約1年半かかった私の自転車日本一周もゴールしてはや2ヵ月。日本一周最終日の回も書き終えブログの方でも日本一周の旅は終わりを迎えました。
その後、総集編の記事もいくつか作り、自分の中でも日本一周というものの復習が進んできた今日この頃。旅に「こうするべき」はありませんが、自分の経験を振り返って見た時に「これくらいの心構えがあった方が豊かな旅になるんじゃないかな?」くらいのメッセージがいくつか思い浮かんだので今回それを伝えるために記事を書きました。
初めに結論を言ってしまうと伝えたいのは
・自転車旅オススメ
・テーマを決めよう
・ブログを書こう
・日本一周”だけ”をするのはもったいない
ということです。この記事では以上の4つについて掘り下げていきます。
私が自転車を選んだ理由
日本一周は人力で行いたいという思いが当初からありました。もともと登山が趣味で、全国の山を登るついでに日本一周をしようというのが旅の動機だった私。当然ですけど歩いて山を登るわけですから、移動も人力で行えば山巡りの旅にも「己の力で進む」という一貫性が出ると思ったんですよね。
その理論でいけば徒歩の旅が最適解ではありますが予算や旅の期間を考えると徒歩はコストがかかりすぎるという判断で自転車での旅をすることに決めました。言ってしまえば徒歩旅の妥協案。そんなきっかけで始めた自転車旅でしたが実際に旅を始めてみると自転車ならではの良さに色々と気づくことができました。
移動の自由度が高い
自転車は移動の自由度が高いので急な方向転換や停車が容易です。急な気まぐれで寄り道をするなど計画の変更が比較的スムーズにできるんですよね。徒歩でも同様に柔軟な計画変更が可能ですが、自転車と比べると距離の制約があるため、長距離の計画変更はより検討が必要になります。
例えば計画を変えて峠越えになったとすると、自転車であれば日暮れ前に峠のピークに立てる算段が付けば下りに体力は使わないので「行っちゃえ!」となりますが、徒歩だと下りも含めて日没までに通過できる余裕が無いとなかなかその判断は下せませんよね。
そういう意味では移動に体力を使う必要が無いバイクの方が自由がきいて良さそうに思えますが、そこは「停車が容易」という部分で自転車にアドバンテージがあります。バイクに限らず車や電車に乗っている時、過ぎ去った景色に対して「今の景色良かったな」と思ったことが皆さんあるのではないでしょうか。そう思った瞬間に停車してカメラを構えることができるのが自転車の良いところです。
特に私は一眼カメラを持ち出してまで美しい写真を記録として残すことを第一に旅をしていましたから「シャッターチャンス!」と思った時に撮影に入れる自転車は非常に旅のスタイルに合っていたなと思います。
相当な量の荷物を積むことができる
自転車は人力での移動手段としては相当な量の荷物を積んで移動することができる乗り物です。特別なこだわりが無ければキャンプ道具と着替えくらいの荷物で挑戦できる日本一周。私は山がテーマかつブログでの情報発信をしていたので、それらに加えて登山道具、パソコン周辺機器を追加して荷物の量は40㎏弱でした。
自分の体重の50%以上の荷物をもって400日以上の旅を完走できたのは自転車あってのこと。徒歩ではこんな量の荷物をもって旅をするなんて考え難いことです(いないとは言わない)。
人との交流の機会を得やすい
そもそも「交流の機会を得やすい」ことがメリットかどうかは人によるところですがそれはいったん置いておいて(^-^;
旅の最中は日本一周の看板をつけて旅をしていたというのもありますが多くの方に声をかけて頂けました。自転車は自動車と比べると低速で移動するため、通り過ぎる人との距離が近く、自然な形で声をかけてもらいやすいんですよね。単純に、自転車で日本一周している人の数が少ないので物珍しいということもあると思いますが。
ただこの「交流の機会を得やすい」というメリットに関しては完全に徒歩旅に後れを取ります。自転車よりも徒歩の方がさらに低速なので話しかけやすく、珍しく、どう見ても大変なので応援のしがいもありますからね。
つまるところ自転車の良さとは
移動の自由度が高く、やりたいことをやるための荷物が詰め、交流の機会を得やすいことです。これらすべてをバランスよく実現できるのが自転車だと思います。そして最後には「人力で日本一周した」という究極のご褒美も待っていますしね( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
まあ私自身が自転車を使って旅をしたので自転車びいきのプレゼンになってしまった感は否めません(^-^;
冒頭でも触れたように旅に「べき」はありません。自転車は徒歩の上位互換ではありませんし、バイクの下位互換でもありません。移動の仕方それぞれにスタイルがあり、そこで得られる経験に貴賤は無し。ここまでで挙げた自転車の良さはあくまでも参考として、未来の旅人の選択の一助になれば幸いです。
テーマを決めよう
移動は自転車じゃなくても全く問題はありませんけど、旅をするにあたって「テーマを決める」という事に対しては異論をはさむ余地はないと考えています。「旅=テーマ」だとさえ思っています。テーマのない旅などありません。あるとしたら旅に出ること自体がライフスタイルの一部になっている人でしょうけどそんな人いないでしょう? いたんだとしたらスナフキンよそいつ。
「日本一周」自体は旅のテーマではない
「日本一周」自体は旅のテーマではありません。「自転車」で日本一周を行う事すらテーマではありません。日本一周というのは真っ白なキャンバスであり、自転車は画材です。
僕の絵のテーマはコピー用紙にボールペンで描くことなんだ!
