2023-10-21
修業の道場・高知の真骨頂が「岩本寺~金剛福寺」区間の約80kmコース。歩きならば3日はかかる遍路最長区間です。今日はそんな四国最南端の足摺岬にある三十八番札所『金剛福寺』へお参り。ここは観音の理想の世界、補陀落に一番近い場所です。
四国の最南端へ
土佐西南大規模公園からおはようございます。大規模というだけあってめちゃくちゃ広いのですが、小さな町の丘の上にある公園なのであまり人気はありません。
とはいっても日が出れば犬の散歩に来る方がチラホラ。吠え猛るノーリードチワワがいてネガティブな気持ちになったのでテントが乾いたらすぐ出発しましょう。犬は好きなんですけど吠える小型犬は好きじゃありません(U・ᴥ・)
さあ公園を出て向かう先は四国のほぼ最南端、足摺岬です。そんなところにも札所があるんですよね困ったことに。
岬というのはどこも平坦な道でないことがほとんどなので疲れそうです。
ローソンで朝食。朝はコンビニ飯ばかりですね。一応朝はテントでもパスタやら食べてから行動を開始するんですけどすぐお腹が減ります。チャリダーの燃費は悪い。
それにしてもですが今日の天気は最高です。匂いまで良い感じで、空きの良いところが全部出ています。こういう日はただ自転車で走っているだけで幸せな気分になるので「旅をしていて良かったな」という気持ちになりますね。
四国内で最長の川である四万十川を越えたら
国道321号線を南に進んでいきます。
なんて絶好のサイクリング日和ですか。少し陽が強い気がしますがそれも潮風の涼しさを感じられて気持ちが良いです。
またローソンで休憩。水が切れそうだったので2Lのペットボトル水を買っていきます。この先、真っすぐ足摺岬に向かうのであればもうコンビニもありませんからね。
あのかすんでる陸地の先っぽまで行かないといけないのかと少しゲンナリ。ゴールが見えているというのも善し悪しあります。
大岐海岸で少し休憩。自転車漕ぐのに集中している時の写真ってほぼないのでずっと休憩しているように見えますねブログだと。
途中、一瞬だけ県道27号線に入って
この小さい平城京みたいな碁盤の目区画を抜けて
県道347号線に出ます。またすぐ27号線につながるんですけどね。そしたらもうただただ南に進むだけです。
ようやく後2km。
あと1km!
ようやくですよ本当。
【三十八番札所】蹉跎山『金剛福寺』
足摺岬に到着。そうしたら三十八番札所はすぐそばです。
山門
こちらが三十八番札所『金剛福寺』! 四国霊場最南端の札所!
手間をかけさせてくれたじゃないですか金剛福寺! なんでこんなところに寺を建ててしまったんだよと小突きたくなるような札所です。岩本寺から金剛福寺までの約80kmは札所区間距離としては最長ですからね。歩き遍路の方だと3,4日かかる距離ですよ。
自転車遍路の私でもちょっと達成感を感じてしまうような札所です。修業の道場は一筋縄ではいかないところが多いですが、その分の達成感というご褒美も用意してくれている道場ですね。
さて感傷に浸るのもほどほどにして参拝しますか。金剛福寺到着時点で15時ですからもたもたしていると寝床探しに苦労します。
仁王門の額には嵯峨天皇勅額の「補陀洛東門」が掲げられています。弘仁年間(810~824年)にこの地を訪れた弘法大師は、ここで観音菩薩の光を感じ、嵯峨天皇に「補陀洛東門」の額を賜って堂宇を建立したと伝わります。
「補陀洛」とは観音菩薩が降臨するとされる浄土の事。足摺岬は海の彼方にあるこの補陀洛浄土への入り口と信じられ、捨身行である「補陀落渡海」が行われた地です。補陀落渡海は南方の海上にあると信じられた補陀落浄土への単独航海。ほぼ生還の可能性はありません。
門を通り抜けるとこの南洋性の植物に覆われた境内。
まんまるドラゴン手水舎で手を洗い
ピカピカ亀に迎えられて本堂へ向かいます。
本堂
本尊:三面千手観世音菩薩
真言:おん ばざら たらま きりく
弘法大師が伽藍の建立時に三面千手観世音像を彫造して安置し「金剛福寺」と名づけました。
こんなにローソク立てが埋まっているのは初めて見ました。ローソクも大体が風で途中で消えてしまうので溶け切らないんですよね。わずかに残っていたスペースに献灯できました。
境内がとても綺麗です。
平安時代には都でも観音菩薩の霊場として名高く、歌人の和泉式部や後深草天皇の女御で「とはずがたり」の作者でもある二条なども訪れたといいます。
大師堂
大師堂に向かいがてら境内を散歩。
シンプルに境内のクオリティが高い。
本堂・大師堂の他にも愛染堂、不動堂、弁天堂など多くの堂宇が立ち並ぶ見ごたえバツグンのお寺です。
納経所
御朱印を頂いたら
せっかくですから足摺岬の方にも足を延ばしますか。
NEXT☞ 三十九番札所『延光寺』
次の札所までの距離:約52.8km
移動時間(徒歩):約15時間
四国最南端の岬『足摺岬』
足摺岬はすぐそこなので金剛福寺からそのまま歩いていくとしましょう。
ジョン万次郎の像が目印。逆光で何も見えませんね。
展望台からの灯台。
天狗の鼻は工事中っぽいですね。
天狗工事中ならせめて灯台の方には行っておきましょう。
地獄の穴が金剛福寺まで伝わっている……だと……。
大師が爪で「南無阿弥陀仏」と彫ったという岩があります。どれがその文字名のかは分かりませんでした。
足摺岬のランドマーク、足摺岬灯台に到着。南国の植生もあって沖縄に来た気分ですよ。
足摺岬は十六極(北海道、本州、四国、九州それどれの東西南北端)の一つ。十六極の制覇は人気のある日本一周テーマなのでチャリダーでも来たことがある人は多いでしょうね。
ジョン万次郎の故郷、土佐清水へ
足摺岬を出たら今日の寝床を求めて土佐清水の天神町あたりを目指します。
土佐清水(土佐高知藩知行中ノ浜村)はアメリカ合衆国を訪れた最初の日本人の一人であるジョン万次郎の故郷なので至る所でジョン万次郎の名前を見ますね。この足湯も万次郎足湯ですし。
無料はそそられますがもうゆっくりしている時間はありません。
ひたすらに海岸沿いの県道23号線をすすみます。景色は素晴らしい。
17時に天神町に到着。もう17時でこんな暗さですか。まだ夏の時間感覚が抜けきっていませんね。
夕食は大好きなほか弁。二日ぶりです。弁当を買ったら近くの公園で野宿ですね。
弁当の包み紙に乗っている広告が、マリオで出てくる「鍵をとったら追跡してくるヤツ」で笑いました。
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