
あまりにも深い眠りでした。
日本一周やっていると公園のベンチで野ざらしだろうが即寝てしまうくらい寝つきがいいのに、それがベッドの上で睡眠取れるとなったらもう永眠一歩手前の熟睡具合ですよ。
ここから動きたくない……。
ですがさすがにもう富山は発たないといけません。
余裕をもって新潟に入りたいですからね。
なぜなら今日は天下の難所『親不知』も越えなければなりません(๑-﹏-๑)
ベッドに別れを告げて旅立ちの準備を始めます。
新潟へ向けてレッツゴー! その前に神社行きます

屋内に相棒が要ることの安心感ったらないですね。
本当いろいろとお世話になりました。
泊まれる図書館 寄処〜yosuga〜さんにはぜひまた泊まりたいです( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

なんだか久しぶりな感じがします。
また今日から移動&家なき子スタイルの旅か~……。
それが旅でしょ!(メ゚皿゚)

朝ごはんをコンビニで買って行動開始です。
この団子めっちゃ好きです。
どのスーパー・コンビニにも100円くらいで置いてありますからね。

朝から降ったりやんだりで天候が読めません。
面倒ですが今日はレインウェアを着ながら行動しましょう。
着ると止むんですよね雨というやつは……

10分ほど走って到着しました。
富山最後の目的地!

その名も富山中教院!
日本で一番小さい神社とされています。
恐ろしく小さい神社。
私でなければ見逃しちゃうね(宿のスタッフさんに教えていただきました)

手水舎もあって、神社なんだなという事を実感。

明治維新当時、政府は従来の神祇官に変わる教部省を設け神官を教導職に任じ民衆の教育に当たらせました。
そして宣教機関として中央に大教院。
地方には中教院、小教院を設置し、天照大神を奉斎として全国の宣教に当たります。
当時、新川県と称されていた富山県にもこの中教院が配されました。
興味をそそるのはなぜこんなに小さいのかという事ですが、もともとの中教院はこんなに小さくなかったんですよね。
大正14年に中教院が市電を通すのに邪魔だという事で鹿島町(護国神社の近く)に移転しました。
その後は第二次世界大戦の戦火で焼かれてしまったのですが、こういった中教院の由緒を知っている有志によってもともと中教院があった場所に神社を建てたらこうなったというわけです。
富山を出る前になかなか面白いものが観られたと満足気です( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
新潟は長い!

移動を続けているとようやく青看板に新潟の文字が!
248km!?
新潟市までがですよ?
細長い県だとはわかっていましたが実際に日本をここまで自転車で来た身としてはどえらい距離に感じます。これだけで何県分移動できるのやら……。

移動日は当然ただ移動するだけの予定なのでブログの撮れ高の事を心配しがち。
何が言いたいかといいますと、ネタになるようなことを求めて変なことしてしまうんですよね。
代表的なものとしては『Googleマップを無視』
この写真のように横断歩道渡って直進しろとGoogleマップは言っているんですけど……

左折した方が面白そう!
一面田んぼで広々とした感じがするので( •̀ᴗ•́ )
ナビに従っているだけでは本当にただの移動。
たまには自分の感性を信じて面白そうな方に舵を切るのが楽しい人生を送るコツだと思います( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

愚か者がよ。
歩道は狭くてガタガタしていますし、車道も自転車が走れるほど余裕がありません。
こういうのが時間の無駄なのに、なぜ欲に身を任せてしまうのか……

10分ほど走って元のルートに何とか復帰。

川とはいっても河口付近。
ダイナミックな波が非常に見ごたえあります。

すごい”広さ”を感じますね。
空間の広がりがすごい。
周りに高い建物がないからかもしれませんが。

雨さえ降らなければこれくらいの空は涼しくて走りやすいのですけどね。

空が落ちてくるかのような雲の低さ。

高山にかかる雲は山が雲に突っ込んでいるという感じですけど、こういう低山を覆う雲は、空が山をつかみにかかっているようなおどろおどろしさがあって非常に好き!

剱岳に繋がっているんですか~?
(剱岳には別山尾根ルートと早月尾根ルートがあります)

ミラージュランドの大観覧車。
高さは66メートルで富山湾と立山連峰が同時に一望できるのだとか。
野郎一人で観覧車も乙なものかもしれませんが今は先を急ぐとします。

堤防っていいですよね。
釣りがしたい。

なみなみとまぁ……。
雨降った時ここら辺がどうなるのか気になります。

蜃気楼、観たいものです。

諏訪系は諏訪大社までお預けですかね。


休憩休憩!
移動しっぱなしです。


20分ほど走っただけでもうミラージュランドの大観覧車がはるか彼方。
自転車って結構すごい乗り物ですよね。

ぎぎぎぎぎ……黒部!

宇奈月ぃ!!!
私に下ノ廊下を連想させるワードを見せるんじゃあないッ!
行きたくなっちゃうでしょう!
本当に誘惑が多い県でした富山県。
山を趣味にする人間にとってはそりゃ、ねぇ。



災いでもあり恵みでもある黒部の川。
日本一周中に相まみえることがこの先あるでしょうかねぇ。

曇天……

と思いきやこんな景色も見せてくれるから天気というのは分かりません( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
これだけ大した川なのに名前は『小川』。
慎ましい川よ。

今日の最凶ロードの名前が出てきましたね『親不知』。
少し緊張します。
あと空の割れっぷりよ!