なんて言う絵描きがいないのと同じです。テーマとは「何を描くか」なんですから。「何に」「何で」描くかは関係ありません。
日本一周をどういう手段で行うかはただの前提条件。出発してから描く軌跡、これを決めるのが旅のテーマです。
なぜテーマを決めるのか
正確に言えば「テーマを決める」のではなく「テーマを言語化する」です。決める決めないにかかわらず旅に出るた以上、その旅人にはテーマがあります。
例えば、自覚はないけれど「人一倍食にこだわりがある」旅人は旅先で出会うご当地グルメを見逃しません。言語化していないだけでこの旅人には「美食」というテーマがあり、それに沿った行動をしているのです。
つまりテーマは行動の指針になるということ。テーマを言語化することで、旅の目的や方向性が明確になります。何を求めて旅に出るのかを自覚することは無駄な迷いや時間の浪費を避けることにつながるのです。
でも無自覚でも食にこだわりのある人は「美食」のテーマに沿った行動をするんだから、自覚してもしなくても一緒なんじゃないの?
まったく違います。
テーマを自覚していないというのは目隠しをしている事と同じです。目隠しをしていようと美味いものは美味いですよ。でもその状態でどうやっておいしいお店を探すというのでしょうか。前が見えない状態でも運よく名店にぶつかることもあるかもしれません。知り合った人がいい店を紹介してくれることもあるやも。でもそれらは全て他力です。
「美食」というテーマを自覚した人なら進むべき道がはっきり見えます。「現地についてから食べログ上位のお店調べて行こっ!」レベルの話ではありません。そんな程度のことは食にこだわりが無く、旅先での夕食がサイゼリヤでも満足な私でもやります。そうではなく、マジで「美食」をテーマにしている人の旅の記録はお店の歴史からご当地の食文化まで掘り下げて切り込みますからね。そういう人得る体験は鋭く、深いです。
まあそういった取材レベルの掘り下げをする方はさすがにレアキャラですが、要は自覚しているテーマに対する行動は自発的で真摯、体験としても深いものになるという事です。テーマを自覚することができれば後述の「記録」も体系的にまとめることができますしね。
テーマの見つけ方
「生まれた時から家が無く、物心ついた時には既に放浪の旅をしていた」なんてことでもない限り、旅人になるために「旅を始める」タイミングがあるはずです。なんとなく旅が始まることはありません。
日本一周をするにあたってそれまでの生活を捨てることになる人は多いでしょう。学生であれば休学、社会人であれば退職、フリーランサーでも仕事を一時停止する必要があるかもしれません。
何が言いたいかというと「日本一周をするという決断は並々ならぬもの」という事です。そんな決断で始める旅が「なんとなく」なはずがありません。自分では「アテのない旅」だと思っていても必ず言語化可能なテーマがあるはずです。
それが何かというのは得てして自分の好きなことにヒントがあるもの。先に挙げた例では美食でしたが、本当に何でも組み合わせることが可能です。アニメ漫画が好きであればロケ地となった場所を巡る聖地巡礼なんてピッタリです。動物が好きなら全国の動物園、水族館。「○○が好きだから○○園なり○○館巡り」というのは最もポピュラーなテーマの決め方かもしれません。
旅行に行く時に何を決め手に行先を決めるでしょうか。死ぬまでに行きたいと思っている場所の特徴は何でしょう。同じ特性を持ったものが日本中に散らばっていたりしませんか? 自らの欲を掘り下げていった先に旅のテーマは眠っているはずです。
テーマだと勘違いしやすいもの
テーマのようでテーマにあらず。それが動機と定義です。
しかし「明確すぎる動機」と「自分の興味と一致した定義」はテーマになりえます。
動機
一概には言えませんが旅の動機というのははあくまでも旅を始める原動力や理由です。「日常のストレスから離れてリフレッシュしたい」「 文化や歴史に興味があるので遠出したい」これらはすべて動機。旅のテーマとは自分の行動の指針となるものです。
