気強く山に連れて行ってくれた同期には感謝しかありません。私が彼の立場だったらこんなお荷物ゼッタイ連れていきたくないですよ。゚(゚^ω^゚)゚。
そんな受動的な登山を続けていた登山5年目の去年(2021年7月)、同期から登山に行こうとお誘いが。
その山の名前は剱岳。
山のことをあまり知らない私でも知っている名峰です。
当時はコロナ禍真っただ中で、私は家から出なくても楽しめるようにと始めた絵の趣味に没頭しておりまして、登山に対しては消極的だったんですよね。外に出るくらいなら引きこもってインドアの趣味に専念したい! ってなもんで本当に部屋から出ていませんでした。登るくらいなら引きこもって絵を描いていたい……というくらい変に熱中していたので……。
↓こんな感じのもの描いていました。
←これも自作です
しかし当時の私は誘われての登山以外で体を動かさないガチガチの引きこもりでしたから、たまには健康のためにも外に出てみるかという気持ちになって山登りに行くことに。
ただ本当に意識の低い登山者だったので、これを最後にしばらくは山から距離を置こうかなと思っていたくらいです。剱岳というチョイスも、私でも知っているこの日本の名山であれば最後の山として格好がついていいなくらいの気持ちで……。今思うとそんなへらへらした気持ちで剱岳に行くなとぶん殴りたくなります。
しかしふたを開けてみれば、もう、本当に
人生最高の山体験でした。
あの危険で、厳しく、そして美しい山に登ってようやく山の面白さに気が付つくことに。この時点で山やめようかな……と思っていた気持ちはひっくり返っています。
日本の山の中でもトップクラスの難易度である剱岳に登れたことは、その美しさに魅了されたことももちろん、他の山にも登れるのではないか? というかすかな自信も私の中に芽生えたのもあって、余計にほかの山への興味が湧いてきたんですね。
そのほかの山々というのが日本百名山です。
日本百名山
登山家・小説家の深田久弥によって1964年に刊行された山岳随筆。品格・歴史・個性を兼ね備え、原則として標高1500m以上の山を100山選定している。
この百山は現在でも愛され高い人気を誇っており、全山登頂は登山者であれば誰しも一度は夢見る山たちなのです。しかし全国に散らばっているこの山々。コンプリートしないにしても狙って登るとなると時間もお金も体力もと多くのものが必要となってきます。
いくら剱岳での体験が素晴らしかったとはいっても飛行機や船つかって全国飛び回る様なお金も時間もありません。かといって計画的に休日を使って無理ないスパンで巡るという気の長いこともできないタチ。
それだったらこれまで通り休日に近くの山登ればいいじゃないかと。山大国である日本は名称のあるものだけで2万近い山があるわけですから、わざわざ遠出をしなくても近くに美しく楽しい山は必ず存在しますからね。
幸い当時の私が住んでいたのは長野県。名山の宝庫日本アルプスを擁する登山者にとってのチート県です。
日本アルプス
本州中部地方の以下山脈
・飛騨山脈(北アルプス)
・木曽山脈(中央アルプス)
・赤石山脈(南アルプス)の総称。
3000メートル級の山々が連なり、日本の屋根と呼ばれている。
この県に住みながら山に文句垂れるのは非常に罰当たり。
山王国長野を楽しみながら、昇給を重ねてお金にも余裕ができた頃に飛行機でも何でも使ってほかの山に登ればいいじゃん!と冷静な自分が語り掛けてきます。
60歳70歳で元気に登山楽しんでいる人だっているんですから別に定年してから悠々と山登りしながらセカンドライフ楽しめばいいじゃん!とも堅実な自分が語り掛けてきます。
時間もないんだし……
会社を辞めれば?
お金もないんだし……
自力で移動すれば?
仕事辞めて自転車で日本一周……?
