【116日目】岩手山・八幡平ロングトレイル①(2022-9-11)

いよいよ始まります北海道の大雪山以来の大縦走。あの山域で行った縦走よりも長い距離の登山はもうないだろうと思っていましたが、早速東北でそれに迫る縦走をすることになるとは思いませんでした(^-^;

しかしこのように贅沢に時間を使ったロングトレイルは旅をしているからこそ。せっかくの機会、他のしんで登ってこようと思います( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

目次

登山口の茶臼口へ

道の駅にしねからおはようございます。24時間開放の情報室ありの素晴らしい道の駅でしたが、なんとこの旅初の職質を受けてしまいました(๑-﹏-๑)

情報室に人影が見えたという事でお話伺いに来られたようです。少し旅のはなしをお巡りさんとしたくらいでその後は引き続き情報室使わせてもらえましたから大したことではないんですけどね。初めてなので声を掛けられた時はさすがに驚きました。

旅が終わるまでに何回の職質を受けることになるのでしょうかねぇ。

朝日に赤く染まる岩手山

昨晩そんなことがありましたが睡眠自体はバッチリとれました。今朝は天気も良くモルゲンロート岩手山もバッチリの好天。八幡平からのロングトレイルを始めるには絶好の登山日和です。

という事で八幡平方面へ向かうバスが発車する大更駅で荷造り開始。無事に縦走が終わった後は歩いてここまで戻ってこなくてはいけません。考えるだけでゲンナリしますが縦走にはつきものの苦しみですね。

車2台の人間2人以上で、登山口と下山口に車を配置してから縦走をスタートするやり方が最強なのですがそんな贅沢、今回の旅では望むべくもありません。゚(´つω•`。)゚。

荷造りを終えて7:11のバスに乗車。

松尾鉱山資料館にて乗り換えです。

八幡平は頂上バス停まで行くともう登頂に30分もかかりません。それはあまりにも早すぎるので今回は茶臼口から登っていこうと思います。ここから登ると八幡平に至る前に茶臼岳という山を挟むので登りごたえがありますし、単純にここから八幡平までの道が美しいと評判なのでその自然美を楽しみたいというのもあります。茶臼岳は八幡平三大眺望地の一つにも数えられていますしね( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

再びバスに揺られます。

八幡平頂上駅です。ここで下りれば八幡平はすぐそこなのですが……。

もう少しバスに揺られて茶臼口に到着です。寂し……。
しかし日曜日という事もあって意外と下車する登山客は多かったです。

まあここから茶臼岳のピストンする方も全然いるでしょうね。

岩手山・八幡平ロングトレイル開始

9:20 茶臼口

岩手山・八幡平ロングトレイル開始!!!
長い戦いが始まりますよ。はてさて何時間かかる登山になる事やら(。◔‸◔。)

山の息吹を感じますねぇ。

噴煙と雲のコラボレーション。八幡平・岩手山が含まれる奥羽山脈は成層火山、鐘状火山、楯状火山が織りなす連峰です。まさに火の山脈。私は火山が大好きです。いつかはマグマを見てみたいですね( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

シャープですねぇ茶臼岳。なかなかユニークな形しているじゃないですか。

茶臼山荘に到着。

ここから茶臼岳山頂は往復で10分ほど。山荘で休憩してから頂上行ってみましょう。

無人の小屋ですがめちゃくちゃ綺麗です。ただ八幡平に行くにしても茶臼口に戻るにしてもここからだと近いので、この小屋を利用するシチュエーションがあまり浮かびません。茶臼口よりさらに奥から登るとここを利用するパターンもあるかもしれませんね。安比高原スタートとか。

茶臼口から始めたこの縦走ですが実際は『岩手山・八幡平・安比高原50kmトレイル』と名付けられたロングコースがあるんですよね。ただ安比高原へのアクセスが難しかったのでバスで行ける茶臼口から今回はスタートする運びになりましたが(๑-﹏-๑)

9:55 茶臼岳山頂

山荘に荷物置いてパパっと茶臼岳登頂。

ド正面にこの縦走のゴール地点たる岩手山が見えます。このまま前進して岩手山を目指すように思われるでしょう?目の前の道はいま登ってきた道ですからね。どういうことかというと茶臼岳~岩手山はアルファベットの『C』のような形の山脈になっているんですよ。茶臼岳を起点として八幡平を経由し岩手山まで『C』を描かないといけないのでこの写真で見るよりも岩手山ははるかに遠いのです。゚(゚^ω^゚)゚。

反対側を見てみましょうか。中央の盛り上がりが特徴的過ぎる山は八幡平三大眺望地の一つ『畚岳(もっこだけ)』です。畚(もっこ)て。というかこの文字北海道でも見ましたね。畚部(ふごっぺ)。読めんのよ。

しかしこれだけ日が昇ってもまだ雲海が消えずにあるとは。今回渡る山々は決して標高が高い山ではありませんが雲の上を歩くことができそうですね。

茶臼岳、楽しみました。置いてきた荷物を回収して先に進みましょう。

木道歩きが楽しいですね。晴天様様。北海道で曇天に試されることが多かったので晴れ続きの東北が逆に怖くなってきました:;(∩´﹏`∩);:

分岐の展望デッキに来ました。
む。行き止まりですか。方向転換しましょう。

※行き止まりではありません。左に奥へ続く木道が見えています。

南側に木道が続いていますね。こっちに進みますか。

※間違えています。西に進まなくてはいけません。

水場の『熊の泉』です。名前がおっかないですね。水はめちゃくちゃ美味いです!