ただ動機が明確だと旅のテーマを見つけるのに苦労が少ないですね。「 文化や歴史に興味があるので遠出したい」のであれば、伝統的な行事や祭り、伝統工芸の制作体験を通じてその土地ならではの文化を学んでいく「文化・伝統に触れる旅」というテーマになるかもしれませんし、遺跡、歴史的な建造物、博物館を訪れて、過去の歴史的な出来事や偉人たちの足跡を辿る「歴史の旅」になるかもしれません。
動機の時点で「文化や歴史に興味があるので、伝統的な行事や祭り、伝統工芸の制作体験を通じてその土地ならではの文化を学んでいく旅をしたい!」まで言語化できていればもうほとんどそれがテーマです。
日本一周の定義
同じものでも、ある人にとってはテーマであり、またある人にとってはテーマとならないものが「日本一周の定義」です。
日本一周という言葉は曖昧なもので、何をもって日本一周とするかは旅人それぞれが決めるもの。言葉通り沿岸部をぐるっと回る日本一周をする旅人や、47都道府県すべてを訪れることを日本一周とする旅人と、その定義は人それぞれです。
例えば「日本中の○○を巡る!」という日本一周の定義であればそのまま旅のテーマになりますね。ただこの「○○を巡る!」が人にとってはテーマにはなりません。
「百名城」を例に挙げます。百名城とは財団法人日本城郭協会が2006年に定めた日本の名城100選ですが、いい塩梅に全国に分布しているという事で日本一周勢に人気のチェックポイントです。
「通過しただけでその県を旅したことになるのか?」という問いについて出発前の旅人は一度は考えることになるでしょうが、各県1城以上 5城以内で選定されている百名城を巡るのであれば確実に観光をする機会が得られます。そういう意味でも「百名城」というのは日本一周の定義として申し分ありません。
でもこれ、もともと歴史やお城に興味がある旅人にとっては日本一周の定義かつテーマになりますが、そうでない旅人にとっては定義でしかないんですよね。日本一周のスケールを決めただけです。絵を描くためのキャンバスのサイズを選んだだけで結局まだそこに何を描くかというテーマは決まっていません。
元々お城に興味がある人であれば百名城という定義を決めた時点でもう城の絵を描くことは決まっているのでテーマになります。
これが、「日本一周の定義」がある人にとってはテーマであり、またある人にとってはテーマとならないものという言葉の真意です。
二兎を追うものは……
いくら大切とはいっても沢山あっても困るのがテーマです。後悔はしていませんが私はそれについて少し反省する部分があります。
私は日本一周よりも先に「全国の山を登ってみたい」という欲求があり、「どうせ全国を回るなら移動も人力でやればいいじゃん!」という事で自転車での日本一周を始めたので最初から「登山(百名山)」というテーマがありました。
ここではしゃぎすぎたのが「せっかく日本一周するのにテーマが一つだともったいない!」と思って神社仏閣巡り、特に一之宮の参拝もテーマに入れたこと。
どっちもそれ一本でメインテーマになるくらい濃いものだったのでわざわざ二つも立てる必要はなかったかなと今は思っています。
まさに二兎を追うものは……の通りで一之宮も百名山もどちらもコンプリートはできていません。言い訳させてもらうと最初からコンプリートは目指してはいませんでしたが(・`_´・)
日本一周の動機でも書かせてもらいましたが山と寺社というのは親和性が高いので「このダブルテーマめっちゃいいじゃん!」と熟考なしに決めてしまったんですよね。もっと冷静になってテーマそれぞれのカロリーを考えるべきでした。
今であればテーマを二つ立てるにしても「メイン百名山」で「サブ一之宮」というようにすると思います。自力で登る必要がある山は自力で移動する日本一周中に登るからこそ統一感が生まれるのであって、道路が通っている一之宮は日本一周後に車なりバイクで行っても良いですからね。
