2023-9-19
中央アルプス孤高の岩峰『空木岳』。そんな山へのアクセスが楽であるはずもなく。いくつものアップダウンを越えてたどり着きました。山頂では歓喜と絶望の両方を味わうという珍しい体験。嬉しいし、悔しい……!。゚(゚^ω^゚)゚。
中央アルプス縦走 空木岳編
4:25 檜尾小屋
中央アルプス二日目は檜尾小屋のテント場からおはようございます。本日は4時半ごろのスタートという遅めの出発。南アルプス縦走中は考えられない遅出ですね。テント泊の方が6,7組いたのですが私が出るときにはもう2張しかありませんでした。みんな早い。
もう今日は空木岳に登るのみですからこれくらいの時間のスタートでも余裕はあります。行動時間は10時間ほどあるのですけどね(^-^;
美しい朝日が期待できそうなこの東の空。駒ヶ根の街にも光が灯っていています。そろそろ里の方も起床の時間ですか。
気になるのが西側にある北アルプス。そちらは完全に雲に覆われていて頻繁に雷が落ちています。何度も「灯台に照らされたか?」というような閃光が走るんですよね。雷鳴は届かないので静かなものですがその無音も不気味です。今日の天気は大丈夫か……。
5:00 大滝山
テント場から檜尾岳までサクッと戻り、そこから30分ほどで大滝山を踏みます。大体今の時期は5時半ごろにモルゲンロートが拝めるのでここで待っていても良いのですが立ち止まるにはちょっと肌寒いですね。下界は寝苦しく、蚊にも悩まされていたのに山に入るとやはり完全に夏は終わっています。
悩ましいのが次のピークである熊沢岳まで一時間はかかるという事。ここを離れると山頂でモルゲンが拝めない可能性大です。
しかし結構開けた稜線を歩くので山頂でなくても見晴らしは良いだろうと思い進むことにしました。とにかく足を動かしたいです。
5:20ごろになるとヘッドライトが無くても目が効くようになりましたがこれは……。極上のモルゲンロートを期待させる夜明け前のあの予感はどこへやら。中央アルプス一帯が雲に食われています。
三沢岳は首チョンパされたのかってくらい綺麗な雲に頭突っ込んでいました。境界がこれだけボケない雲もそれはそれで美しい。
5時半、モルゲンロートのお時間ですが現実はこのザマです。これはこれで味のある山景色ですけどね。現場はエラい強風で景色楽しむ余裕は無しです。゚(゚^ω^゚)゚。
アップダウンだらけの山脈だという事はよくわかりますね。
山を赤く染めるマジックアワーが終わってもガスはそのままです。今日は雨も食らいそうだ……。
5:50 熊沢岳
何も見えないわね……。
何も……。
ちょっと離れたところに新しい熊沢岳の標識がありました。晴れていれば迫力満点の空木岳が見えるはずなのですがねぇ……。
7:00 東川岳
両手を使うような急なアップダウンを越えてやって来た東川岳もこの有様です。般若の形相になっています、私が。まさか空木岳に呼ばれていないのか……?。゚(゚^ω^゚)゚。
7:20 木曽殿山荘
東川岳から20分ほど下ると、空木岳との鞍部にある木曽殿山荘に到着です。ただ大休止するにはまだ早いですし、ご覧の空模様ですからゆっくりしていると雨が降るかもしれません。水分補給程度の休憩をしたら先に進みます。
なんか雨が降ってきたんですけど!?
予想通りですね。とはいっても雨の予報ではありませんでしたし、実際陽の光はうっすら届くときもあります。にわか雨だけで済めばいいのですが。
というか木曽殿山荘から空木岳への登りは結構きついですね。鎖はありますが「半分登攀じゃん」みたいな登りありますし。雨が降っているので一眼を閉まってしまって写真が無いのが惜しいです。
言ってたらなんか晴れて来たんですけど!?