木道を進んでいくと車道に出ました。道路が結構走っている山域ですからね。そういう事もあるかと思いましたが地図を確認すると……

普通に道間違えているだけじゃないですか!

引き返しです。゚(´つω•`。)゚。
ボーっと歩いてしまいました。前方を歩いている人がいたので何の疑いもなくついて行ってしまいました。良くないミスだ……。

再び熊の泉へ。30分はロスしてしまいましたね……。

分岐の展望デッキへ戻って来ました。

よく探せば先に続く木道はありました。気を抜いていましたね。ビシッとしていきましょう。

次のチェックポイントは源太森。ここも八幡平三大眺望地です。

のっぺりとして見える八幡平ですがなんだかんだ登るとなると疲れるんですよね。楽な山などない……。

ハァ……

              ハァ……

登り切って~~

11:40 源太森

源太森登頂! さて三大眺望地の実力やいかに。

岩手山は相変わらずのナイスバディ。本当はこの奥に早池峰山も見えるはずなのですが岩手山より奥は全く見えませんね。

八幡平は……なるほど見事じゃないですか( •̀ᴗ•́  )

山にしてこの平たさ。しかし美しい。個性たっぷりの名山ですね。

ちなみに「源太」は坂上田村麻呂についてきた源太兄弟の名前から取られましたんですって。

源太森を越えると湿原ゾーン。なんて贅沢な木道歩きよ。

沼が青々と美しいですねぇ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

この辺りは八幡沼湿原のほぼ真ん中。ところどころに小さな池の様なものがありますがこれは池塘(ちとう)と呼ばれるものです。火山噴出物の間にできた凹池に水が溜まり、土砂等によって次第に浅くなり水性植物が育つようになったのが始まりです。

これら植物の廃植質が水中に堆積してさらに浅くなり次第に水気を好む植物たちが育つようになります。これらが湿原となるのです。

12:05 陵雲荘

陵雲荘到着。ここも立派な小屋ですがまだまだ行動終了するには早いです。

八幡沼

右手のドでかい八幡沼を眺めながら皆さんお昼ご飯を食べています。最高の昼食ですねこんなシチュエーションは。

八幡沼

沼だの湿原だの混乱しますね。沼は湿地の一種で、湿地と湿原は明確に違います。

湿地は排水が悪く常に水が溜まっているか、洪水時に水が溜まる場所のことです。

湿原は沼などが泥炭で埋め立てられ、その上に草原が生えている場所の事です。

このように湿原は沼から変化するパターンが知られますが、ここら一帯の湿原は少し違います。この湿原は細かい火山灰によってできた土で覆われていますが、この土は水を通さないので土の上は雪解け水が常にうるおしています。そのためそこに湿地植物が生え、そしてそれらは枯れても腐りません。枯れて泥炭化した植物が堆積し、湿地となったものがこのあたりの湿地です。

ガマ沼

八幡平山頂付近にはいくつかの火口跡があり、それらに水が溜まって沼になっています。このガマ沼もそうで、沼の中にも3個の火口跡があります。沼の深さは9.1mです。

ガマ沼&岩手山

ちなみに八幡沼は東西方向に並んだ数個の火口が同じ水面でつながったもので深さは地番深いところで22.4mあります。

12:20 八幡平山頂

登頂! 八幡平山頂!

……と言いたいところですが本音を言うと「これが山頂?」という気持ちです。

八幡平の山頂自体は木々に囲まれて展望がないんですよね。展望台に上ってようやく眺望が効くという具合で。まあこの山の真価はここに来るまでに十分味わった気はしますね。豊かな沼に湿原。のどかな木道歩き。頂上からの景色を楽しむところではありませんね。

それはそれとして展望台には登りますが(。◔‸◔。)

展望台に上っても結構木に視界を遮られますね。しかし岩木山が見えたので満足です。

これですよこれ。

これ!(これぇ!?)

