【368~369日目】南アルプス大縦走④ 日本で二番目に高い山と三番目に高い山【北岳・間ノ岳】

2023-9-7

南アルプスの女王『仙丈ヶ岳』の次に登頂したのは『北岳』と『間ノ岳』。この二座はそれぞれ標高の高さにおいて日本第二位と第三位を誇る高峰です。そんな二座が連なって並んでいるという贅沢な縦走路を歩いた日です。ただ翌日は台風による大嵐で北岳肩の小屋での停滞を余儀なくされました。これが何気に山小屋初体験( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

目次

南アルプス大縦走 6日目

5:00 両俣小屋

3時起きの5時出発です。ここから1時間ほど登って野呂川越まで戻り仙塩尾根に復帰しなくては。まだ日も昇り切らぬ朝っぱらから急登スタートとなります。゚(゚^ω^゚)゚。

5:55 野呂川越

50分ほどかけて野呂川越に復帰。キツイのぼりだったのでもう汗だくです。あと薄暗いうちに歩くと結構ピンクテープを見逃しましたね。稜線なんかは雰囲気でルートが分かるんですけど、森になるとピンクテープが発見できないとけっこう手間。しかし今日も長いこと歩くので日の出を待って行動するのはちょっと遅すぎますしね。

そんな今日の目的はこちら!

南アルプス最高峰にして日本第二位の標高を誇る北岳です! とうとうこの山に挑む日が来ました。この山に登るために一旦仙塩尾根から抜けることになります。

もう飽きてきたバカ尾根の仙塩尾根からいったん解放されるのは助かりますね。

ほこから
ほこから

このバカ尾根がよ……!

バカ尾根(バカバカしいほど長ったらしい尾根)は悪口じゃなくて山岳用語だよ(๑•̀ᴗ- )✩

昨日のスッキリしない天気とは一転してこの気持ちよい太陽! 良い北岳が拝めそうでワクワクしますね。

仙丈ヶ岳は今日も顔を隠していて姿を見せてくれませんが(๑-﹏-๑)
この恥ずかしがり屋め。

野呂川越から三峰岳までの登り返しは樹林帯を抜けると急登になります。鎖場もあるので寝ぼけ眼はここで醒ましていきましょう。

まだ9時前ですが北岳方面にガスが湧いてきました。午前中は晴れ確定の夏山気候は完全に終わりましたね。

ただガスはガスで期待をあおる演出。この隠された高峰に今日至るのかと思うとウズウズしますね。

9:10 三峰岳

三峰岳に到着!のはずですが山頂ではないですね。ピークに向かって登ってみますか。

剱岳と同じ標高だ

あったあった標識。正式に三峰岳登頂です。この山に来るまでが長かった……。ちょっと長めの休憩を取ります。

このまま南下して塩見岳に向かうコースが仙塩尾根ですが、私はこの三峰岳から東に折れて北岳を目指します。

北岳方面に目をやるとこのカッチョイイ山ですよ。この北岳の南にそびえ立つ山も日本百名山の一角である間ノ岳です。なんと間ノ岳の標高は3190mという日本第3位の高さ。2位の北岳とお隣同士なんですよね(੭ु *`∀´* )੭ु

今日、そんな2座を一度に歩けるとはなんという贅沢。歩くモチベーションが高まります。

なんかカメラに日が当たったらレンズがめちゃくちゃ曇ってしまいました。中の水気が温まって気化してしまったか。レンズが完全に乾くまで足止めですね。まあ、もともと長めに休憩を取るつもりではありましたからちょうどいいです。

ようやく電波がまともに入るようになったのでここで休憩がてら情報収集といきましょう。一番気になるのが天気。台風13号がどういう動きをしているかですえ。私の登山計画はこのアホ(13号)の動きにかかっているので。

ほこから

これ明日くらうんじゃ?

明日、モロに台風を食らうかもしれません。この青天は嵐の前の静けさだとでもいうのか。もしかしたら夕方からもう風が強まるかもしれません。できるだけ早めに行動終了しておかなくては。

そうとなればテキパキ行動。休憩終了です。あと明日は台風停滞の可能性が高いので今のうちに発電しておきましょう。スマホの充電が無くては1日テントで過ごすことなんて不可能ですからね。退屈すぎて。

まずは間ノ岳を越えていきます。

10:55 間ノ岳

ということで間ノ岳(3190m)登頂!

