【400日目】まだまだチュートリアルのお遍路2日目

2023-10-9

お遍路2日目は旅が始まって400日目!一日遅らせて今日をお遍路スタートの日にしたらよかったのでは?涙。そんな節目の日は昨日と同じく5つの札所を打てました。ちょくちょく傾斜のキツイ場所もありましたが、今のところはスイスイ巡れています。これが山を越えるようになるとお遍路も厳しさを増してくるんでしょうね……。

目次

お接待の精神に心温まる朝

朝っぱらから何事!?

上板町ファミリースポーツ公園からおはようございます。

昨日は午後から一日中雨。近くにネカフェなんかも無いので公園の東屋で野宿させてもらいました。朝起きて出発の準備をしていると公園へ散歩に来られた地元の方々が私の自転車を見て話しかけてくれたのです。

会話するうちに私がお遍路さんだということが分かると、お饅頭を下さったりと接待をしていただいて、最後には写真を撮ろうとまで誘ってもらい冒頭の一枚が出来上がりました( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

昨日の記事では説明できていなかったのですが「お接待」というのは、お菓子などの食料、または一晩の宿などでお遍路さんをもてなす四国の習慣です。お遍路さんに弘法大師の姿を重ね、施しをすることは仏教修業の一つ。つまりお接待も修行であり、故に断るのは失礼に当たるのです。

ーーというのはまあ、仏教上の理屈付け。お接待の精神の根っこは人の善意に他なりません。私の様な県外からやってきた、言ってしまえばよそ者に対して「よく来たね」「頑張っているね」「気を付けて行ってね」と優しい言葉を、時には今回のようにお菓子といった形あるもので労ってくれる。嬉しいことじゃないですか。あるいはこれも仏様の無限の慈悲の一端なのかもしれませんね。

都会で聞く「接待」とは全く違う精神。地元の方の暖かさに触れてすばらしい朝を過ごすことができました( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

【六番札】温泉山『安楽寺』

本尊:薬師如来
真言:おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

公園を出たら真っすぐに六番札所を目指します。五番札所から直接来れば歩きで一時間半ほどの道のりですね。

六番札所の駐車場に来たらトイレにビックリ!もうこれは半分ホテルでしょう!( ´艸`)

野宿になれた人から見るととても贅沢なベンチですよ。四国のベンチはみんなこんなに快適なんですか。

山門

六番札所温泉山『安楽寺』に到着です。民家の中から山門が現れました。町の中のお寺ですねここは。

山門は上層が鐘楼となっている竜宮門様式。

境内は石畳が敷いてあって非常に整っています。お庭も綺麗。

南北朝時代には庭園が熊野新宮に寄進されるなど、熊野修験とのかかわりも深かったようです。

温泉山という山号の通り、もともとこの地には温泉が湧いており、その温泉場に弘法大師が本尊の薬師如来を納めて寺を作ったのが安楽寺の始まりと言われています。

他に境内で目を引くのは内部には京都大仏師・松本明慶師作の五智如来様が祀られている多宝塔。塔の周りの基壇には四国八十八ヶ所の砂が埋められており、お砂ふみをすることができます。

安楽寺は宿坊に泊まれるというので実は昨日ネットで調べていたんですけど普通に旅館プライスだったので雨の中野宿しました。

宿坊というのはもう雨風さえ凌げればいいというようなお遍路さん達が泊まる物置小屋みたいものだと想像していたので公式サイトを覗いた時はいい意味でビックリしましたね。

宿坊|【公式】温泉山 安楽寺
宿坊|【公式】温泉山 安楽寺 徳島県に位置する温泉山安楽寺は、宿坊として400年の歴史があります。和室やシングル、ツインなどお部屋は全部で57室用意しております。弘法大師様が発見したとされる湯に...

安土桃山時代には徳島藩祖・蜂須賀家政によって駅路寺の一つに指定されました。駅路寺は遍路や旅人のため宿や食事を提供して保護する、藩が指定した寺院です。老舗よね安楽寺宿坊。

本堂

昨日ダイソーで線香・ローソク入れを購入したので初日よりは献香もスムーズに行えました。香炉に立てる線香は3本と決まっているのですがリュックの中から細く脆い線香を3本ピッタリ取り出すの難しかったんですよね。ちなみに線香の本数が3本というのは、過去・現在・未来の仏様にお供えするという意味があります。

お寺で過去・現在・未来と聞くと出羽三山での三関三渡の行を思い出します。お遍路も死装束に身を包み、結願して俗世に生還するいわば擬死再生の修行。通じるものがありますね。

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本堂で現在祀られているご本尊は、昭和37年に難病に苦しむ女性が当時の住職の勧めでお遍路を行ったところ、巡礼中に病気が快復したその報恩に奉納したもの。43cmほどのもともとの本尊は胎内仏として納められているようです。

では読経タイムといきますか。安楽寺の本堂は納経所も兼ねているという珍しいタイプ(まだサンプル数6しかありませんが)。お寺の人の目があるとたどたどしい読経がちょっと照れますね。

安楽寺で住所氏名を記入した納札が切れてしまったので追加で何枚か記入しておきましょう。同じ文を何回も書くのつらい……。この年になって漢字の書き取りをしている気分ですよ。

大師堂

とりあえず今日必要な分の書き取りが終わったので大師堂へ参ります。

安楽寺、全体的に風情がある。

献灯、献香、そして読経。
早く舌にお経を覚えさせたい。

ちなみに寺の縁起にもなった温泉ですが今も大師堂の前から湧いており、宿坊の大浴場に利用されています。私は節約のために泊まりませんでしたが、お遍路初日の宿が六番札所というのは超丁度いいですよ。宿坊に宿泊する人は19時からの本堂での勤行にも参加できますしね。

納経所

再び本堂に戻って納経してもらいます。

帰り際、外国からツアーでお遍路に来られた方々に声をかけてもらってなぜかツーショットなど撮ってもらいました。相手方のスマホだったので写真は持っていませんが。表に停めた自転車が私のものだとよく分かったなという驚き。私がめっちゃ日焼けしているから旅人だとバレたのかもしれません( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

☞NEXT 七番札所『十楽寺』

次の札所までの距離:約1.2km
移動時間(徒歩):約15分

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