自転車で日本一周という選択肢
いやいやいやそれは飛躍しすぎだと。剱岳の興奮が残っているだけだろうと流石に思いました。旅をしたいなんて言うのはあるあるな願望。特に冒険に夢見る男の子はほぼ全員が考えるいつもヤツじゃないですか。
しかし山登りしながら全国回りたいな~という気持ちは何日しても冷めやらず。山登りの楽しさにようやく目覚めた事と、自分のこの気持ちが本物なのかを確かめたいという事でまずは登山を続けてみることにしました。
剣岳と同じ山脈、北アルプスの女王燕岳や……
魔の山 谷川岳。
日本一の山紅葉 涸沢カールに……
黒部の太陽、高熱隧道の舞台である――
年に2カ月弱しか開通しない秘境下ノ廊下。
あのものぐさ登山者がまさかの冬も山に行くという。初めての雪山北横岳。
などなど、登山を月に2,3回ペースで行ってみて、それでもやはり全国の山を登りたいという気持ちに揺らぎはありませんでした。
剱岳で感じた気持ちが本物であることをようやく確信。
また登山口へアクセスする過程で初めて知る日本の面白い場所にも大変興味を持ち、ますます旅をしたいという思いが強くなりました。
そして最後、もう一つの理由から手段は自転車が好ましいだろうという決断に。
それが神社仏閣です。
神社仏閣巡り
朱印集めが趣味の学生時代。お財布事情からも、行動範囲からも近所を回るくらいの慎ましい楽しみだったわけですが、その趣味によって神社仏閣への興味は深まっていきました。社会人になってからは鳴りを潜めていたこの趣味ですが、山の楽しさに目覚めた事でこの二つが合致してしまったのです。
私にとって……というか日本人にとって山と神社仏閣というのは別々のものではなく最初から結びついているものだからです。
神秘の象徴として山自体が御神体であったり、山を修業の場としたりで山中に寺院が建てられることが多く、参拝すること自体が登山になるパターンがとても多いんですね。
登山を伴う参拝を「登拝」などと呼んだりしますし、お寺には「山号」といって寺名の前に〇〇山と着きますし(天台宗総本山 比叡山延暦寺など)。
ものぐさな学生時代の私はそのような登山を伴う神社仏閣をできるだけ避けていたので、寺社に興味は持ちつつも山はノーサンキューというふざけた姿勢だったわけですが、剣岳をきっかけに登山の趣味が開花。神社仏閣もつながったというわけです。そして今回全国を移動する機会が得られそうだぞ、と思ったら……
一之宮巡礼してぇ……!
各宗派の総本山、行きてぇ……!
という気持ちが湧く湧く。と同時に
いやいや、山に登りたいという気持ちは本物だったかもしれないけど神社仏閣も同じかは分からないじゃん!
という疑心。じゃあこの気持ちがマジなのか確かめようという事で、登山の時と同じアプローチをしました。実際に神社仏閣に行ってみてどのように感じるか試してみようということですね。
四国の百名山『剣山』にある大剱神社の御神体『御塔石』や
懸崖造りの釈尊寺 観音堂宮殿。
いややっぱり面白い!
神社仏閣なんて歴史の塊ですから、参拝するたびに寺社同士のつながりに驚き興奮したり、シンプルに建築物としての見ごたえがあったりと、旅との親和性が高い高い。前述のように登山も伴うこともあると来ました。
また登山道具を積んで日本を回るのであれば名刹を単発で回るのではなく巡礼というように一つの流れの中で参拝することも可能そうです。そう思うともう自らの足で回る以外ないぞという気持ちが固まってきました。
自分の足で、となると最善は徒歩での日本一周になるのでしょうが、それが可能な気力体力を備えていたとしても徒歩だと3年ほどの旅になりそうです。さすがにそれだけの間無職でいることはお金の面でも厳しそうだという判断から、旅の期間は1年ほどとして、自転車を使うことに決定しました。
さいごに
私は神秘的なものが大好きです。人間がとても言語化できないような美しいものに触れる瞬間にたまらない幸福感を覚えます。それは山頂からの絶景であったり、神社仏閣の侵しがたい静謐な空間に身を置くことだったりです。
同時にそんな神秘的な空間に打ち込まれた人の業の跡もたまらなく好きなんですよね。例えば我々登山者の山行を助ける整備された登山道にはじまり、ダム建設不可能と言われた黒部峡谷に建てられたダムたち。山中、山頂に構えられた寺社などなど。
これらの聖域には人間の歴史が詰まりに詰まっています。ドラマティックだと思いませんか? 山も寺社も今日まで存在しているというだけでそこに物語があります。
これらの場所に自ら足を運び、触れる。もはやロマンしかありません。
こんなことを考えていると段々、もう旅に出るしかこの熱量は発散できないように感じられてくるんです。旅人といっても自称しているだけで客観的には無職。仕事を辞めてまでやる事か?という問いは常にありました。ただやらないことには「やるか?やらないか?」の自問自答をずっと続けることになりそうだなと確信。思い切って一歩踏み出してみました。
おそらく人生でこれだけの休暇を得ることはほぼないでしょう。
日本一周とはいっても個人的な娯楽であることに違いはありませんから、やるからには「やっぱり旅に出なければよかった」なんて無いようにならないように精一杯実りあるものにしていくつもりです。
登山記録と同様に旅の記録もこのブログにつけていこうと思います。不安なことも多いですが最善を尽くして今後の一年ちょっとを過ごせるよう楽しみながら努力をしていきます( •̀ᴗ•́ )
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