【372~373日目】南アルプス大縦走⑦ 南アルプスのヒール役『悪沢岳』

荒川三山とは前岳・中岳・東岳の三つの総称。このうち南アルプス南部の最高峰である東岳が悪沢岳の異名をもつ日本百名山の一角です。山の名前に『悪』の文字が付くというユニーク過ぎる山名の悪沢岳。その魅力は悪どころか良の連続です。見た目良し、展望良しの良し良しラッシュの悪沢岳。大好きな山の一つになりました( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

目次

南アルプス大縦走 10日目

2023-9-11

4:45 三伏峠小屋

いつも通り暗いうちに行動開始。三伏峠小屋を出発します。といっても今日は5時少し前の行動開始とチョイ遅め。10日も山の中にいると固定メニューの食事にも飽きてきて「飯食いたくねぇ……」「でも何も腹に入れずに行動はあり得ない」という葛藤を繰り返していたらこんな時間に。

今めちゃくちゃマクドナルドに行きたいです。雑炊には飽きました。゚(゚^ω^゚)゚。

スタートが遅かったので歩き始めて10分とそこらで空が赤らんできました。何とも禍々しい空。『悪』へ向かっている今日の行程にはぴったりの空ですね。塩見岳を越えて次なる目的は悪沢岳。名前が素晴らしいですよね悪沢岳(▼∀▼)

三伏峠小屋から50分ほどで烏帽子岳に着くのでペースを早めにして日の出の時間に間に合わせます。烏帽子のピークが見えた段階でこれくらいの空の明るさだったので結構焦りました。

5:15 烏帽子岳

ハイペースで登った甲斐あって烏帽子岳に登頂したタイミングで日の出を迎えることができました。この赤い景色が見たくてテント泊やってんのよ……!

山の絶景は早朝と夕暮れにあるのです。それを見る資格を得るためのテント泊。山籠もりの苦労が報われる瞬間です。

鬼ヶ島の様な禍々しさすら感じる富士山。こういう姿も魅力的です( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

雲の出方も美しい……( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
いつまでも見ていたいですね。

しかしそんな楽しい時間は一瞬。ゴールデンタイムは短いもの。だからこそ価値のある時間なのですが( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

日の出の絶景を楽しんだら行動再開。でも一々景色が素晴らしいので立ち止まって写真を撮ってしまいますね。南から見た塩見岳もカッコいい……。

このバックリと抉られた傷跡のような谷が良いですね。カッコよさを増すタイプの傷跡よ。緋村剣心の十字傷タイプ。

6:10 オコジョ発見! 前小河内岳

前小河内岳に到着。標識は地面に置いてあるだけの簡素なもの。撮影しようとカメラを下に向けていたら

オコジョが出て来たじゃないですか!( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

なかなか愛らしい姿。初めて見ることができました。

動きが早すぎます。標識にカメラを構えたところに姿を現さなかったらまともに撮影できませんでしたね。

目的地の悪沢岳

オコジョが逃げるまで撮っていました。レアな出会いに満足です。

7:00 小河内岳

前小河内岳の次は小河内岳へ。烏帽子岳から小河内岳までは崩壊地の縁を歩くか所もあるので慎重に。

近くには小河内岳避難小屋があります。もう営業終了していたので普通に無人の避難小屋として利用できたようですが、昨日、三伏峠小屋まで歩いてからさらにここまで進むのはかなり頑張らないと厳しいでしょうね。

お次は樹林帯とちょっとしたお花畑を抜けて板屋岳まで。

展望が無くなる前にこの景色を楽しんでおきます(。◔‸◔。)

9:00 板屋岳

板屋岳は立ち止まることなく通過。

こういう崩落地はテンション上がります。

9:40 高山裏避難小屋

板屋岳から40分ほど歩くと高山裏避難小屋に到着。

まだ10時前ですが、はい、今日はここで行動終了です(。◔‸◔。)