右は曇天。

左は快晴。
本日の天気の不安定さ、伝わるでしょうか。

トンネルだ~!!!↓↓↓ とゲンナリしていると

エライ! 迂回路があるとホッとします。

比較的晴れ間が多くなってきました。
もうそろそろ夕方といった時間帯ですけど(16:10)

とにかく距離を稼ごう!と橋を渡って海岸沿いに出ると……


ああああああもう!!!


美しいなあ!!!

こういうのを見せられると立ち止まって写真を撮らざるを得ないのですよ!
スラムダンクOP『君が好きだと叫びたい』の踏切を思い出しました。
あれは江の島だったか。

相棒も入れて( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )


何なんですかこの空の広がりは!

心洗われますよ全く……。
時が経つのを忘れます。


芭蕉句碑近くの踏切です。
30分くらい遊んでいました。

写真撮って大満足。

明るいうちに親不知に突入します。

あれ!?私知らぬ間に帰省しちゃった!?(出身が宮崎です)
富山県下新川郡朝日町宮崎ですね。
新潟入り!親不知へ!

やって参りました新潟!
県境をまたぐ嬉しい瞬間です。

今日の大ボスの名前が出てきました。
こわやこわや。
しかし楽しみの方が勝ります。
越後ですよ越後。
越後といえば越後の龍『上杉謙信』!
行きたいところなどいくらでもあります( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

糸魚川を目指しましょう。

暗いと思えば

晴れている。
今日は天気が読めません。
親不知中に降らなければ良しとしましょう。

今日はずっとレインウェアを羽織っています。

虹だ!

虹は一体どうすればくっきり撮れるのか。
難しい被写体です。

でた斜度5%
私が音を上げるのはこの5%から(はやい)

がけっぷちに道が走っていてなんだかただならぬ感じ。

海が近いですねぇ。


さあ勝負の時は近い!

のに、振り返るたびに絶景なものだから一々撮ってしまってねえ……!
良い景色だ本当!

行きますよ!安全運転で参ります!

通行中に写真を撮っている余裕無し!
トラックが通行したらそのすきを縫って移動。
車が来たら路肩に寄るの繰り返しです!
気力使いますね全く……。


エライ! 我らが迂回路!

ちなみに振り返るとこれ。
路肩は狭く、トラックは多く、起伏も激しい。
下りならまだいいのですが登りはシンプルにキツイのと背後からのプレッシャーで疲れます。
肝が冷えますね全く。

この遊歩道は明治16年に開通。
昭和41年までは国道として利用されてきました。
今はこうして迂回路として私を助けてくれています。

親不知は景色が絶景なのもまた危険の一つ。
よそ見を我慢するのが大変ですよ。

ウォルター・ウェストン像。
日本近代登山の父ですね。
布教活動に来た宣教師なのですが登山家でもあり、日本アルプスや富士山を始めとした多くの山に登り、日本の近代登山の発展に大きく貢献しました。
明治27年に親不知を訪れ、ここが日本アルプスの起点であると紹介しています。
そう、今は道が整備されていますが、この親不知がなぜ天下の難所と言われていたかというと、北アルプスの端ゆえの絶壁だからなんですよね。
飛騨山脈こと北アルプスの端っこが波で削られてできたえげつない崖がこの親不知なのです。
ちなみに参勤交代ではこの親不知を加賀藩主は往来せねばなりませんでした。
越中の一之宮を回るたびに各神社へ加賀藩の尽力あったことを知った今ではめちゃくちゃ同情してしまいます。過酷すぎるでしょう。


そんな難所を明治16年に切り開き、その喜びを『如砥如矢(とのごとくやのごとし)』と壁に刻みました。
如砥(とのごとく)
砥石のように滑らかで
如矢(やのごとし)
矢のようにまっすぐである
天下無双の難所に切り拓かれたこの道のことを表しているんですね。
もうめちゃくちゃカッコよくないですか?
自然の驚異に打ち克つ人間の力、大好きなんですよね。
特に土木系の偉業は涙腺に来ちゃいますよ。
先人の偉業の恩恵に今まさに我々はあやかっているわけですからね。
『如砥如矢(とのごとくやのごとし)』
かなり気に入って、この日は度々これを口ずさんでいました。


難所はまだもうちょっとだけ続くのですがね……。

振り返ると親不知の文字。

まだまだ気は抜けません。

親不知、崖に道作るの大変だから海に作っちゃおうぜを地で行きますからね。
全く人間という種は最高だ。

ガチヤバいエリアは通り過ぎました。
すごい安堵感。今日はもう寝たいです。


これはツタに追いつかれて捕らえられた鳥。

道の駅『親不知ピアパーク』に到着!

24時間開放の休憩室はなさそうですね。
夜を過ごすには少し手間がかかりそうです。

ロケーションは贅沢そのもの。
疲労と緊張で酷使した体に海の夕景が沁みます。

ただの移動日のはずなのに何枚写真撮っているのかと。
それだけただ何ともない風景が美しく、親不知はスリリングで、かなり感情の動いた日でした。
ただの移動でこれだけ色々感じられる……。
旅の醍醐味を知った気がします。
20日目終了です。
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