前述のように間ノ岳は日本第3位の標高を誇る山です。でも日本第3位はふたつあるんですよね。

そう、標高3190mは奥穂高岳と同じなんですよ(੭ु *`∀´* )੭ु

あわせて読みたい
【329日目】北アルプス穂高連峰縦走② この国で最も危険な登山道 日本で最も危険な一般登山道とされる『奥穂高岳~ジャンダルム~西穂高岳』の縦走コース。憧れに憧れた北アルプスのルートです。これまで日本一周の旅に出て多くの縦走をやって来ました。どれも素晴らしい山行でしたが心の中では「ジャンダルム程ではないのかもな」と思う事もあったり。ジャンダルムというのは憧れと同時に呪いでもあるんですよね。その呪いを今日、解くことにしましょう。裏銀座から始まった北アルプス大縦走6日目。その締めは日本最難関の縦走路でキメます(・`_´・)

日本第3位は北と南のアルプスにあるのです( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

三角点にはなぜか八幡平のバッジが置いてありました。なぜ( ´艸`)

あわせて読みたい
【116日目】岩手山・八幡平ロングトレイル①(2022-9-11) いよいよ始まります北海道の大雪山以来の大縦走。あの山域で行った縦走よりも長い距離の登山はもうないだろうと思っていましたが、早速東北でそれに迫る縦走をすることになるとは思いませんでした(^-^; しかしこのように贅沢に時間を使ったロングトレイルは旅をしているからこそ。せっかくの機会、他のしんで登ってこようと思います( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

間ノ岳の南にある山もこれまたカッコいいですね。これは農鳥山といって北岳、間ノ岳と共に白峰三山に数えられる山です。並べられた2つの山に全く見劣りしないこの荘厳な姿。登山欲が刺激されますね。

残念ながら今回の縦走のルートには入っていないんですが、また南アルプスに来る理由になるので今後の楽しみに取っておくことにしましょう。

間ノ岳からはこれまでよりも一際はっきり富士山が見えますね。良い山です。さすが日本一の山。絵面は

松      竹

って感じ( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

北岳、お前はカッコよすぎや。

間ノ岳を堪能したら今日のメインディッシュ北岳へ向かって歩いていきます。

空の上に来たかと思うような雲海。贅沢な縦走です。

北岳は富士山に次ぐ日本第二位の標高ですが、富士山が独立峰なので北岳は日本一高い縦走路、と言い換えることができますね。

人間だ!

仙塩尾根であまり人と会わなかったので人の集団が新鮮に感じます。

お、ライチョウ!

しかも三羽!

サンダーバード三羽。

ガスってもいないのにライチョウにお目にかかれるとは珍しい。

なんだか南アルプスのライチョウはシュッとしていますね。後立山連峰のライチョウはもうボールみたいな丸さだったのに。

あわせて読みたい
【351日目】鹿島槍ヶ岳~五竜岳縦走② 後立山の険路『八峰キレット』 鹿島槍ヶ岳と五竜岳をつなぐ三大キレットのひとつ、八峰キレット。かつては難路が連続する山のエキスパートのみに許されたハードコースだったようですが、現在は梯子や鎖が取り付けられており、ハゲ上がるほど厳しいコースではないようです。といっても後ろ立山連峰きっての難コースであることには変わりはありません。この八峰キレットとそれが繋ぐ百名山、鹿島槍ヶ岳と五竜岳を堪能し尽くす縦走二日目。非常に贅沢な一日でした(੭ु *`∀´* )੭ु

来たから見る間ノ岳は平たくてどっしりしていますね。

北岳にもだいぶ近づいてきました。しかし勾配がきつそうだ……。

12:35 白峰山

白峰山に着いた時はガスの中。いやな感じの風が吹いてきました。嵐は近い、のかも。

13:00 北岳山荘

北岳山荘に到着。ここはテント場もある山小屋です。ここで行動終了……

ではないんですねぇ。ここから北だけを越えた先にも肩の小屋という小屋があるんですよ。そこが今日の宿泊地です。

北岳山荘ではなく北岳を越えた肩の小屋に泊る理由は、肩の小屋の方が北岳の山頂に近いというのが一つ。テント場から20分ほどで山頂に登れるんですよね。天気が良ければテントを張ったあとカメラだけ持って夕景を撮りに行こうともくろんでいるのです。

二つ目の理由が仙塩尾根に戻るときにもう一度北岳のピークを踏めるから。基本的に日の出前に行動するので労せず北岳山頂で日の出が見られるはずです。

今日もうちょっと頑張って行動するには十分な理由です(๑•̀ᴗ- )✩

コーラとアンパンを購入してまた少し休憩。なんだかんだともう8時間動いていますからね。ここで共同終了してもおかしくはない運動量ですが、コーラを飲めばまだ戦える……。

一息ついたら出発です。

北岳山頂(転落注意)ですって。

ほこから

険しすぎない!?

と一瞬ビビりましたがガスに隠れてトラバースするコースが隠れていただけでした(^-^;

それにしても急な登りではあるので転落には注意しましょう。

吊尾根分岐点までくれば山頂はあと30分弱です。

15:00 北岳

そしてとうとう登頂!
これが日本第二位の高さの北岳です!!!

「日本一高い山が富士山。では日本で二番目に高い山は? 分からないよね?」という一等賞の価値を説いたたとえ話で擦られ過ぎてもはや結構知名度のある山。こんなアホなたとえ話には「北岳!」と即答しましょう。奥穂高と間ノ岳が同率3位ということも覚えておいてビビらしたれ!

しかしそれにしても

ほこから

白い!!!。゚(゚^ω^゚)゚。

白峰三山ってそういう意味?

