2023-11-4
里寺が多いですが山寺が無いとは言っていない菩提の道場。本日はそのアクセスが億劫な山寺セクションです。五つの連峰で構成されている五色台に札所が二つあるので縦走みたいな形になります。アップダウンがつらい泣。そして一日の締めは久しぶりの一之宮参り、讃岐国一之宮『田村神社』を参拝してきました。
五色台へヒルクライム
新居児童公園からおはようございます。水場がなく、左の建物はトイレではないという驚き。しかし近所のガスト付近ではここくらいしか野宿できそうなところは見つけられませんでした。東屋が最強なのでもう少し暖かければ良い場所ですけどね( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
さてお遍路もとうとう八十番台に入りました。本日は八十一番札所を目指して国道11号線を”逆走”していきます。
八十番札所『国分寺』と八十一番札所『白峯寺』の位置関係がこんな感じなんですよね。国分寺まで突っ込んでも白峯寺に行く為には来た道戻って迂回しないといけないのです。
そして白峯寺は見た地図で見た通りの山寺。青峯、黄峯、赤峯、白峯、黒峯の五峯から成る五色台、その最も西よりの白峯山にあるのが白峯寺です。朝っぱらからヒルクライム確定。
登坂の途中で目に入ったこの道、めちゃくちゃ悩みました。
白峯寺への歩き遍路道なんですけど、歩けば1km、自動車道なら4kmという選択です。歩きで行く方がはるかに楽なのですが憎らしいのが、その次の八十二番札所『根香寺』。これが五色台の主峰、青峰山にある寺なので結局白峯を越えないとたどり着けないんですよね。
徒歩1kmという誘惑を断ち切ってジワリとキツイ4kmの道をいきます。
”無”の状態で自転車をこぎ白峯寺の駐輪場に到着。
駐車場からも少し歩きます。歩きならOK。
【八十一番札所】綾松山『白峯寺』
この森閑とした山の霊木は横峰寺に似たものを感じます。
山門
山門を抜けると正面に護摩堂。ここは納経所もかねています。
境内ではミカンの無人販売。量が多くて自転車には積めませんね。残念ですがスルー。
勅使門
白峯寺は天皇寺と同じように崇徳上皇と非常にゆかりのある寺。保元の乱で京を追われ讃岐の地に流され崩御した上皇の霊廟や、その御神体を祀る頓証寺殿が境内にあります。入り口となるのがこの勅使門です。
阿の狛犬は上あごが破壊されていて、吽の狛犬はめちゃくちゃ下唇かんでいて笑いました。
頓証寺殿
ここには崇徳上皇にまつわる話がいくつかあります。保元の乱で都を追われた崇徳上皇はここでホトトギスが鳴くのを聞いて歌を詠みました。
なけばきく
きけば都の
恋しさに
この里すぎよ
山ほととぎす
ホトトギスの鳴き声を聞くと京を思い出すから泣かないでくれ……という上皇の嘆き。これを聞いたホトトギスは以来、木の葉を巻いて咥え、声を殺しながら鳴いたといいます。
上皇の願いもむなしく讃岐で崩御し、八十場の泉に浸されたのち、この地で荼毘に付されました。崩御から二年後、上皇と親しかった西行法師がここを訪れた時に崇徳上皇の霊が現れます。二人は様々なやり取りを交わしたといいます。上皇の霊は無念の気持ちを歌にして詠み、荒れ狂いましたが、心打たれた西行法師が上皇を慰める歌で返すと、上皇はその歌を受け取り消えて行ったという話があります。
上皇の死後に続く異変を恐れた朝廷は、陵墓近くにこの頓証寺殿を建立し、後小松天皇は直筆の勅額を奉納するなど、上皇の慰霊に努めました。
このような怪異譚にも納得してしまうような霊妙な雰囲気がある建物です。
勅使門から出たら次は石段を登って本堂へ。
なんか至る所に干支の石像があって何かと思ったら、境内の色んな建物に干支像が置かれていて、自分の干支がいるお堂でお参りをするというもののようですね。私の干支の酉、さっき見たような気が。
本堂
本尊:千手観世音菩薩
真言:おん ばざら たらま きりく
白峯寺は815年に弘法大師がこの地に井戸を掘り、衆生救済を誓願したことが始まりです。その後、甥の智証大師が瀬戸内海を漂っていた霊木で千手観音菩薩を刻んで本尊として安置したと伝えられています。
結願もあと少しというタイミングで献香用の線香が切れそうです。このタイミングで補充するとなると絶対余らせてしまいますよね。仕方無いことですが、どこかダイソーを見つけたら買うとしましょう。札所にも香炉側で無人販売していますけど一本50円とかしますからね(^-^;
大師堂
隣の大師堂もお参りしたら
護摩堂で御朱印をもらいましょう。
納経所
あ!
