2023-10-26
菩提の道場における遍路ころがしが四十四番札所『大寶寺』なのですが、こいつは四十五番札所『岩屋寺』と繋がることで凶悪さを増します。そんな愛媛の難所の攻略回。報酬は岩屋寺の奇岩絶景ですね。
国道440号線は怖い
道の駅『小田の郷せせらぎ』からおはようございます。
「テントを張る人は8時までに撤収してください」なんてこんな旅人に優しい道の駅ありますか。24時間開放の休憩所あり道の駅など快適な道の駅はほかにもいくつかありますが、うれしい気持ちになった道の駅はここが初めてです。
7時前には片付け終わって出発準備完了。
それでは昨日たどり着くことができなかった四十四番札所『大寶寺』へ向かうとしますか。
すこし肌寒いですが日は強いので凍えるほどではありません。
めちゃくちゃ日光がかすんでいるのが気になりますが(。◔‸◔。)
大寶寺は菩提の道場の遍路ころがし。久万高原にあるこの札所は、歩きも自転車も人力勢は容易にたどり着けません。
昨日、道の駅『小田の郷せせらぎ』で少しお話した歩き遍路の方を発見。さすが歩き遍路。お早い出発です。ご挨拶をして先に進ませてもらいました。
かなり登ってきました。そろそろ峠のピークでしょう。
真弓トンネルを抜けると
そこは霧国であった……。異世界に来ちゃった?
トンネル抜けた瞬間、雲が落ちて来たかのような濃霧で、しかもそこから下り坂だったのでめちゃくちゃ寒かったのですが(メ゚皿゚)
汗だくで峠を登ってきたご褒美のダウンヒルがまさかこんなストレスになるとは。しかし本当のストレスはここからでした。
T字路を左折して国道380号線から国道440号線への切り替え。この440号線が車道は狭いわ、トラックは多いわで生きた心地がしませんでしたね。雨だったら絶対通りません。
ヒヤヒヤの国道440号線を通り久万高原町の市街地へ到着。ここまで来れば道も穏やかなものです。ファミマで少し休憩したら大寶寺へ向かいましょう。
【四十四番札所】菅生山『大寶寺』
四十四番札所『大寶寺』の入り口は総門といいます。国旗が凄い。
幸福の黄色いハンカチ?
ようやく大寶寺の駐車場まで来ました。遍路ころがしの異名を持つ札所はどこも疲れる……。
自転車を停めたらいざ参拝。
樹齢1000年という杉並木の参道を歩きます。
山門
四十四番札所と言えば四国霊場八十八ヶ所のちょうど半分。故に大寶寺は「中札所」といわれます。
山門は3mを超す大草鞋が印象的です。
木立に守られた石段を登った先に本堂。木漏れ日の美しいことよ。苦労した分余計に美しさに補正が入ります。
汗に濡れた手を手水舎で清めます。冷たくて気持ちがいい。久万高原町に入った時は霧で震えるくらいの寒さだったのに市街地に入ってからは暑いほどの陽が差します。
本堂
本尊:十一面観世音菩薩
真言:おん まか きゃろにきゃ そわか
開創については大和朝廷の時代まで遡り、百済から来朝した聖僧が携えてきた十一面観音像をこの山中に安置しました。用明天皇の時代に明神右京、隼人という兄弟の狩人が、十一面観音像を発見し祀ったのが始まりとされています。
大法元年(701年)に文武天皇の勅願により寺院が建立され、元号にちなんで「大寶寺」と号された。
大師堂
本堂のお隣が大師堂。822年に弘法大師がこの地を訪れ密教を修法。四国霊場の中札所として定め、宗派を真言宗に改宗したといいます。
ローソク立ての窓が割れていてめっちゃ治安が悪いみたいになっていますね(。◔‸◔。)
良すぎるでしょう雰囲気が。日の当たった柱の暖かさとか、日陰の少し肌寒いくらいの秋を感じさせる涼しさとか、色づき始めた紅葉が風に揺れる様子だとか、なんか、完璧です今、ここが。
お経も心穏やかに読めるというもの。
般若心経ラスサビ部分が張り出されていてにっこり。
羯諦羯諦(ぎゃていぎゃてい)
波羅羯諦(はらぎゃてい)
波羅僧羯諦(はらそうぎゃてい)
の部分めっちゃカッコよくて好きなんですよね。ラストのこの畳みかけ。
納経所
御朱印を頂いたら遍路ころがしもお終い……
そう思うじゃないですか……。
NEXT☞ 四十五番札所『岩屋寺』
次の札所までの距離:約8.4km
移動時間(徒歩):約2時間40分
【四十五番札所】海岸山『岩屋寺』
次の札所も大変ですよ。四十五番札所『岩屋寺』までは移動距離約8.4kmと騒ぐほどの事でもないように感じますがーー
岩屋寺を打って四十六番札所『浄瑠璃寺』に行こうと思ったらまた大寶寺あたりまで戻ってこないといけないんですよ。結局は国道440号線に復帰する必要があるので。゚(゚^ω^゚)゚。
大寶寺、岩屋寺に行く為に山奥に入っていくのにそのまま抜けることはできないという。
この岩屋寺があるが故に面倒なことになるのです。大寶寺が遍路ころがしなのではなく、大寶寺と岩屋寺が合わさって遍路ころがしになるのですよ。※個人の感想です
そんな岩屋寺は駐車場についてからも大変。ここからは誰もが歩き遍路さんになります。
私が停めた駐車場はここですが、ここに上がって来るまでも急坂で狭い道なので今だったら
こっちに停めますね。
人気をあまり感じない場所だったのですが参道には露店が出ていてビックリ。