ただ最初にも言ったように後悔はしていません。目論見通り山と寺社は相性が良く、ブログとしてもまとまりの良い2テーマでした。
お伝えしたいのは「テーマを複数立てることで二兎を追うことにならないか?」というのを冷静に考えてほしいという事ですね。
散々「日本一周するだけなら大したことない」みたいな誤解を与える書き方をしてしまいましたが、日本一周だけを目指したルートを通ってもかなり大変な道のりになることは間違いありません。
テーマを決めるとそれに準じたルート構築になるので最短の日本一周ルートからは外れることになります。テーマが複数あるとさらにルートは複雑になり総移動距離も増えますからね。
旅の軌跡は記録に残そう
お次は「旅の記録を残そう」です。テーマを決めることほど重要ではありませんが、旅の記録を残すことは強くおススメします。というか絶対に残した方がいいです。
記録は財産
日本一周を終えて何が一番の財産になったといえばそれは「記録」です。すなわちこのブログですね。せっかくの日本一周という体験、忘れてしまってはもったいないです。なればこそ記録は重要。全部を記憶なんかしておけるはずがないんですから。
「自然に忘れていく中でそれでも残った記憶こそ価値あるもの」という論には中指を立てていきます。良い思い出だろうが悪い思い出だろうが人は忘れていくのでね。記憶より記録です。
そして何よりも素晴らしいのは記録したものは他の人に公開できるという事です。財産というのは分配できるからこそ価値があるもの。決してその場から動かせない金塊に値はつきません。
私も日本一周勢の先輩のブログを読み漁り旅への憧れを募らせました。実際に旅に出る際は装備を参考にするためにまたブログを読み、旅に出た後も自分がいまいる土地を旅した回のブログを読んでおすすめスポットを探したりと大変役立たせて頂いたものです。会ったこともない旅の先輩の経験が私の助けになっているのは、そういった方々が自分の経験を記録に残しておいてくれたおかげです。
「思い出」だけあれば良いというなら何に記録することもなく、自分一人の胸の内に秘めておくことも良いでしょう。でもせっかく今の生活を捨ててまで日本一周に出るのであれば費やした時間を価値あるものにしたいじゃないですか。
記録は日本一周が終わっても、いや、日本一周が終わった後にこそ輝く財産になりますよ( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
旅人にお勧めするのはブログ
実利ある記録というものは記録のまとめ方にも気を使わなくてはいけません。その際に重要なのは使用するプラットフォーム。情報の記録・発信には多くの方法がありますが旅人に最もおすすめなのがブログです。
文字と写真を使って幅広い表現が可能
出来事を詳細に記述できるため、他のプラットフォームよりも体験の深堀がしやすいのがブログの良いところ。体験を即伝えるというリアルタイム性ではSNSに劣りますが、日本一周の記録は旅が終わった後にも振り返るものです。発信速度の早さよりも質と量をとりましょう。SNSと違って投稿できる写真や文字数に制限が無いのでその日起こった出来事を表現したいようにつづることが可能です。
読者が必要な情報にアクセスしやすい
特定の日や場所ごとのアーカイブが作成できるブログ。カテゴリやタグを利用して特定のトピックや関連する記事にアクセスすることが容易です。日本一周に興味を持ってきてくれた方は「日本一周」のカテゴリにある記事を読むことができますし、登山であれば「登山」のカテゴリ、神社であれば……と自分の興味のある記事を1からさかのぼって探していく必要がありません。
この、知りたい情報にアクセスしやすいという特性は管理者である自分自身も非常に助かります。この記事を書いている現在なんか総集編の記事を書き上げるために、自分の記事を検索してブログ内を飛び回っていますよ。
〇年〇月に何してたっけ?
