【406日目】高知県入り! 修行の道場一発目は『最御崎寺』

2023-10-15

四国編2県目の高知県に突入。ここはお遍路においては修行の道場と呼ばれるタフステージ。高知最初の札所である二十四番札所『最御崎寺』までの距離は前札所の薬王寺から約75km。昨日一日移動に使ってしまいましたからね。初っ端から修行みたっぷりで気が引き締まります(^-^;

目次

遍路小屋での目覚め

ヘンロ小屋第6号宍喰からおはようございます。昨日は雨で、野宿できそうな公園や道の駅にたどり着けずに寝袋ひとつでの野宿となりました。四国に来て初めて遍路小屋というものを利用しましたね。

こんな立派なスーパー東屋が四国中にあるんですから整備してくれている方々には頭が上がりません。

出発の準備をしていると私に気づいた地元の方がコーヒーやパンなどをお接待してくださいました。連日四国の方の御厚意に甘えてばかりです。本当にありがとうございますm(__)m

頂いたものを食べたら出発です。

昨日はどんよりとした天気でしたが一夜明ければこの晴れ空。

朝からサーファーが波を楽しんでいます。もう結構寒いと思うんですけどマリンスポーツをする方はタフですね。

ヘンロ小屋第6号宍喰は県境近くにあるので出発したらすぐに高知県に入ります。

修行の道場『高知県』

発心の道場『徳島県』を抜けネクストステージ高知県。修業の道場編が始まります。遍路道としては最長の修行の道場。札所間区間も長いのでこれまでのように一日に5カ所などという回り方は難しいですね。

実際、前の札所『薬王寺』から出発して一日以上まだ札所を打てていません。長い道のりなので休憩しながら徐々に近づきます。

出発してから1時間半でお腹がすいたのでローカルコンビニで菓子パンでも買いましょう。日中はコンビニでの食事ばかりなので改めたい……。

高知市まで100kmですか。明日たどり着ければ上等ですね。

海岸も荒々しい、しかし見ごたえのある景色になってきました。昭和に入るまでは東洋町の根野から先は道が無く、お遍路さんたちはゴロゴロした石が連なる海辺を渡っていたというのですから驚きです。命がけなんですよね本来のお遍路は。

小学校を改修したむろと廃校水族館

二十四番札所『最御崎寺』に向かう途中にめちゃくちゃそそられる看板を目にしてしまいました。むろと廃校水族館!?

完全に学校じゃないですか!( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

むろと廃校水族館はその名の通り旧椎名小学校を改修した水族館です。オープンしたのは2018年4月。結構新しいですね。営業時間が始業と下校なの良い( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

先を急ごうか迷いましたが迷った時点で寄った方がいいというのがこの旅で得た経験です。高校生以上600円の入校料を払って水族館に入ります。

かつての手洗い場には

エビがいます。こういう風に廃校を利用しているんですね。

すべてが水族館にリノベーションされているのかと思いきや、小学校らしい景観も残っています。このタイプの机と椅子を生で見たのいつぶりでしょうね。

もちろんガッツリ水族館になっているエリアもあります。でもどこか学校らしさが残っていて良いですね。

ウミガメは部屋の真ん中にデカイ水槽が設置されています。

ウミガメを煽りの視点で見たのは初めてです。

生き物に特別興味があるわけではないですけど水族館という空間は好きです。薄暗い空間で光に照らされた水槽を見るのは心が落ち着きます。

お次は三回。

ブリのボーリング、ブーリング。四散するブリの絵もブーリングの語感も良すぎる。

理科室めいてきましたね。

理科室だ。

やっぱり理科室じゃないですか!

母校に不法侵入している気分になります。

音楽室も覗いてみますか。

ここは水族館まったく関係ないキッズルームですね。

教室にアイスクリームのある光景脳みそがバグる。

完全に普通の小学校。タイムスリップしたかのようです。ノスタルジー……。

外に出ます。

ああ~プールは水族館にするにはおあつらえ向きですね!

