【437日目】「神宮」というのはここの事『伊勢神宮』

2023-11-15

「日本を代表する神社はどこか?」
この問いに対していくつかの神社の名前が挙がるかもしれませんが、その中から伊勢神宮が外れることはないでしょう。日本一の神社と言っても過言ではない伊勢神宮に、旅の終盤も終盤に参拝する機会を頂けました。神社をテーマとした旅の締めにこれ以上の神社はありません。

目次

お伊勢参り行ってきます

快適な目覚め。ベッドのありがたみを知れますね。

今日もまた宿の前でAさんに拾って頂き、そのまま高速道路へ乗りました。

移動を続けお昼ご飯もSAでご馳走になりました。今日はどこに向かっているのかといいますとーー

ほこから

今日は伊勢神宮へ参拝します!

神社を旅のテーマのひとつにしておきながら日本一の神社と言っても過言ではない伊勢神宮にお参りしないのはナシでしょう( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

とか言いつつ前回三重に行った時は、伊勢神宮は北アルプス登山のためにスルーしてしまっていました。そこで通り過ぎてしまったらもうこの旅中に参拝することはないかもなと思っていたのですが、大阪でAさんに拾ってもらって京都へ。そして「伊勢神宮にでも行こうか」と誘ってもらって今日の機会に恵まれました。

私が神社をテーマに日本一周をしていることを御存じなので伊勢神宮を挙げてくださったのでしょうけど、私自身は「伊勢神宮に行っていないのが心残りなんですよねぇ」みたいなことは言っていないんですよ。運命的でしょうこれは。三重に行った時に伊勢神宮をスルーしたたのは「最後に招いてやるから先に山に行ってこい」という大御神の天啓だったのかもしれません( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

豊受大神宮『外宮』

という事でまずは伊勢神宮の外宮に到着。

伊勢神宮には内宮外宮とありますが、内宮、外宮のどちらかだけを参拝する「片参拝」ではなく両方参拝することが基本で、その際は外宮から先に参拝して内宮へお参りするのが古代からの習わし。「外宮先祭」といって、祭祀においても外宮から先に行われることが多いのです。

外宮、内宮、外、内、外、内ごちゃごちゃ言っておりますが伊勢神宮の正式名称は単に「神宮」。平安時代に国家から祭祀対象となった神社をまとめた延喜式神名帳において「神宮」の名を持つのは香取神宮、鹿島神宮、大神宮の僅か三つです。今を生きる我々に対しても「大神宮」で伊勢神宮だと分からせて来るのが流石というべきでしょうか。伊勢神宮には外宮と内宮の他にも神域内外に別宮14社、摂社43社、末社24社、所管社42の社があり、これらすべて合わせた125社全体で「神宮」なのです。

そんな神宮の内、伊勢の中心部・髙倉山の麓に鎮座しているのが外宮こと豊受大神宮。外宮と呼ばれているのは単純に、皇大神宮こと内宮から見て外側にあるからで、奈良時代には既に外宮と呼ばれていた記録もあります。

火除橋

御祭神は豊受大御神とようけのおおみかみで、内宮創建の500年後に天照大神の神託によって食事を司る御饌都神みけつかみとして丹波の国から迎えられました。

火除橋。真ん中に「左側通行」の立て札がある

火除橋を渡ったらそこから神域です。火除の名の通り、防火目的で人工的に作られた堀川に架けられています。別名は「第一鳥居口御橋」。

外宮と内宮で左右どちら側通行かが変わってきまして、手水舎が左側にある外宮では左側。右側にある内宮では右側通行となります。外宮は火除橋、内宮は宇治橋の立て札でどちら側通行か確認できます。

手水舎

確かに手水舎が左側に現れました。

さすが天下の伊勢神宮。柄杓を置いているのはもちろんですが、それもプラ製ではなく竹柄杓。コロナ禍以降、手水舎から柄杓が消え、センサー式の自動水栓の所すらある昨今。より強く風情を感じてしまいますね。

正宮

外宮内宮共に同じですが、神宮を参拝するときはまず正宮にお参りをします。その後に神の荒御魂が祀られている第一の別宮へお参りするのが良いでしょう。しかし、出雲大社の時も思いましたが、伊勢神宮クラスの神社になるとじっくり見て回るのは一日を費やしてもなお足りません。今回も外宮に到着した時点で14時半、と時間に余裕もありませんので今回は正宮のみの参拝でいかせて頂きます。

これより先は撮影禁止

豊受大神宮は衣食住、産業の守り神である豊受大御神を祀っています。社殿は「唯一神明造」と呼ばれる日本古来の建築様式で、出雲大社の大社造りと共に日本最古の建築様式と言われます。

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造りは内宮とほぼ同じ様式ですが、若干異なる部分もあります。共通点についてはいずれも本殿の屋根に千木・鰹木があるということ。違うのは、千木はその先端を水平に切る内削が内宮で、垂直に切る外削が外宮です。材木の切断面が上を向く内削は雨水が染み込んで腐る原因になるので、外削の方が保存が良く、出雲大社はじめ他の神社でも外削を採用しているところが圧倒的に多いです。それでも内宮が内削なのはいかなる理由なのか。鰹木は内宮10本、外宮9本、出雲大社は3本です。

この鰹木と千木は古代の宮殿建築に用いられるもので、古墳から出土した家形埴輪にも鰹木と千木が見られることがあります。

正宮裏手の御饌殿では朝夕の二度、米・水・塩などの神饌を神々に奉る「日別朝夕大御饌祭ひごあさゆうおおみけさい」が行われます。これは下宮が鎮座した1500年前から毎日続いているとのこと。高野山の「生身供」じゃないですか!