という時に一瞬で詳細な記録が残っている記事に飛べるのはブログで記録をつけてきたおかげ。過去の自分に感謝です。本は分野ごとに棚に並べて整頓しておかなければ読みたい人の手まで届きません。
旅の余暇に生産できる成果物としてのマックス値がブログ
備忘録程度であればSNSでOK。より伝えやすさを追求するのであれば百聞は一見に如かずの動画が良いでしょう。しかし前者は記録としては情報量が薄く、後者は撮影・編集にかかる手間が旅人には厳しいです。一日の大半の時間が移動に取られる旅人の可処分時間はSNSと動画にあてるには帯に短し襷に長し。その時間を使って最大の成果物を作れるのはブログだと考えています。
ブログを書くのに慣れればその日起こったことの大筋を書くことにそれほど時間はかからないでしょう。あとはその肉づけを時間が許す限りするだけです。
何時に起きて何を食べた。どこに行って何を見た。何を体験して何を感じた。
こうして時系列順に並べられた一日の記録は読み物にさえなります。一行日記程度で終わらせるのではなく、その日できる限りの時間を使って自分の気持ちを残しておくのが良いでしょう。
まあ旅人それぞれに事情があって毎日更新は難しい場合もあるかもしれませんがとりあえずアップロードさえしておけばあとからでもブログの内容のボリュームアップは可能ですからね。加筆修正が容易なところもブログの良いところです。
YouTubeはどうなの?
旅の情報発信という意味ではYouTubeを利用しない手はありません。実際に日本一周にあたってチャンネルを開設する旅人も多いでしょう。ただこの記事で推奨する「旅の記録を残す」ことについてはブログほど適してはいないと考えています。
先に少し触れたように、体験のリアルな共有で言えば動画に勝るものは無いでしょうが、動画で毎日更新は修羅の所業すぎるんですよね。可能だとしたら、おはようからお休みまでのノーカット無編集動画を一日の終わりに投げることですがこれは尺が長すぎますし特定の情報へのアクセス性も最悪です。
となると必要な情報のみをトリミングするか、一日のハイライトとなる出来事だけ撮ってつなげるか、ですがいずれにしろ編集作業が必須となります。その編集作業自体が大変ですし、重い動画のデータをストレスなく編集するための機材も必要です。毎日の記録に動画は現実的ではありません。
それでもやろうとすると必然、要点だけをまとめたダイジェストになるでしょうが、やはりそれでも後から振り返る時に情報へのアクセス性が悪いという問題が解消できません。
旅が終わった後に総集編としてノウハウやエピソードをまとめるのにはめちゃくちゃ適任だと思いますね。そのように、記録という目的ではなく「動画という形態のエンターテイメント」としてYouTubeを利用することはとても良いと思います。やっぱり日本一周というのは珍しい行為ではありますから、それをコンテンツ化して自分のチャンネルを育てようという気持ちになるのは当然のことですね。
余談ですが、旅中に多くの学生さんに話しかけてもらいました。そこで高校生以下の年齢の学生さんからいつも聞かれるのが「YouTubeかTik Tokやってますか?」ということ。これくらいの世代の方々はもう動画でないと宣伝効果は無いのかもしれないと感じました。
SNS、特にX(旧Twitter)
旅の記録におけるブログの優位性は語り尽くしましたが、それはSNSを使用しないという意味ではありません。やはり情報発信という意味ではSNSは最強ですからね。SNSも併用すればブログへのアクセスを促す広告塔となってくれるでしょう。
そんなSNSの中でも特におすすめなのがX(旧Twitter)です。一つの投稿は140文字内という文字数制限のあるつぶやき型のSNSですがそれ故に気軽で投稿のハードルが低いことが特徴です。このXの何がいいかというと、自分の投稿がそのままブログのプロットになるという点。
私は夜、ブログを書くときに日中の自分の投稿を見ながら執筆していました。Xもガンガン利用することでブログの宣伝にもなりますし、その投稿がブログを書く助けにもなるという一石二鳥。
その日の出来事でも、「朝、曇天の空を見て雨が心配になった」みたいな些細な感情の事は忘れてしまっているんですよね。なぜならブログを書いている時にはもう解決してしまっている事象なので。それくらいのふとしたこともXだと投稿しやすいのでブログを書くときに思い出せて非常に助かりました。
また、手軽に感じるのは私のブログを読んでくださっている方々にとってもそうだったようで、ブログの感想もブログ自体にコメントが来るよりXの方でメッセージをもらう方が圧倒的に多かったですね。
あとこれは私自身は無料会員なので強くおススメできないのですが、これから旅を始めるのであればXは有料会員になった方が良いと思います。インプレッション稼ぎやすいとかいろんな利点がありますが一番の利点は投稿の文字数制限がないことです。
私は1投稿140時未満の連なりをプロットとして利用していましたが、文字数制限が無いのであればそのままブログで書くような文体で呟いてしまえば、実際にブログを書く際はコピペで済みます。
日中であってもお店で並んだりしている時など手持無沙汰な時間はけっこう生まれるものです。そういう時はつぶやきではなく本腰入れてブログを書くつもりで文章を練れるでしょう。
メモ帳アプリでもいいじゃん!
