【376日目】南アルプス大縦走⑩ 最後のターゲットは南アルプス最南端の百名山『光岳』

2023-9-15

日本の大山脈である南アルプスの日本百名山全10座を一度に歩き通すという大チャレンジ。そんな大冒険も本日とうとうゴールです。最後のターゲットは南アルプス最南端の百名山である『光岳』!木々に囲まれて展望のない山頂ですがそんなことがどうでもよく感じられるくらいの達成感を味わえました。この光岳から南アルプスを脱出するまでが長いのですけどね泣

目次

南アルプス大縦走 14日目(最終日)

3:20 茶臼小屋

茶臼小屋を3:20に出発! 暗いうちの出発も大分慣れましたね。普段は日光が無いと動きたくない……!とグダついてしまうのにこの南アルプス縦走でだいぶ早朝耐性がついたようです。

始めは非人道的な重さだったザックも通常の二泊三日程度の山行時と同じくらいの重さになりましたし歩くペースも通常通りで行けますね。

こんな早朝のスタートですが今日中に下山しようとするとおそらくバス停に到着するのは5時ごろ。その時間帯だともう終電がなくなっているので疲れたら無理せずにもう一泊テント泊する作戦で行こうと思います。

バス停まで行こうと思ったら14時間行動ですしね。最終日にそれはタフすぎるでしょう。゚(゚^ω^゚)゚。

まず昨日、強風に煽られて登山を楽しむどころではなかった分岐の標識まで戻ります。

今日も今日風です。

日の出前から体がよろけるくらいの強風はやめてくれ。寒いので。

4:00 茶臼岳

真っ暗な茶臼岳に登頂。本来であれば360度のパノラマが楽しめる山頂ですが4時では何も見えませんね。となれば長居は無用。

茶臼岳を下り、南アルプスでは珍しい、稜線上にある仁田池を通過すると再び登りが始まりーー

4:40 希望峰

希望峰に至ります。時間に余裕があれば片道20分ほどの仁田岳に登るのも良いでしょう。兄弟のように並ぶ茶臼岳と上河内岳、反対側には私がこれから向かう百名山の光岳が眺められるビューポイントです。時間無いのと朝早すぎるので私はパスせざるを得ませんが。゚(゚^ω^゚)゚。

希望峰からは易老岳へむかってひたすら歩きます。5時過ぎるとだいぶ明るくなるのでヘッドライトも仕舞えます。

5:20分ごろ。モルゲンロートの時間ですね。しかし今日は樹林帯の中。今向かっている易老岳も立ち枯れに囲まれた山なのであまり展望は良くないでしょうし今日はお楽しみタイムは無しです。残念。゚(゚^ω^゚)゚。

5:50 易老岳

すっかり明るくなったころに易老岳登頂。

これはこれで味のある山ではあります。聖岳が垣間見えるはずですがちょっとガスっていて確認できませんでした。今日はまだいい画がありませんね。写真撮ってないでさっさと下れという事でしょうか(。◔‸◔。)

易老岳を後にして三吉平を通過。今日のメインディッシュである光岳へ向かいます。

ここからは枯れた沢状の道を行く急登です。約300m標高を上げます。キツイって(メ゚皿゚)

雨季のみ水場のある静高平を過ぎると

木道の敷かれたお花畑に出ます。ここも天気が良ければかなり美しいんだろうなという事は察せます。

光岳小屋まではもう少し。

7:55 光岳小屋

疲れた頃に霧の中から現われた光岳小屋!

水場は小屋から片道10分ほどです。池口岳登山口へ下るとなるとここが最後の水場となりますね。まだ9時間以上歩かないといけないのに!?。゚(゚^ω^゚)゚。

とりあえずは小屋で長めの休憩をとります。天気もさえないのでもうここでテントを張りたい気分です。実際、本来の行程では今日の宿泊地はこの光小屋だったんですよね。思ったよりもペースが良くて一日巻いています。そして明日、池口岳から一時間ほど下った所にあるテント泊適地でもう一泊して明後日下山という計画でした。まさか今日で下山が視野に入るくらいのペースになるとはね(。◔‸◔。)

流石に午前8時で行動終了はあり得ないので十分に休憩をとったら行動再開です。光岳の山頂へは光岳小屋から15分ほどでたどり着けます。

8:50 光岳

ということで

日本一周南アルプス編ラスト10座目!

とうとうやって参りました光岳

まさか鳳凰山から本当にここまでやって来れるとは自分でも驚きです。

ご覧のように木々に囲まれ展望のない山頂ですが、そんなことはどうでもよく思えるくらいの充実感を味わっております。ここまで来れたことがただただうれしいですね( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

日本百名山の完登を目指す方々の中でこの光岳はラスト100座目になってしまうというパターンも多いのだとか。理由は色々あるでしょうが山頂からの展望が楽しめないという事や、登山口へのアクセスが悪い、南アルプス南部の登山拠点として人気の椹島から悪沢・赤石・聖と縦走すると余ってしまうなどなどいくつか考えられます。

