北アルプス「剱・立山連峰」の縦走②

剱岳

おはようございます!
立山・剱岳登山2日目です。夏とはいえ雪渓に囲まれたキャンプ場は冷えますね。寒さのせいか昨晩は眠りが浅かったです。そんな寝ぼけ眼も一発で開眼するこの朝日!気力がもりもり湧いてきます。それでは今回の登山の核心、剱岳へ参りましょう!

一日目の記事はこちらからどうぞ!

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北アルプス「剱・立山連峰」の縦走① 4連休を利用して憧れの剱・立山連峰を歩いてまいりました。特に剱岳は山登りを始めた時から憧れていた山。まさか登る機会が私の人生であるとは思いませんでした。ルートは室堂平から始める別山尾根ルートです。
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目覚めの朝

夕暮れかというような強いオレンジ。これから登山本番だというのにアンニュイな気持ちに。剱岳というものに対するあこがれが強すぎて逆に畏怖を感じてしまうんですよね。なんだか今日死んでしまいそうな気がして。

鳥ちゃんでなごみながら進んでいきます。
山でしか見られない動物たちももっと撮っていきたいですよねえ。登るたびに望遠レンズが欲しくなっていきます。望遠を担いで登る気力体力があるかといわれると返答に詰まってしまうのですが……

まずは剣山荘 いよいよ本番

剣沢キャンプ場を出発して20分ほどで剣山荘に到着。ここは劔岳に一番近い小屋で、私の進む別山尾根ルートではここから剱岳まで約3時間半のコースタイムとなっております。いよいよ剱岳登山のスタート地点に立ったなという印象。妙な緊張感を感じます。無事に再びここへ戻ってこられますように……

まずはここから剱岳の間にそびえる一服劔、前劔を攻略していきましょう。

鎖場登場

雰囲気が出てきました。鎖を目にするとこれから先の急峻な岩場を想像させられて身が震えます。剱岳には全部で13の鎖場が存在しますが(縁起悪い数だ……)一発目から不安になっていてはこの先どうなることやら。

ここまで来た以上は怖がっていないで慎重に一歩ずつ進んでいくしかありませんね。1番鎖、2番鎖を超えて6時ごろに一服劔へ到着です。

はあ…… まだ序盤も序盤ですよ。そんなタイミングでこんな100点満点の絶景をあなた……まさに眼福というやつです。やはり山は、とくに日の出日の入りの山の美しさは地上の絶景とは一線を画すと思います。

絶景に気を取られて落ちたら笑い話にもなりません。慎重に慎重に3,4番鎖場を超えていきます。

まずは前劔まで

前劔に到着です。ようやく剱岳の本体が見えてきました。別山から見た剱岳も凄まじいものでしたが、前劔まで近づいて見る剱岳はより一層圧を感じます。

しかし最初はビビっていた鎖場も4番鎖までやってくると良い意味でも悪い意味でも慣れが出てきます。この時の心境を言葉にするなら「これくらいの難易度ならさほど苦労せずに頂上獲れるかもな」でしょうか。今ならば馬鹿野郎の考えだと斬り捨てることができます。

そんな風に思っていたところに気になる光景が飛び込んできました。

人が垂直の壁を登っている……?

私はこれを「クライマーが命綱つけながら登っているんだな」と最初思っていました。 (がっつりこの先わたしが通るルートです)

4番鎖まで特に危なげなく登れたことと、ちらっと前劔から眼に入った垂直登攀を無関係のことと切り捨てた私には若干余裕がありました。 しかしその余裕は5番鎖場で消し飛びます。

いきなりどうした5番鎖場

どしたん?
5番鎖場前、いきなり様子がおかしいです。まずこの両側奈落へと続いている一本橋は一体?これまでの登山道とは明らかに毛色が違います。これまで以上に慎重に小股で一歩一歩渡っていきます。私は登山をしていたはずなのになぜいきなりカイジの鉄骨渡りを……

ドキドキしながら橋を渡り5番鎖場前までたどり着きました。この鎖場は一体どんなコースなのでしょう。

まあ丁寧に足を運べば特別危なくは……

いやあなたね……

崖に鎖が下がっているだけの『死』が現れました

かなり肝が冷えました。 写真の通り足場が無いわけではないんですけど、「落ちたら死」という条件が加わるだけでこんなにも恐ろしい気持ちになるのかということにビックリです。剱岳の恐ろしさを本気で感じた最初のシーンでした。

6番鎖は撮り損ねました……

9番鎖場へ向かう途中に気になる光景が

先ほど前劔から見えていたクライマーの方々(ではない)が私の歩くルート上にいるような……

そしてそれは気のせいではないようで!
さきほどクライマーだと思っていた方々は9番鎖場を登っていた人たちでしたー!!!

お前がカニのたてばいなのかい!