本堂どころか山門に行くまでも結構登ります。
山門
駐車場から5分ほど登ってまずは山門。ここからは220段の石段が待ち受けています。
山岳霊場として厳しい修行を行う場だった岩屋寺。歩きで来ようと、自転車で来ようと、車で来ようと山門から境内まではこの登りを味わう事になります。
この山深さで山号が『海岸山』なのは一体何の冗談なんですか。゚(゚^ω^゚)゚。
真面目な話をすると山号は弘法大師が詠んだと伝えられる
「山高き 谷の朝霧海に似て 松ふく風を波にたとえむ」
歌が由来です。山の雲海はまさに海ですよね。わかる。
境内が近づいてきました。旅館と見紛うような綺麗な建物。これは遍照閣といって法要や行事の際と、瞑想等の体験時に利用する施設です。そう、瞑想体験とか催しているんですよ岩屋寺。
公式サイトがめちゃくちゃオシャレですね。建物も綺麗ですし山奥にあるとは思えないです。
境内は近いですよ。もうすごいですね、景色が( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
早く石段を駆け上がって写真を撮りたい気持ちになりますがまずは手水。手を洗ったら、参りましょう。
本堂
本尊:不動明王
真言:のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん
大岩壁の下の僅かなスペースに建つ本堂。本当にすごいところにありますよ岩屋寺は。
法華仙人堂跡
本堂の隣には木製のはしごがかけられています。気になりますね。
これを登ると法華仙人堂跡に行けるという事ですか……。
登ります。
いや簡単に登れると思ったんですけどかなり慎重になりました。木が擦られてつるつるになっているので滑りそうで怖かったです。山登りで色んな梯子登ってきましたけど二番目に怖い梯子だったかもしれません。一番は大ヘツリの梯子です。
しかし登った甲斐はありました。
これぞ標高700mの山岳霊場。巨岩にめり込むように堂宇が建つ奇観は一見の価値ありです。
ここは寺の縁起に深くかかわる法華仙人ゆかりの場所。
815年、弘法大師が霊地を探してこの地を訪れたのですが、この地ではすでに法華三昧を成就し神通力を身につけた法華仙人がいました。しかし仙人は、大師の修法に深く帰依し、全山を献上し往生を遂げたのです。急展開過ぎる。もっと詳しく知りたい話です。
岩壁はお賽銭まみれ。
お参りをして、景観を楽しんだら、またハラハラ梯子を下ります。私が底がツルツルのクロックスで来ているのも恐怖感を感じる要因だったかもしてません。今だったら裸足で登ります。
大師堂
お次は大師堂。この大師堂がデカい! 四国霊場で本堂よりも大師堂が大きい札所はここと七十五番札所『善通寺』だけです。レア。
法華仙人から山を譲り受けた後、大師は木造と石造の不動明王像を刻み、木像は本尊として本堂に安置。石像は奥の院の秘仏として岩窟に祀り、全山をご本尊の不動明王としました。
大師は木造と石造の不動明王像を刻み、木像は本尊として本堂に安置。石像は奥の院の秘仏として岩窟に祀り、全山をご本尊の不動明王としたのです。
鎌倉中期には一遍上人が来山し、参籠・修行したことが『一遍聖絵』に描かれています。
奥之院は一遍聖絵にも描かれる修行の場「逼割禅定(せりわりぜんじょう)」が待ち受けています。逼割禅定入山志納金300円がかかるのでケチって行かなかったのですが行っとけばよかった……(・`_´・)
納経所
御朱印タイム。逼割禅定いっとけば良かった問題が起こりましたが、まあ別格霊場や各札所の奥の院など、できれば回った方がいい場所はここ以外にもたくさんあったにもかかわらずスルーしてきているので今更悔やむことではないんですけどね。
お遍路も、本当に弘法大師ゆかりの場所を全部回るといったエクストラモードになると初お遍路で周り切れるはずがありません。大師に呼ばれてお遍路を始めたように、縁があればそういう場所もまた呼ばれるでしょう( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
今回は八十八の札所に集中です。
NEXT☞ 番札所『』
次の札所までの距離:約km
移動時間(徒歩):約分
岩屋寺は来るのはいいが、来た道を戻るのが大変
岩屋寺を打ったら、打ち戻り。約11kmもどって国道440号線に復帰します。
で、こちらがあらかじめ用意しておいた国道440号線に復帰した写真です(3分クッキング)。もう本当に大変だったんですけど、全くブログ的に面白みのない大変さなのが歯がゆいところ泣。いつもの事ではあります。
440号線に戻って来るので気力が尽きたので今日は道の駅『天空の郷さんさん』で一晩過ごします。人気の多い道の駅なので夜になるまで近くのファミマのイートインでブログを書いて時間を潰すとします。
なんだかんだ遍路ころがしをクリアして気分はいいですね( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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