完全にガスに飲まれてしまいましたね。ガスというかうっすら霧雨っぽくもあります。北岳のピークを踏む機会はまたありますからとりあえずは小屋に向かいますか。

お賽銭の多さはさすが北岳。

山頂から肩の小屋までは20分ちょっと。

山頂から近い小屋はありがたいですね。テント場もそんなに混んでないようで助かります。

15:55 北岳 肩の小屋

ということで肩の小屋に到着。さっそくテントの受付をします。一張1500円也。しかしこのテント場、土日祝日は+2000円かかります。一瞬ゾッとしましたが今日は木曜日。ギリギリセーフでした。明日もおそらく台風で停滞ですから今日が金曜日なら休日料金払わないといけないところでしたよ。

【北岳山頂まで50分】肩の小屋 ...
宿泊案内・予約状況・売店・食堂 重要なお知らせ 宿泊予約について 1日の宿泊予約数を80名とさせていただきます。必ず電話にて予約してください。…

ただ一応テントの受付時に明日の小屋の空きも聞いておきますか。もしテントが吹っ飛ぶほどの風なら小屋に泊らないといけませんからね。ここはお金を節約するところではありませんから。

受付が終わったらテント設営。もうだいぶ怪しい風が吹いています。もしかしたら綺麗な夕焼けが見られるかも、などとのんきなことを言っている場合では無さそうです。゚(゚^ω^゚)゚。

結局ガスは晴れず、風も強くなるばかりなので夕景の撮影は断念。食事を済ませたら就寝です。さてさてこれからどうなる事やら……。

南アルプス大縦走 7日目

半端じゃない嵐

ドえらい風が吹いております。昨日の夜中からこんな風が吹いているのでうるさくてあまり寝られませんでした。これで台風上陸前だというんですから困ったものですね。

困ったものです。とりあえず停滞は確定。

こんな嵐の中でもトイレや水汲みのために外には出ないといけません。何度か外出しましたがその度にテントの数が減っていっていて寂しいです。昨日はトータルで5張りくらいあったんですけどね。皆さんテントを畳んで小屋に避難している模様。

私はどうしましょうかねぇ。風が強いことは強いのですが一晩耐えていますしね。山岳テントの耐久性を信頼するのであればこの嵐を越えることは不可能では無さそう……。

撤収しない一番の理由はこの風の中、テントを片付けるのが嫌すぎるというのがダントツですが。゚(゚^ω^゚)゚。

もしかしたら風が弱まるかもと思い、お団子を作って食べたり、ダウンロードした映画を見たりして時間を潰しましたが一向に風が弱まる気配は無し。チィ……!超面倒ですが小屋に逃げ込むしかなさそうです。

最悪、テントが壊れてから避難するという手もありますがそれは最悪すぎる。命が助かっても南アルプス縦走というチャレンジは確実にリタイアです。そうなるととても悔しいのでお金でケアできるならしておきましょうか。多分壊れないと思うんですけどねぇ(希望的観測)。

プロモンテは伊達じゃない。

私の語彙では言い表せないほど撤収が面倒ですがやるしかありません。爆風の中作業を進めます。本当に面倒。゚(゚^ω^゚)゚。

私の語彙では言い表せないほど面倒な嵐の中の撤収を終えて肩の小屋に避難。素泊まり一泊8000円です。お高い宿泊となりましたが台風の中、山小屋で過ごすのも悪くないかな……

と最初は思っていたのですが、なぜか小屋がすごいお客さんで溢れていてテンションが爆下がり。嵐の中なら人もいないだろうと予想していたのですが、なんと今日北岳にこの天気のなか登ってきたツアー団体の方がいて大盛況。

ほこから
ほこから

スゲェなオイ

褒めていません。

ツアーガイドもタフすぎますね。台風の中、年配の方引き連れて北岳登るなんてどれだけのプレッシャーがあるか。入金された以上キャンセルって手段はとりにくいんだろうなぁ、とガイドの大変さを勝手に想像して目を細めました。

まあ人が多かろうと自分の寝床につけばあまり関係はありません。音楽を聴きながらダラダラするとしましょう。

実は何気にこれが山小屋初体験です。避難小屋は何度か泊まったことがありますが、こういう有人の山小屋に泊まるのは初めてです。まさか初めての山小屋が北岳になるとは。

この天気の中、また人の多い中、水汲んだり自炊室行き来したりして食事を用意するのはとても億劫だったのでカレーを注文して夕食としました。とにかく人が多くて落ち着きませんね。ササっと食べて寝床に戻りました。日が沈む前に就寝。

初めての山小屋体験はなんだか落ち着きませんでしたね。肩の小屋自体は綺麗で良かったです。











ここまで読んでくださってありがとうございます。
よろしければ以下のバナーをクリックしていただけると大変励みになります。

にほんブログ村 旅行ブログ 日本一周(自転車)へ

↑日本一周バナー 

PVアクセスランキング にほんブログ村
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次