私も今回はこの光岳の標識とこのあと寄る予定の光石を歩くのみですが本来は百俣沢ノ頭、イザルヶ岳を含めた全体を光岳と呼ぶので、この山は相当に大きく歩きごたえのある山であることは承知しておかなければならないでしょう。

山頂標識から5分ちょっと下った所にあるのがこの光石。

光岳という名前は山頂部のこの岩峰が遠州側から光って見えたことが由来です。

なかなか高度感のある岩峰。写真を撮ったら分岐の標識までもどります。光石までの登山道はかなり急な坂なので上り返しがきつかったです(^-^;

さて百名山完登を目指す人が光岳を終盤に残してしまう理由の一つにアクセスの悪さを挙げましたが、その不便さには今まさに南アルプスから下山しようと試みている私にも襲い掛かっています。光岳登山口に下りても街まで出る足がタクシー以外無いので西にある二百名山『池口岳』の登山口から下山しようと思います。

光岳から池口岳に向かう登山道入った瞬間「お客様期間は終わりだ」と言わんばかりの整備具合。人気のあるエリアは光岳で終わり、そこから南はもう藪をかき分けて進むのは当たり前の荒れ道です。認識を改め直さないと事故を起こしますね。もう整備され尽くしたワクワク登山道は終了(・`_´・)

推理をしながら登山道を歩くのは久しぶりです。標識などの人工物を見つけると道があっていたと嬉しくなります。何、その登山?。゚(゚^ω^゚)゚。

もうここまでくれば青天などという贅沢は言いません。雨が降らないだけでOKです。

とにかく池口岳までが長く道も不明瞭で精神力使います。大縦走最終日に相応しい試練ですね。試練など無くとも私は楽々下山でも一向にかまわないのですが?

11:05 加加森山

池口岳の前に加加森山に到着。片道5分ほどの寄り道で登れる山ですが、別によらなくてもよかったなと思ってしまう山頂です。山頂といっていいのか分かりませんが。

ただこの山は名前が良いですね。加加森山。目を引く山名です。読みは「かがもりやま」。

加加森山で良かったのはこの「中指立てている木」。別に有名でも、目立つところにあるわけでもなく私がハシャいでいるだけです( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

中指の木でキャッキャしたら再び池口岳を目指して歩きます。やはり光岳~池口岳の登山道、普通にルートを見失いますね。ほぼ尾根伝いなので多少道から外れても問題無いのですが、やっぱり目印のピンクテープを見失うと心細くなります。

12:20 ジャンクション

ようやくジャンクションの標識のある主稜線に出ました( •̀ᴗ•́  )

このジャンクションから池口岳に向かうわけですが実をいうと池口岳に向かわなくても池口岳登山口には下りられるのです。池口岳の山頂に登ったらまたこのジャンクションに戻ってこないといけません。

でもここまで二百名山たる池口岳に接近しておいて登らずに下山するのも心残りになります。赤牛岳と同じパターンですね。

ジャンクションから往復40分ほどですから行こうかどうか悩むくらいならもう言ってしまいましょう。迷っている間に行けるぜ!の精神です。

12:40 池口岳[北峰]

という事で池口岳[北峰]登頂。池口岳は二百名山なので流石に登山口までは道が整っているだろうと思ったのですが全くそんなことはなかったぜ!

展望もなし。池口岳[南峰]まで行けば南アルプス深南部の眺望が広がるようですがそこまでの余裕はありません!。゚(゚^ω^゚)゚。

最高峰の北峰に登れただけで良しとしておきます(・`_´・)

そうしたら来た道を戻ってジャンクションへ……と思っていたのですが道に少し迷ってタイムロス。行きと景色が全然違いました(^-^;

ジャンクションまで戻ったら池口岳登山口めざして下山です。ロープのサポートのある岩場など、急な場所がちょいちょいあるので油断せずに。これくらいの場所は珍しくありませんが縦走も14日目の現在。自分でも気づかないところで疲労の影響が出るかもしれませんからね。最後の最期でトチったら笑い話にもなりません。慎重に参ります。

振り返ると池口岳。この山の魅力を語るには私の知識が足らなさ過ぎます。この人の手がほとんど入っていない森が魅力、なのかも。光岳・池口岳間の稜線の寸又川側山腹は本州で唯一、原生自然環境保全地域に指定された、手つかずの自然が広がるエリアで、樹木の垂直変化が観察できるんですって。

15:00 黒薙

おやつの時間に黒薙到着。

池口岳[北峰]と勘違いするでしょうこの標識は( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

ガレ場の先には双耳峰の池口岳が確認できるスポットらしいですが完全に雲に隠れてしまいましたね。

黒薙を越えて「ここ左右で全く景色が違うな( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )」とカメラを構えたら失くしものに気づきました。

ほこから

レンズキャップ無くなっとる!!!

レンズを保護するフタであるレンズキャップがどっか行っちゃってました。もう、ほんと、なんで縦走も最終日という段階でそんなものをなくすかね……。゚(゚^ω^゚)゚。

下山したら買い直さなくては。こういうちょっとしたガッカリが疲れ果てた体にはダメージになります(^-^;

樹林帯に突入したら長い、長い、下り。

実際の時間はそうでもないんでしょうけど体感時間はかなり長かったです。

日の光も夕方の気配を醸し出してきました。

16:25 池口岳登山口

ようやく池口岳登山口に到着!