一昨日も言いましたが、テント泊での南アルプス縦走は楽をするか超がんばるかの二択しかありません。私が選ぶのは前者。超がんばるのは大変ですからね。今回の南アルプス縦走は完走第一です。烏帽子から赤牛経由しての三俣なんてことはやりませんよ。゚(゚^ω^゚)゚。

時間もあって天気も良いので日当たりの良い場所で充電タイム。お腹いっぱい日光をたべよソーラーチャージャー……。

11時ごろにおととい熊ノ平小屋で話した山岳部の子たちが追い付いてきました。同じタイミングで水汲みに行くことになったのでおしゃべりをしながら水場へゴー。話していると時間が過ぎるのが早くて助かりますね。ここも小屋から水場まで15分以上かかるので(メ゚皿゚)

沢までかなり下るので登り返しの事を思うと億劫です。゚(゚^ω^゚)゚。

幸い山岳部の学生さんと一緒だったので水汲みの面倒さをあまり感じることがありませんでした。話し相手がいるというのはありがたいことです。

学生さんたちはテント場にて幕営するようですね。無料で使える避難小屋があるのにテントをちゃんと張るとは……やはり部の活動として山に入っていると気構えが違うなと感心しました。

水を汲み終わったら避難小屋内でゴロゴロ。といってもやることも無いので早く食事を済ませてあとは寝るだけでが。午前中に行動終了しても16時前に寝るのでめちゃくちゃ時間があるというわけでもないんですよね( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

南アルプス大縦走 11日目

2023-9-12

2:45 高山裏避難小屋

高山裏避難小屋を3時前に出発。テントの撤収という作業が無いとこんな時間に行動できるのかと感動です。

もう早朝とかいうレベルではなくシンプルにナイトハイク。

日が昇るまで景色を楽しむ余地が無いのでブログとしては困ったものです。゚(゚^ω^゚)゚。

今日は荒川前岳の山頂で日の出を迎える計算で行動しています。目的地の悪沢岳の兄弟分ともいえるこの前岳。

というのも前岳、中岳、東岳と続く荒川三山の内の東岳が悪沢岳と呼ばれているのです。

しかしまだ山頂も見えないというのにもうこんな明るさ。昨日と同じパターンじゃないですか。

高山裏避難小屋側から登る荒川前岳はなかなか険しくて思うように進めないんですよね。

なぜかというと荒川前岳は崩落が激しすぎるんです。豪雨の度に崩壊が発生しているこの山。荒川大崩壊地はこの前岳から一気に崩れています。

登山道は北側のハイマツを無理やり踏みならして何とかつながっているのですが、この朝露で濡れたハイマツの滑ること滑ること。慎重に渡らないといけないので余計に時間を食います。

そうしているうちに日の出です。

今日は間に合わないかも……と思ったタイミングで

5:20 荒川前岳

荒川前岳に到着!

また滑り込みセーフ。余裕を持ったスタートだと思ったんですけどね。゚(゚^ω^゚)゚。

まあ間に合えばすべて良しです。前岳からは悪沢岳を登った後に向かう予定の赤石岳が良く見えます。この山をどう染めてくれるのか。魅せてみろ朝日ッ!!!

お天道様が姿を現しーー

さあお楽しみの時間(▼∀▼)

その名の通り赤く染まる赤石岳( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

今日もナイスな富士山

これから向かう荒川中岳。

私が今いる前岳も赤い光に包まれています。今日も今日とて極上のゴールデンタイム。このご褒美があるから早起きもできるのです。

赤みがなくなりました。楽しい時間はあっという間です。

しかしどんな光の当たり方をしても美しい富士山は流石。お前こそ日本一だ。

小河内岳避難小屋が丸見え( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

朝日、堪能しました。そろそろ動くとしましょうか。

5:35 荒川中岳

前岳に続いて荒川三山の二座目、荒川中岳を通過。

そこから5分もせずに荒川中岳避難小屋です。ここで少し休憩。前岳でずっと立ちっぱなしでいたので体が少し冷えてしまいました。早朝の稜線で受ける風は凍えます(^-^;