登山者を惑わすのはやめなさい中央アルプス。
なんにせよ晴れてくれるならそれに越したことはありません。雨は濡れるのも嫌ですが、写真を撮るという楽しみが奪われるのがかなり嫌ですね。このガスでライチョウも姿を見せてくれたんですけど撮り逃しましたし(´;ω;`)
8:35 空木岳
そうして気分屋の中央アルプスに翻弄されながらなんとかたどり着きました空木岳!
ガスっとるやないかい!!!
いやなんか晴れてきました!( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
中央アルプスお前な~!!!
「晴れてきましたね」と空木岳に登頂した他の方々とキャッキャしているとどんどん雲が晴れていきます。本当にこの空木岳だけ雲海から頭を出している形です。あたりは真っ白なんですけど空木岳の上だけ青空が広がっているんです。本当に空島に来たかのような気持ちです。
そしてどんどん雲が晴れていきーー
あああああ!!!!!
という魂の絶叫。とんでもなく素晴らしい景色が目の前に広がってきました。あまりに美しい。しかし……
ぎゃあああああ!!!!!(絶望)
絶望も味わいました。なんと
レンズが曇っとる!!!
レンズが曇っていました。表面だけではありません。レンズ内部からして曇っているのです。雨の時にちょっと濡れてしまったのがいけなかったのでしょう。すぐさまビニールをかぶせて防水したのですが、その状態で気温が上がったので気化した雨水がレンズを侵したと思われます。つまりこの絶景を一眼で撮れない……!
ありっ、えん!!!。゚(゚^ω^゚)゚。
いま空木岳が晴れているのは奇跡です。周りは雲に頭ツッコんでいますからね。この素晴らしい状態は長く続きません。とうぜんそんな短い時間ではレンズも乾きません。私にできるのはただこの絶景を見殺しにすること。なんて悔しいのか。ガスって山頂からの景色を見られなかったことなんていくらでもありますがそれは諦めがつくんですよ。天気に文句を言っても仕方ありませんからね。
ただ今回は違う。奇跡が起きたのにそれをカメラに収められないという見殺し状態。はじめから見えないよりも質が悪い。
案の定すぐにミラクルタイムは終わりました。大反省です。これでは何のために一眼担いで山に登っているのか(´;ω;`)
最低限の保険としてスマホで写真を撮りましたがこんなものじゃなかったんです。゚(゚^ω^゚)゚。
望遠でガスまとった南駒ヶ岳を抜きたかった……!
絶望と歓喜を味わった空木岳でした。二度とこんな失敗は犯すまい……!(メ゚皿゚)
9:30 駒峰ヒュッテ
駒峰ヒュッテで休憩したら下山開始です。小屋でカップラーメンでも食べようかと思ったのですが小屋番さんがちょっと出ていて無人だったので何も買えませんでした。タイミングが悪かったですね。行動食だけ食べて下山します。
空木岳登山口までの道は二手に分かれるポイントがいくつかありルート選択に迷う所です。どっちに進んでも結局合流はするのですが。
駒峰ヒュッテから下山すると駒石を通る道と、空木岳避難小屋を通る道に分かれます。
10:00 駒石
私はこの駒石が見られる方を選びました。超巨大な岩のルービックキューブみたいな駒石。見ごたえがありますねぇ。
標高が下がってくると晴れ間が見えてきましたが今更晴れてもらっても困ります。まあ晴れているのは下の方だけで山頂は相変わらず雲をかぶっているのですが。
空木岳分岐。ここからは特に見たいものもありません。ただ下ります。ただ、ただ。
本当に長いんですよこの登山道。完全に精神の修行です。
11:00 迷尾根
迷尾根というちょっと身構えてしまう名前の尾根。迷いやすいというよりは
痩せ尾根なので滑落に注意という尾根ですね。
鎖場も登場して全体的に急な登山道です。油断せずに行きましょう。
無心
無心で
下りていきます。
ようやくゴールの登山口の標識が見えてきました。樹林帯に入ると景色もあまり変わらないので余計に時間が長く感じます。まあ歩けるような登山道が整備されているだけで大変ありがたいですが。つい最近荒い道を歩いたばかりなので(^-^;
12:40
林道終点の空木岳登山口に到着です。
が、バス停のあるゴールの菅の台まではまだまだあります。゚(゚^ω^゚)゚。
あと一時間以上はかかりますね。
この分岐で間違えて右に進んでしまい余計に時間をロスしました。右の道がしっかりしていたので無意識にそっちに行ってしまいましたね。よく見たらちゃんと標識がありました。左に進みます泣。
特にコメントも無し。ただ、下るのみ。
13:30 池山尾根登山口
池山尾根登山口に到着。でもゴールはまだ先です。
マイカー勢はここに停めてピストンするのでしょうね。私は公共交通機関勢なのでバス停まで歩きます。
道中どうみても封鎖されている下山ルートが目に入りましたが
横から行けて安心。
舗装路が出てきました。ここまでくればゴールはすぐそこですね。
自販機が出てきたのでコーラを購入。やはり登山後のコーラは麻薬的に美味い!!!
