やって参りました一之宮巡礼。
本日は福岡県福岡市にあります筑前国一之宮『筥崎宮』を参拝したいと思います。
筥崎宮は筥崎八幡宮とも称し、日本で最も多い八幡信仰に関わる神社のひとつ。それも宇佐八幡宮(大分)、石清水八幡宮(京都)とともに日本三大八幡宮に数えられるどえらい神社です。
祭神は
- 応神天皇
- 神功皇后(応神天皇の母)
- 玉依姫命(神武天皇の母)
箱崎近辺では鎌倉時代、蒙古襲来を「神風」によって退けたことから武人からの信仰の篤い神社です。
神門に掲げられた「敵国降伏」の扁額からも、厄除け・勝運の神として崇敬を集めている様が伺えます。
神社の名前が付いた駅
最寄り駅はそのまま名前の通りに箱崎宮前駅。
「箱」の字が違うじゃん!って?
「筥崎」の名前をそのまま使用するのは筥崎八幡神に畏れ多いとしてわざと字を変えているのだそうです。こういう地名からも神社の神威が伝わってきて楽しいですよね( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
駅から出るとすぐ目の前に案内板が。
矢印の通りに視線をやると……
遠っ……
視界には入ってはいますが、遠いですねぇ……
反対側を向けば博多湾に面した鳥居が立っています。
どうせならここからスタートしてすべての鳥居をくぐって境内に入ることにしましょうか。
――と思ったのですがこの鳥居のある神社庁内に柵で阻まれて入れませんでした(=_=;)
迂回すればどこか入り口があるかと思ったのですが……
八幡宮の文字が確認できます。
毎年秋分の日に一番近い戊(つちのえ)の日にこの海岸の真砂・お潮井を自宅へと持ち帰るお潮井取りがあるようでその時にならばこの鳥居の前まで行けそうです。
長い道草でした。本殿へと向かいましょう。
重要文化財の鳥居
一之鳥居に到着。
石造りのこの鳥居は国指定の重要文化財となっています。
慶長14年(1609)に黒田長政が建立しました。
ここをくぐればようやく境内です。駅からここまで歩くだけでもいい散歩になりますね。
横には大社筥崎宮の文字が刻まれた石碑。
これもただの石碑ではありません。
裏側には日露戦争でバルチック艦隊を撃破した英雄の名前が……!
この石碑を揮毫したのはあの東郷平八郎なのです。
司馬遼太郎作品で一番好きな本が坂の上の雲なのでテンション上がりました。
筥崎宮境内
なんと立派な楼門。近くで見るとさらに圧倒されます。
これはお潮井ですね。私が入れなかった浜辺の鳥居があった所の真砂。
この砂には厄除け開運の祈祷がされているようです。参拝客が掬って持って行っていました。
楼門の隣には多くの絵馬が掲げられています。
巨大な絵馬には野球チームとサッカーチームの必勝祈願が。
敵国降伏、転じて勝利を運ぶ御利益にあやかろうという参拝客が多く訪れるようです。
このデカデカとした「敵国降伏」の威厳と言ったら。
シンプルに勝利を願うのではなく、相手の敗北あっての勝利であることを強調するこの語気には少し怯んでしまいます。
しかし古代より海に面し外敵からの防衛最前線だった筑前においては、武人を祀り敵国降伏を掲げる神社に人が集まるのは当然ともいえますね。
社務所で御朱印描いてもらっている間に参拝。
御朱印を頂いたら筥崎宮ウェットティッシュも貰いました。
専用ウェットティッシュってすごいですね。市販品で済まさない、これが一之宮。
「疫病降伏」のパワーを感じます( •̀ᴗ•́ )
元寇時に蒙古軍が使用したとされる碇石。
ここにあるものは博多港から引き揚げられた6本の内の1本です。
良い天気で緑が綺麗すぎますね。最高の参拝日よりでした。
このまま裏参道から筥崎宮から出ることにします。
こちらの鳥居にも「敵国降伏」。
一之鳥居から東郷平八郎の名前を見たからか、現在の政界情勢も相まって特定の国が思い浮かんでしまいますね。
敵国降伏の御利益に国レベルであやかりたくなる気持ちもチラッと出てきそうになりますが……
降伏させるのは個人的な競争相手だけに留めていられるような平和な時代が続くことを祈っております。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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