Xで投稿すればコメントもらえるかもしれませんし、何より投稿した時刻の情報が残るのが素晴らしいですね。
これ有料会員のほうがいいのでは?
と気づいたのが旅が終わる二ヶ月くらい前だったので、そのためだけに今更月額料金払うのもなぁと思い無課金ユーザーのまま駆け抜けてしまいました。どう考えても初めから入っておくべきだった……。
日本一周自体は劇的な事ではない
最後に伝えたいことはこちら。ここまで口酸っぱく「テーマを決めよう」「記録を残そう」言ってきたのはこの小見出しの通りだからです。
日本一周自体は劇的な事ではない
これは前提に置いておかなければ旅の意味を見失います。日本一周自体はそれだけで美味しい食材ではありません。調理が必須です。その旅を豊かに味付けするものがテーマと記録なのです。
テーマが明確でない日本一周
テーマが明確でない旅でも始めのうちは楽しいでしょう。今までであれば車や飛行機で移動していたような距離を自転車で進んで、寝床も一日一日違う場所で野宿。まさに非日常です。
しかしそんな「日本一周してるんだ!」という非日常感も、一カ月も旅をすれば日常に成り下がります。よく言えば旅慣れるという事ですが、悪く言えば流れ作業。こうなると「日本一周していること」自体には刺激を感じません。
すると旅人ははやく日本一周を終わらせたくなってしまうんですよね。なぜならもうご褒美が「日本一周を達成した」というバッジしかなくなるからです。確かにこのバッジ、価値ありますよ。ありますけど、今の生活と引き換えに手に入れるほど価値があるかはよく考えた方がいいです。
旅を始める前は「日本一周」ということがとてつもないことのように思えるものです。おそらく多くの困難に見舞われることになる日本一周。たとえ旅自体にテーマが無かったとしても日本一周を目指すだけで価値ある学びや困難を乗り越える物語が生まれるはずだと。
無いとは言いません。無いとは言いませんが途中で
日本一周、そこまで難しくない……?
ということに気付いてしまいます。
もちろん日本一周の難度は移動方法やテーマによって変わりますから一概には言えませんが、日本一周すること自体は時間さえかければ誰でも達成可能なことに早い段階で気づくことになるでしょう。
テーマのない日本一周が刺激的であり続けるには、その旅が常にいい塩梅の試練に満ちている必要があります。しかし旅にも慣れて非日常が日常になり、その日常の繰り返しで日本一周は達成できることに気づいた時、旅のモチベーションを失わずにいられるでしょうか。そんな状況に陥らないためにもテーマは明確にしなければなりません。
私の場合は百名山を登るというのが旅のメインテーマでしたが、これのおかげで400日以上の旅をマンネリ化させずにやり遂げることができました。このテーマの何が良かったかというと一山登るごとに達成感があったという事ですね。「日本一周達成」という大きなゴール以外に、テーマの中で小さなゴールをいくつか作っておくことが刺激的な旅を続けるコツです。
「日本一周」だけでは記録のモチベーションもわかない
記録が財産になるという事は「旅の軌跡は記録に残そう」で語った通り。しかし「日本一周」そのものは劇的でないので、劇的でないものをただでさえ疲れている旅の一日の終わりにブログにしたためる気力も湧かないでしょう。
ここでもやはり問題になるのはテーマがあるか否か。テーマがあればモチベーションの維持にもなりますし、テーマに基づいて情報もまとめやすくなります。
まとめ
・テーマを決めよう
・ブログを書こう
長々と語りましたがこれだけです。
最初4つなかった!?
究極、伝えたいのはこのふたつでしたね。自転車をオススメしたりしましたが結局どんな移動手段を使うにしても私が伝えたいのはこのふたつです。
旅を豊かなものにするためにテーマを。旅を価値あるものとして残すために記録を。日本一周という稀有な経験を財産にするために必要なことだと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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