元気が湧いてきました( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
目の前にはもうバス停が見えています。
13:50 菅の台バスセンター
本当に長ッがい下山でした。しかし無事にこうしてバス停まで着けて良かったです。これにて木曽駒ヶ岳と空木岳を行く中央アルプス編は完結です( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
中央アルプスの百名山がこの二座だけで逆に助かったかもしれませんね。あればあるだけ登ろうと南アルプスの様な長い山籠もりになったかもしれませんから。
ともかくこれで心残りなく甲府へ戻り自転車を回収できます( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
菅の台バスセンターに到着した瞬間、バスが来たので待ち時間なしで帰りのバスに乗ることができました。グッドタイミング。
目的地は駒ヶ根駅です。
中央アルプス縦走終了
菅の台バスセンターから20分ほどで駒ヶ根駅に到着。
コインロッカーに預けた荷物を回収して電車に乗り込みます。
といっても今日はまだ甲府には戻りません。まず風呂に入りたいと思ったのですがそれなら近くのネカフェに入って一泊すれば一石二鳥だと思い、電車で快活クラブへ向かいます。甲府あたりの快活クラブは徒歩で行くにはちょっと遠いんですよね。かといって自転車で行こうと思うと今日中に超面倒くさい作業こと登山装備と日本一周装備のスイッチを行わなくてはいけません。気分的に無理なので快活クラブが近くにある駅で下りようと思います。
まず茅野で下りまして
バスで諏訪に参ります。
というか茅野駅、なんか見覚えあるなと思ったら
雪山デビューした北横岳登った時に利用した駅でした。こんなタイミングで再訪ある?(^ω^)
四賀出張所前で下車。ここからは歩いて快活クラブを目指します。
もう夕暮れ時ですね。一泊する判断は正解だったかもしれません。
というかこの後ろに見える鳥居。
諏訪大社の鳥居じゃないですか( ˶´ヮ`˵ )
諏訪大社は未参拝の一之宮です。しかし朱印帳持って来ていませんし、そろそろ17時なのでどちらにしろ社務所は閉まってしまうでしょうね。今は呼ばれていないようです(。◔‸◔。)
旅人の実家こと快活クラブに到着。このオレンジの看板を見るととても安心しますね。ようやく汗を流してゆっくりできます( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
下界にいるときは当たり前に思えるドリンクバーも、これまでの山行を経た後だととんでもない贅沢品に感じます。オアシスそのものよここは。
シャワーを浴びてさっぱりしたら夕食の調達。快活CLUB 諏訪赤沼店は近くにラ・ムーがあるのも強いですね。ここはあまりにも安すぎる。旅を通して大好きになったスーパーです、ラ・ムー。
明日は甲府に戻って久方ぶりの自転車旅再開ですね。本当に久しぶりに感じますよ。自転車の乗り方を忘れてないと良いのですが(^-^;
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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