疲れたら無理せずにもう一泊テント泊する作戦とかいっていましたが結局今日中に下山しましたね。

しかしここでゴール!とはなりません。

池口岳登山口はこのように全然まだ山の中です。

ここから飯田市市街地に出るバスに乗るため大島バス停へ向かいます。そこが正真正銘のゴールです。コースタイムではここから一時間半ですね。泣ける。゚(゚^ω^゚)゚。

道が舗装路に変わると途端に足への負担が大きくなります。徒歩だと舗装路は全くありがたくないんですよね。固いソールの登山靴で歩いているせいでもありますが。

しかし徐々に目につくようになった人工物に元気づけられます。人の暮らす領域に入ってきました( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

カーブミラーて。文明すぎるでしょう。こんなのに興奮するくらい山の中にいました( •̀ᴗ•́  )

デケェ……。

デケェよ南アルプス……。

あの山域に自分はいたんですね。自分が登っていた山の大きさに下りて気づくのは何度味わっても不思議な気分になります。

橋……。

民家……。

時刻は17時を回り日もどんどん落ちていきます。舗装路歩きになってから足も大分痛い。もう今日は12時間以上歩いていますからね。良く歩いたものですよ。ただそのかいあって何とか今日中にーー

ゴール地点である大島バス停に到着です。

南アルプス大縦走完了

やった。

ゴールした……。

マジでやり切れるとは!!!。゚(゚^ω^゚)゚。

歩行距離144.8km

獲得標高16489m

という大冒険。感無量というしかないです。

日本一周中に挑んだ半月に及ぶ山籠り。日本の大山脈である南アルプスの日本百名山全10座を一度に歩き通すという大チャレンジはこれにて無事に終了です。旅中に長めの山行は何度かありましたがそれでも一度の縦走で100km超えることはなかったのでそれもうれしいです。大峯奥駈道でも96kmとギリギリ3桁に届きませんでしたし(๑-﹏-๑)

南アルプス(もしくは北アルプス)を一気に縦走するというのは山にハマってから、いつかはやってみたいと思っていたチャレンジ。でも「やってみたい」と「やる」は全然別ものじゃないですか。天と地ほどに違います。やってみるかとフワッと計画立てた段階でも、本当にやるのか?と自分で自分の事を疑っていましたし。はじめは達成どころか挑戦している姿すらイメージできない様な計画だったのです。やる資格があるかも分かりませんでしたしね。

なにしろ二週間も山の中にいる事も初めてですし、体重の半分の荷物を背負っての登山も初めてでした。おまけに台風も迫っているという、日本一周中の旅人感覚でなければ計画段階で諦めていたであろう今回の山行(まんまと3000mの稜線で食らう事になりました泣)。それでもこれまでの登山経験から考えておそらく「やり切れるだろう」と思い、気合を入れて夜叉神峠から入山しました。

そうやって挑んだ南アルプスから今こうして無事に下山できた達成感ったらありません。初日で足がつぶれるかと思ったザックの重さも、北岳で食らった台風も終わってしまえばいい思い出です。もうこの旅中はこの南アルプス以上の冒険は無いでしょう。もしかしたら人生というスケールで見てもないかもしれません(それはさみしいのでもっといろいろチャレンジしたい)。とにかく、挑戦することすら中々できない長期縦走を日本一周中という特別な時間の中でやれたことが一番うれしいです。

試練と美しい景色を与えてくれた日本の宝、南アルプスに感謝してこのチャレンジの締めとさせて頂きます。極上の山域でしたm(__)m

バス停隣で野宿

半月におよぶ縦走を終えたのですから宿にでも泊まって風呂でさっぱり!と行きたいところですがそうそうことはうまく運ばないのが人生(´;ω;`)ウッ…

飯田市市街地に出るバスはもう無いのでお風呂は明日にお預けです。ここまで来たらあと一日風呂に入れないくらいはどうってことありません。濡れタオルで体をふくだけで我慢できます。

バス停に到着した時点でもう日没前だったのでへたに移動せずここで野宿させてもらう事にします。バス停は屋根もベンチもあるのでそのまま寝袋だけで寝られるのですが、蚊がうっとおしいので隣の駐車場の隅っこにテントを張ることにします。普段ならテントを張るのを面倒くさがるところですがずっと山の中でテント泊していましたから、下界でテントを張るくらい余裕です。

翌朝は人が出歩かない内に撤収しないといけませんがそれも5時くらいにすればいいので楽ちんです。もう3時に行動開始とかやらなくていいんですね。楽でありがたいですがちょっと寂しくも感じます。゚(´つω•`。)゚。

テントを張って食事を済ませたらゴロゴロしながらスマホを弄って時間を潰します。スマホのアンテナが4本立つって素晴らしいですね(感動)。

そうやって夜を過ごし9時に就寝。常識的な就寝時間です。縦走中は大体16時に寝ていましたがそんなことが今後あるでしょうか( ´艸`)

暗くなってから寝るという事に日常に帰ってきた事を実感します。











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