そして剱岳の難所として名高いカニの鋏、その一角であるカニのたてばいは9番鎖場、お前のことだったのか……!

と、一気に絶望の答え合わせをされました。剱岳を登るにあたってもちろんカニのたてばいというほぼ垂直の壁を登っていく難所のことは知っていましたが、それが9番鎖場のことだとは……

ほかの登山者がカニのたてばいを登っていく動画をいくつかYouTubeで見て予習をしたつもりでしたが、実物を見るとその恐怖感は全く予想していたものよりも大きかったです。本当に腹の底から冷える感覚を味わいました。


何が一番怖かったって、たてばいを登っている最中、岩の隙間に鎖の破片を見つけたことなんですよね。まさに私が命綱にしている鎖の破片を見て「おいおいおいおいおい」という感情に支配されてしまいました。つかんでいた鎖は新品ピカピカといった感じのものだったので張替え前の残骸か何かなんでしょうけどね。心臓に悪い鎖場でした。難所というのも頷けます。

嫌なものが目に入りました……

カニのたてばいを超えてあとは山頂を目指すのみ!そう思って歩いていると下山者が列になって待機している場所を通りかかりました。ふと目をやると「カニのよこばい」の文字が。たてばいで疲弊した私は帰りのよこばいを思い何とも言えない気持ちになるのでした。

剱岳 登頂!

帰りの難所のことはおいておいて……
様々な難所を超えてついに剱岳登頂です!感無量!
あのあこがれた剱岳の山頂に今自分がいると思うととてつもない高揚感に包まれます。

ああ、それにしてもこの大展望。天気も最高のものに恵まれました。見ているだけでHPが回復していきます。いくらいても見飽きない景色、堪能したところで名残惜しくはありますが下山開始です。

帰りの殺意が強い

よォ、また会ったな……
たてばいクラスの難所を想像して挑戦する前からナーバスです。

やはり先行している方々も慎重になっているようで、四連休ど真ん中ということもあり7,8人の行列ができていました。15分ほど待ってようやく私の番です。

よこばいはカメラを構えるような余裕はありませんでした。本気で集中しないと落っこちそうだったので、完全にわたり切るまでほかのkとは考えられませんでした。そのおかげか渡っている最中の恐怖感はあまりなかったです。恐怖感で言えばたてばいが私の中ではダントツでした。

余計なことを考えると恐怖に飲まれてしまうのかもしれませんね。恐怖は克服するよりも無視するに限ります。

よこばいを渡った直後に下りの梯子があるのですがこれがまた高いこと。人生で使用した梯子の中で最も長いです。たてばいで稼いだ標高をこれでチャラにするのですからその高さがうかがえるというものです。ただ梯子ということもあって足場がしっかりしている分各難所ほどの恐怖感はありませんでしたね

13鎖場まで踏破!
12番鎖場が岩がツルツルでムカつ……怖かったです!

終わりが見えてきました。無事に帰れることの安ど感と、どこまでも美しいこの山との別れを惜しむ気持ちが混ざり合って何とも言えない気分です。

剣山荘 帰還

ただいま!生きていました!
ケガ無く剱岳を登ることができました。本当に言葉がありません。天気に恵まれた四連休に剱岳登山、間違いなく最高の夏ですね

剣山荘でコーラを購入。お値段500円なり。安いですね、いや本当に。剱岳下山後に飲むコーラの価値は計り知れませんもの。パーティメンバーとコーラで祝杯をあげました。最高!

剣山荘ではしばらくカメラをいじりながらダラダラと休憩していました。
全くどこまで美しいんですかここの自然は。夏のお手本のような風景に大満足です。

剣沢キャンプ場へ帰還

もーう、疲れて動けません~!
本来の予定であれば雷鳥沢まで進んでキャンプする予定でしたが、テントで寝ころんだらそんな気力は一気に失せました。本日も剣沢キャンプ場で2泊目と参ります。

三時間ほど昼寝していましたねぇ。登った山を見ながらキャンプ場で昼寝、こんな贅沢はそうそうありません。めちゃめちゃ幸せなひと時でした。QOL値激高です

ダラダラ19時頃まで過ごして晩御飯です。凝った料理を元気はないのでシンプルにパスタ。山で食えば何でもごちそうですね。20時頃に泥のように眠りにつきました。

深夜目が覚めました。剱岳で過ごす最後の夜ということで夜空を一枚パシャリ。雲一つない空ですね。何もかもが美しい山行でした。

明日は雷鳥沢を通って立山地獄を回りながら室堂ターミナルへ帰還のハイキングとなりそうです。それもまた良い景色に巡り合えるのでしょうね。明日を楽しみに再び眠りにつきます。立山・剱岳登山 2日目 これにて終了です。







後日談

この剱岳での体験は日本一周の動機になるほどに鮮烈なものでした( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )






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