酉、ここで見ていたんですね。道理で既視感があったはずです。護摩堂で御朱印を頂いたら中の不動明王(たしか)を拝んでおきました。
白峯寺は参拝終了ですがまだ油断できません。
NEXT☞ 八十二番札所『根香寺』
次の札所までの距離:約5km
移動時間(徒歩):約1時間40分
【八十二番札所】青峰山『根香寺』
お次の根香寺ですが、五色台というようにここ青峯、黄峯、赤峯、白峯、黒峯という五つの連峰のあるエリア。アップダウンの激しい縦走の様なものです。白峯に建つのが白峯寺で、主峰の青峯に建つのが根香寺。一筋縄ではいかないでしょうね。
根香寺までは五色台スカイラインを通っていきます。スカイラインと名のついた道がチャリダーを苦しめなかったことがあっただろうか。いやない(反語)。
登り、下りを繰り返し
根香寺駐車場にようやく到着。骨の折れることよ。
駐車場に化け物いて笑いました。これは牛鬼の像。牛鬼ってこんな仮面ライダーアマゾンみたいな感じなんですね。
昔、この山には牛鬼という怪獣が付近を荒らしていました。困った人々は山田蔵人高清という弓の名手に退治を頼みます。山田は根香寺の本尊の千手観音菩薩に願掛けをして見事牛鬼を退治したといいます。
山門
【八十二番札所】青峰山『根香寺』。青峰山に建っているので青峰山根香寺です。
じゃあ白峯寺は白峯山白峯寺やろがい!
白峯寺の山号は綾松山なんですよね。根香寺とは峯と峰も違いますしこういう統一されてなさめちゃくちゃ気になります。
一回下ってもう一度登る珍しい参道。根香寺は境内でもアップダウンがあるだと……!
参道にはお地蔵さんなど像がいくつか立っています。
役行者像もあるじゃないですか。
大峯奥駈道では大変お世話になりました。行者のそばに控えているのは前鬼、後鬼かな?
手水舎、美味しそうですね。菊をイメージしているようです。確かに菊最中っぽい。
手を洗ったらもう一段高いところにある本堂へ向かいます。
このお寺にも郷照寺のように万体観音があるんですね。
本堂
本尊:千手観音菩薩
真言:おん ばざらたらま きりく そわか
本堂到着。縁起では、五色台の五つの山に五智如来を感じた弘法大師が青峰に建立した花蔵院が始まりです。
832年に弘法大師の甥である智証大師が四国を巡錫した際、欅の木の下に白猿を連れた山王権現が現われ「蓮華谷の木で観音像を作るように」と告げられます。大師は霊木で千手観音菩薩を刻み安置。この霊木が根まで香り高かったことから根香寺と号したといいます。
大師堂
階段を下りて大師堂。いよいよ線香が尽きそうです。
五大堂
大師堂の反対側には五大堂というお堂があります。弘法大師が入唐前にこの地に留まり、五大明王を祀ったことが縁起とされています。
納経所
これで根香寺も参拝終了。一息つけますね。涅槃の道場、全然楽々コースではない。゚(゚^ω^゚)゚。
NEXT☞ 八十三番札所『一宮寺』
次の札所までの距離:約11.9km
移動時間(徒歩):約3時間30分
銭湯で英気を養います
さて後は下るだけで次の札所にたどり着けますが直行せずに一旦銭湯行きたいですね。今日は白峯寺と根香寺だけを参拝する予定でしたから無理して内に行くこともありません。
五色台を下って県道16号線に出ます。途中でイオンを見つけたので入店。
ダイソーで線香を買わねば。しかしこのダイソーでは線香を発見できず。線香がダイソーに無いことなんてあります!? もしかして夏シーズンの商品なんですか線香って( ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )
しかしイオンの方に線香があったので良し。
イオンを出たら再び県道16号線を行きます。香東川を渡って左折すると
スパ銭に到着。
暖かいお風呂でリフレッシュ。気づいたら15時になっていました( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
明るいうちに次の札所方面に移動しておきますか。もしかしたら参拝できないこともないかもしれませんし。
それにしても国道193号線は車が多い。思うように走れません(。◔‸◔。)
讃岐国一之宮『田村神社』
次の札所『一宮寺』は参拝できませんでした。゚(゚^ω^゚)゚。
八十三番札所『一宮寺』のお隣がこの田村神社なんですよね。こんなに近くに来たなら一之宮も旅のテーマの一つですから是非参拝しようと思ったんですけど、到着した時にはすでに16時半。17時に納経所、社務所が締まることを考えると今日中に参拝できるのはどちらか一つです。田村神社の営業開始時間は9時からですけど、札所は7時には開くので先に田村神社を参拝しておけば明日ロスタイムがありません。という事で本日の締めは讃岐国一之宮『田村神社』です。
名前的に田村神社の別当寺が一宮寺なんでしょうね。あとで調べてみます。
土佐神社以来となる遍路中の一之宮参拝ですね。どの一之宮も札所の近くにあります。
雰囲気があり過ぎる。”そういうダンジョン”でしょう。
めちゃくちゃ逆転裁判みたいな桃太郎像を見つけて笑いました。後ろの女性は誰ですか。
田村神社の祭神に、桃太郎のモデルとなった吉備津彦命もいるようですね。後ろの女性は吉備津彦命の姉である倭迹迹日百襲姫命。これは姉が弟に瀬戸内海の鬼退治を命じている場面なんだとか。
畑氏の柄杓は……ないか。ここは札所じゃないですもんね。
もう無限に続く鳥居を敵を倒しながら突破する系のダンジョンでしょうこれ。雰囲気めちゃくちゃ好きです。
ぜったいこれ表参道では無かったですね。北参道から来ていたようです。
本殿
田村神社は御祭神五柱を総称して田村大神と呼びます。
702年に社殿が創設され、古来より信仰されたいた「田村大社」「定水大明神」または「一宮大明神」とも呼ばれる御祭神を祀ってきました。奥殿の床下には深淵がありますが厚板で覆われているため見ることはできません。
奥殿深淵には龍が棲み、覗いたものは絶命するとされているため開かれたことはないとのこと。ただ言い伝えでは、1655年に社殿の改築工事の申請を受けた竹村斉庵が、一度この深淵を見てみたいと神官に頼み込み覗き込んだことがあったそうな。しばらくすると水が逆巻いて龍が頭を出し斉庵を睨みつけ、気味が悪くなって退いた斉庵は家に帰って家内にその話をしたところ死んでしまいます。龍の祟りは恐ろしいものですね。
御朱印も頂けてミッション完了。
宇都伎社
あとはゆっくり境内を回るだけです。摂社も多く、ここは大地主神を御祭神とする宇都伎社。家内安全、生活守護の神としてお参りが多いとのこと。最初はこれが田浦神社の本殿かと勘違いするくらい大きく立派な社殿です。
家内安全というか繁栄を象徴していそうな龍がいますね。
ミニ十二支がまるっこくてかわいい。
宇都伎社はこの龍が目立ちすぎる。楽しい神社でした。
境内を出て自転車を回収したらもう日暮れ時。今日も公園で野宿ですね。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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