30分ほど小屋でゆっくりしたら悪沢に向けて再出発です。少しのつもりが大休止になりました。

とうとう目の前までやってきた悪沢岳の姿がこちらです。

カ、カッチョええ~……。

これが南アルプスの悪のカリスマ。登りたい欲がますます高まります。

登山道に落ちていたプーのレジャーシートを見送り、悪沢の急登へ挑みます。中岳から悪沢岳への道は初めは緩い下りですが、鞍部からは岩場の急登になります。

悪沢の登りの途中で振り返って見た赤石岳

周りに高山植物が見えてきたら核心部は終了。悪沢岳山頂への快適な登りが始まります。

7:10 悪沢岳

ということで南アルプスのヒール役『悪沢岳』登頂です!

前述のように前岳・中岳・東岳という荒川三山の内、東岳の異名である悪沢岳。山から続く谷が恐ろしく急峻で、地元の猟師に「悪沢」と呼ばれていたことが名前の由来とも。

標高は3141mと日本第6位の高山です。ちなみに5位は我らが槍ヶ岳( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

岩がゴロゴロと広い山頂は眺めも最高です。これは”善”沢岳でしょう(੭ु *`∀´* )੭ु

ど真ん中に小さく甲斐駒ヶ岳。手前が塩見岳ですね。その後ろに一応仙丈ヶ岳も写っています。北岳間ノ岳は農鳥岳にさえぎられて見えませんね。農鳥がデカすぎる。゚(゚^ω^゚)゚。

次に登る赤石岳もこの通り。悪沢岳は南アルプス主稜線の中央に位置し、さらに東に飛び出した枝尾根であるおかげで南アルプスのほとんどの山を遠望することができる絶好のビュースポットなのです( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

君は南アルプスのどの山からもだいたい見えるね(▼∀▼)

堪能したぜ悪沢岳。ただただカッコよくて展望のいい山でした。ダークヒーローですね。

ではまたこの道を引き返して中岳まで戻りますか(^-^;

8:40 荒川中岳避難小屋

荒川中岳避難小屋を通過。中岳もすぐに越えて

前岳に至る前に分岐です。

今度は赤石岳に向かいますよ。

デカすぎるぜ赤石岳。登るのが楽しみです( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

まあ今日はその手前の荒川小屋でテント泊するんですけどね。赤石岳山頂の超近くに赤石避難小屋があるんですけどそこはテント場がありませんので(^-^;

9:45 荒川小屋

荒川小屋到着。10時前にして行動終了! まあ2時台から動いていますからね。歩いてはいるんです。゚(゚^ω^゚)゚。

テントの受付をして設営が終わったら一日の楽しみコーラタイム! この一杯のために歩いています。もうTシャツ「山が好きコーラが好き」に買えた方がいい。ビールは毎日山で飲むには高すぎるんですよね(^-^;

日が出ている内はソーラーチャージャー展開して太陽光発電。完璧な一日……

と思っていたのですが!

このテント場、虫が多すぎる。゚(゚^ω^゚)゚。

ハエくらいはいつもどこでもいますけど、ここはしゃくとり虫がめちゃくちゃ多い! 地面に物を置いたら瞬く間にしゃくとり虫の大群が這い上がってきます。ハムナプトラでこんなシーンあったな……

もちろんテントもしゃくとり虫だらけですが仕方がありません。ここで寝る以外に手段はありませんからね。他のテント泊者も同じ苦しみを味わっているようですし嫌な気分になっているのは私だけではないと思えば耐えられます。゚(゚^ω^゚)゚。

可能な限り虫を払ってテント内へ。まあすぐ這い上がって来るのでしょうが。これは明日テントを畳むときが大変そうです……。











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