放たれているのがサメなので急にパニックホラーめいてきましたが。

小プールにはウミガメが。

もっと近づいてみます。

ジト目カメ。

洗浄中でした。

卒業の時が近づいてきました。

いや~思いがけず良い時間を過ごせました。小学生の頃を懐かしみながら、水族館を回るという不思議な感覚。また学校という施設を上手いこと水族館に再構築した工夫が目に見えて面白いですよね。

現在12:20
長い道草を食ってしまいました。今度こそ真っすぐに札所に向かいましょう。

国道55号線の通行止めに引っ掛かる

室戸半島のシンボル、室戸岬にもうすぐで到着。室戸岬お二十四番札所『最御崎寺』はほぼ同じ位置にあります。標高は全く違いますが(^-^;

白い波涛が吠えたてる海辺。こんな所はとても歩いていけませんね。

三津漁港に近づくとパトカーが道路に泊まっていて怪しい雰囲気。何事かと思っていると警察の人がやって来て「13時まで通行止めです」と告げられました。まさかこんなパターンでロスタイム食らうとは。今だいたい12時半。30分間手持無沙汰です。

待っている間に水族館の写真をスマホに移してXにでも上げますか。

時間ピッタリ13時に通行止め解禁。いろんな要因で最御崎寺への到着が遅れます。

弘法大師修行の地『御厨人窟』

室戸岬到着。岬の本当に本当の先端はもう少し先ですが観光目的ではないのでそこはパス。

用事はこちら、弘法大師修行の地『御厨人窟みくろど』です。

大師は19歳の頃、この場所で虚空蔵求聞持法の修法に励んでいました。

ほこから

出た虚空蔵求聞持法!

大師、一体何回虚空蔵求聞持法やってるんですか。これは虚空蔵菩薩の真言を100万回唱えることで無限の記憶力を授かるという荒行です。焼山寺太龍寺でも聞きましたよ。

正面向かって右側の洞窟が修行をしていたという神明窟。

左側が生活をしていたとされる御厨人窟です。

大師24歳の頃の著『三教指帰』にて、修業中に悟りを開き、その際口の中に明星が飛び込んでくるという神秘的な体験をしたと書かれています。これによって大師は虚空蔵求聞持法が成就したことを悟ったのです。

その時この場所から見た空と海だけの景色に感銘を受け「空海」と名乗るようになったんですって。

【二十四番札所】室戸山『最御崎寺』

御厨人窟を出て自転車を走らせれば

すぐに最御崎寺の案内板が出てきます。室戸岬とほぼ同じ場所にあるこの札所ですが

Z軸方向に距離が離れています。これを自転車で登るのは骨が折れますよ。

なので鶴林寺で会得した歩き遍路モードにチェンジ。自転車を置いて徒歩で参ります。

徒歩20分ほどで

二十四番札所『最御崎寺』に到着です( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

前の札所『薬王寺』から約75km。長い道のりでした。

今日は木漏れ日が美しすぎる天気。心が洗われます。

山門

山門では大師像がお出迎え。

境内もまた緑豊かで癒されますね。

手を洗って本堂へお参り。

本堂

本尊:虚空蔵菩薩
真言:のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきや まりぼり そわか

近所の御厨人窟で虚空蔵求聞持法を成就したこともあり、本尊は虚空蔵菩薩です。真言が噛みやすいことでおなじみ。

最御崎寺は歴代の天皇の崇敬も篤く、南北朝時代には全国に一寺一塔(安国寺と利生塔)を建立した足利尊氏がこの寺を安国寺に指定し、利生塔を立てています。

大師堂

大師堂の写真を撮っていなくてショック。赤丸が大師堂です。たしか(^-^;

807年に嵯峨天皇の勅命によって再びこの地に訪れた大師が虚空蔵菩薩像を彫造して本堂を建立しました。当時は真言密教の道場とされ女人禁制の寺で、女性の遍路は遙か室戸岬の先端から拝んだといわれます。女人禁制は明治5年に解禁されています。

納経所

納経してもらったらちょっと灯台の方も見てみますか。

NEXT☞ 二十五番札所『津照寺』

次の札所までの距離:約6.5km
移動時間(徒歩):約1時間40分

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