正宮だけで見どころが多すぎますね。しかし時間が無いので御朱印だけ頂いたら次は内宮へ向かいます。

皇大神宮『内宮』

神宮会館駐車場前

内宮と外宮は4kmくらい離れています。

デカい鳥居が入り口の宇治橋が見えてきました。この時点で人が多い。

宇治橋

内宮における神域への入り口、宇治橋。かつては橋の痛みが激しくなるたびに修繕や架け替えが行われていましたが、1889年からは20年に一度の式年遷宮に合わせて架け替えが行われるようになりました。

現在では式年遷宮の4年前に架け替えが行われますが、これは1949年に式年遷宮が中止になったためです。遷宮が中止になった年に攻めて宇治橋だけはと橋の架け替えが行われ、以来そこから20年ごとの架け替えのサイクルが続いているのですが、式年遷宮が復活したのが4年後の1953年だったので架け替えと遷宮が4年ずれてたまま現在に至っているのです。

宇治橋の架け替えには船大工が活躍するのですがこれは橋の表面の板張りに和船造りの特殊な技術がつくられているからです。橋は表面からの雨水の浸透を防ぐために船底を逆さにしたような形になっています。

最近は靴底の固い靴で参拝客が増えており、橋の表面は20年の間に6cmもすり減るのだとか。

橋の内側の鳥居には内宮旧御正殿の、外側の鳥居には外宮旧御正殿の棟持柱が使用されています。この鳥居はさらに20年経つと内側の鳥居は鈴鹿峠の「関の追分」、外側の鳥居は桑名の「七里の渡し」の鳥居となります。関の追分って関宿じゃないですか。知らなかったのでこの鳥居見ていない。゚(゚^ω^゚)゚。

本当に右側通行ですね。外宮と同じ理論なら右手に手水舎が見えてくるはずです。

手水舎

ほこから

オモロ

右手に手水舎が見えてきました。

神社仏閣の建物の位置というのは全部理由があるんですね。

五十鈴川

内宮の自然の手水舎とも言えるのがこの五十鈴川。神路川と島路川の流れが合流した美しい清流で、古の若にも多く歌われています。倭姫命が御裳のすそを濯いだことから「御裳濯川」の異名も持ちます。

石畳を敷き詰めた緩やかな階段を下りると、参拝者がお清めを行う御手洗場。ここでは手水舎と同じようにお清めができます。

高野山系から十津川山系に至る川石には高度の高い巨岩が多く五十鈴川の河川改修にも使用されます。高野山の壇上伽藍の中門再建時にもそこから礎石を調達しようとしましたが、式年遷宮の工期が先行していたこともあって巨岩を探し始めた時点ではもう稀少になっていて苦労したという話があります。あの中門は本当に面白い。

お次は正宮。

正宮

内宮の正宮も、外宮のものと同じく唯一神明造で建てられており、三種の神器の一つ・八咫鏡を御神体として、皇祖神である天照大神を祀っています。皇祖神とは天皇家の始祖神。天照大神は太陽の神という抽象的な存在ですが、天皇家は現在まで続く実在の系譜なので皇祖神としてみるとその存在感は抜群でしょう。

皇大神宮こと内宮は約2000年前、天照大神の神託を受けた倭姫命やまとひめのみこと(垂仁天皇の皇女)が建立したと伝わります。天武天皇から持統天皇の時代に神宮と呼ばれるほどに規模が拡大し、20年に一度行われる式年遷宮が始まったのもこの時代からです。

神宮式年遷宮

「神にいつも新しく清々しいところに住まって頂く」という考えから、20年に1度、社殿を新しく作り変えること。他にも宮大工の技術の継承など諸説あるが定説はない。

伊勢神宮にはおみくじが無い?

お参りが終わったら神楽殿へ。ここではお神札、お守りを扱っており御朱印も頂けます。豆知識という程でもないんですけど神宮にはおみくじがありません。なぜかと言うと、江戸の頃は「一生に一度はお伊勢参り」と言われたありがたい場所である神宮。日本の大御祖神である天照大神に参拝したならもうこれ以上の大吉はあり得ないでしょうという理由です。粋~!

御守りを買う時、天照大御神が本来のパワーを発揮するためには御饌都神である豊受大御神の力が必要なので内宮外宮両方で買うのが良いそうです。両方のバージョン買わないと図鑑が揃わないポケモン?

御朱印を頂いたら参拝終了。

全部回ると125社ですもんね伊勢神宮。二泊三日くらいでじっくり回りたいものです。

おかげ横丁

境内から出たら人の流れに乗って移動していきます。

この人の多さよ!

ここは内宮の前に広がるおかげ横丁。切妻や入母屋などの昔ながらの商家が立ち並ぶ古風な町並みです。伊勢の名産物を扱うお店が沢山の観光通りを通っていきましょう。

スタバですらこの装い。これはカッコいいですね。

伊勢と言えばこちら「赤福」。

伊勢名物として定番のお菓子ですね。大好きなやつ。

座敷に上がってティータイム。とても美味しかったです。

帰京

密度の高い一日でしたね。京都に帰ってきたときには20時ごろでした。

そのまま夕食で中国料理『西海』という中華屋さんに連れてきて頂きました。

皿うどんとちゃんぽん、炒飯をご馳走になりました。特に皿うどんが絶品という事で食べさせてもらいましたが、

ほこから

マジで美味い

マジで美味かったですね。この皿うどん、あと一皿行けます。

絶品中華をご馳走になった後は宿まで送って頂き解散です。明日はまた建築現場でお手伝いの続きをさせてもらいます( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )











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