めちゃめちゃ辛うじてという感じですね。
実際肉眼では見えませんでしたしꉂꉂ(˃▿˂๑)

その通りです先生……。

山頂に長居することはありません。今日はまだまだ歩かなくてはなりませんからね。先を急ぎましょう。

ちなみにこの付近に見られる針葉樹はオオシラビソ(アオモリトドマツ)です。この木の生育具合でここら辺の環境が分かるというのが面白いところ。

下枝の方は四方に成長していますが、上枝はあまり伸びていませんよね。これは下枝が雪に埋もれるのに対し、上枝は極寒の雪風にさらされてしまうせいで成長が遅いのです。

また上枝の付き方が片方に寄っているのは強風のためです。この枝の付き方によって冬期の主な風の向きが分かるのです。面白すぎるでしょうよ。

八甲田山でもアオモリトドマツの生え方によって残雪の具合が分かるという事を学びました。植物がもつ情報量の多さよ。

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こちらは鏡沼。噴火によって生じた河口に水が溜まってできた火口湖です。火口湖は急な崖で囲まれているのが特徴。静かに湖水をたたえ、周りの美しい風景を写す姿から鏡沼の名がつけられました。

八幡平レストハウスが見えて来ました。ここまでバスが来るので本当に八幡平はピークを獲るだけならば容易い山ではあります。ただここで紹介したように湿地帯や三大眺望地からの八幡平の眺めが素晴らしいので少し余計に足を伸ばすのは全然ありですね。

レストハウスの駐車場。縦走中に普通に人の世界が現れると拍子抜けしてしまいます。

山頂駐車場は秋田と岩手の県境付近にあるんですね。

八幡平の看板! しかし奥に写っているのは岩手山です( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

レストハウスで食事をとります。食料は一応3泊分持って来ているのでわざわざレストランでとる必要はないのですが、念のために食料を減らさない択をとります。大雪山縦走で食料がギリギリだったことが忘れられなくってねぇ……。

食後には売店でおやつまで買う始末!
餅にバター!? と思ってしまうような組み合わせですがこれは秋田では有名なご当地スイーツ。つきたてのお餅にバター、砂糖、卵などを練り込んでカットしたものです。もちもちの甘味が食べたい気分だったので購入しましたがさてそのお味は……





ゥンまああ〜いっ!!!!!




これめちゃくちゃ美味いですね!
登山の行動食に毎回持っていきたいくらいですよ。

カロリーも高くて腹持ちも良いですし。
いやこれは下山した後も買おう……。

食事は十分。今回の縦走はここからが本番といっても過言ではありません。

レストハウスから出てまずはこの畚岳を目指していきますよ。茶臼岳から見えた最後の八幡平三大眺望地ですね。あれに今から登るのか……。

10分ほどの車道歩きを終えて再び登山道っぽい場所に入ります。

「このコースは八幡平と岩手山を結ぶ長大なコースです」

承知の上よ……!

この畚岳を越えてもまだまだ今日は歩かないといけません。しかしもうこの時点で眠いですね。

畚岳は寄り道しないとピークが取れません。片道たかが5分。されど5分。山においては5分と言えど侮れません。5分間ずっと苦しいところもあればそうでもないところもありますから。今回の場合は……ちょっと手間ですね。

しかしここまで来たなら登らないわけにはいかないでしょう!

14:00 畚岳

ヒィ~( ;∀;)
畚岳登頂! 結構急登で苦労させられるタイプの5分でした。

しかしさすが三大眺望地の一角だけあって

見晴らし抜群!

まっ平らな八幡平と尖がった岩手山をバッチリ視界に収めることができます。

サクッと元のルートに復帰。進みましょう。

14:45 諸檜岳

比較的なだらかな道ですね。歩く距離はありますが。

この平らさですよ。山にして。個性的な山だ本当。

15:15 前諸桧

まぶしっ!
この時期の東北は西日がとても強いです。汗だくですよ。

平らなチュートリアルエリアも終わってきたようですね。気を付けていきましょう。

どこまでも飛んでいけ飛行機雲……。

15:40 嶮岨森

とにかく天気が良いのが助かります。日もまだまだ長そうですし。

沼を見るたびに撮るんですけど今日は見過ぎてあまり感動がなくなってきました。贅沢な話ですがね。ちなみにこの沼の名前も鏡沼です。山、名前が同じものが多すぎます。硫黄岳なんかこの国にいくつあるのやら(。◔‸◔。)

しばらく歩いてこのバッキバキの木道を渡れば

16:15 大深山荘 

本日の宿泊地、大深山荘へ到着です!
まだまだ日は高いですが次の小屋まではかなり距離があるのでここで行動終了するのが良いでしょう。このコース、小屋はぽつぽつあるんですけどテント場はありませんからね。まあ私としても小屋に泊れる方がありがたいですが。

お茶にインスタント食品に、豪遊するには水が不可欠。小屋で寝ころびたい気持ちを押さえて水汲みに行ってきます。

ちょい遠めですが荷物を小屋に置いてきているので即で到達できます。

水のありがたみを知りますよね、登山って。

帰還。ここからが楽しい山時間です。小屋でゴロゴロする……一日登り続けた人間にとっては最高の御褒美ですよ( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

カシュッ とね( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )


あと翌日月曜日ですからこんな山奥の小屋は私一人かと思っていたんですけど他の登山客が一人いました。心強いですね( •̀ᴗ•́  )

酒を飲みながら登山トーク、これぞ山中での贅沢( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

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