【255日目】強烈な禁足『オソロシドコロ』

2023-5-17

対馬3日目は龍良山(たてらさん)へ登ってきました。しかし目的は登山ではなく龍良山中にある『オソロシドコロ』と呼ばれる禁足地。かつては「入ったら命を落とす」「そこにある石塔を見る事すら許されない」など厳格な禁足が敷かれた地について書いていきます。

目次

対馬編最終日

厳原港近くの公園からおはようございます。本日は対馬最終日。15:25のフェリーで今度は壱岐島へ渡ります。

が、それまでのほほんと過ごす訳ではありません。船が出るまでの間に一山登ってくるつもりです。向かうは龍良山という山ですが登山が目的ではありません。

今回は禁足地回。龍良山中にあるオソロシドコロという禁足地を覗いてまいります(・`_´・)
以前からとても興味を持っていたオソロシドコロ。今日が対馬編の最終日にして本番です。

本日も快晴。対馬ではずっと天候に恵まれましたね( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

こういう坂の洗礼も三日目となれば慣れたもの。サクサク行きましょう。

慣れたものというのは嘘です。坂は何度登っても腹立たしい。対馬最終日にどれだけ登らせるんですか。゚(゚^ω^゚)゚。

自転車で登山口に向かうとなあると登坂の苦しみはつきものですが、べつに山に登らないのでも対馬は坂だらけでしたね。

龍良山麓自然公園センター。ここの近くに龍良山への登山口があります。

センターの隣にあるツシマヤマネコ野生順化ステーションのすぐそばが

龍良山への入り口です。厳密には登山口はもう少し先なのですが、ここから先は徒歩以外のアクセスは厳しいです。

道はこんな感じ。

龍良山登山(オソロシドコロ)

9:55 龍良山登山口

こちらが龍良山登山口。先ほどの入り口から歩いて5分ほどです。

龍良山は至る所に巨木が点在する天然広葉樹林で、照葉樹の自然林としては国内最大級。

そんな森の中に目的のオソロシドコロは存在します。正確に言うならば裏八丁郭。裏というならば当然表もあるわけで、龍良山の南側には八丁郭が存在します。

これらは対馬の天道信仰にまつわるものです。

673年に対馬南部の豆酘郡内院村にて超能力者が誕生しました。その名も天童法師

天童法師の母親は高貴な身分の女性で、太陽に感精して子どもを産みます。感精、つまり太陽の光を受けることによって妊娠したという事です。太陽とはすなわちお天道様であり、天道=天童という事ですね。天童法師はその法力で空を飛ぶことができ、元正天皇の病を治すために都に向かったことがあるという伝説も。

暖地性照葉樹林を代表する樹種のひとつスダジイ

数々の神秘を現した母子は信仰の対象となり、八丁郭には天童法師裏八丁郭にはその母が祀られています。この二つは強くタブー視されて禁足地としてオソロシドコロと呼ばれるようになりました。

私が訪れるのは天童法師の母親が祀られた裏八丁郭。かつては「見るな」「入るな」の厳しい禁足が敷かれたオソロシドコロですが、現在はその禁足も緩み一般人でも訪れることができます。

といっても裏八丁郭は龍良山の登山道から若干離れるので油断はできません。登山アプリのGPSを活用して遭難しないよう注意を払います。

ただでさえ龍良山は人通りの多い山ではないので、登山道であっても時々道を見失います。今日、龍良山に入っているのも私一人のようですし。その分湯泊歩道と同じようにこれでもかというくらいピンクテープが巻かれていて笑ってしまいましたが。絶対遭難させないという意思を感じます( •̀ᴗ•́  )

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あたりを見渡しながら歩いていると「それ」は視界に入ってきました。

見つけた瞬間の

ゾクッ

とした感覚。嫌な汗をかきますね(。◔‸◔。)

登山道から外れて赤い鳥居に向かって行きます。この山は明るいのに暗い。明暗のコントラストが強すぎます。

10:15 オソロシドコロ(裏八丁郭)

という事で裏八丁郭へとたどり着きました。これが対馬の禁足地ですか。今は禁が緩んだとはいえ醸し出す雰囲気には厳かなものを感じてしまいます。

禁足地としての徹底はかつてはすさまじかったようで、そもそも不浄のものは原生林に入る事すらできません。もしも八丁郭を目にしてしまおうものなら履いていたものを頭に乗せて「インノコ、インノコ」と唱えて後ずさりしなければ命が無いとされていました。インノコとは犬の子、もしくは猪の子を意味すると考えられています。つまり「私は人間ではないので祟らないでください」という目くらましですね。

八丁郭そのものだけでなく、ここの原生林の近くを船で通る場合であっても乗組員はうつぶせになって通過しなければいけなかったこともあったとか。

そんな聖域に入って、この裏八丁郭を目にし、「時間が余るのでこのあとは山頂までいってみますか」なんて思っている自分がいるのがとても不思議に感じてしまいます。

禁足は緩みました。今や入ってはならない人など存在しません。タブーは薄れていくものなのですね。伝説は分析されて、畏怖はスリルに変換されます。かつての絶対禁足地も「入ってはいけないという風習」のみでは人の進入は防げませんでした。

ならば法で規制されていなければどんな場所でも暴いても良いのかと言えばそうではないでしょう。逆に、聖地で私的な儀式を行うようなアンポンタンによって絶対禁足地となったフボー御嶽のようなパターンもあります。

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伝説や風習はそれ自体が財産となる物語。禁足地には畏れとリスペクトをもって接することで、このような素晴らしい物語を後の世にも残すことができるのではないかと考えさせられました。

という事でここからはスイッチを切り替えて登山に集中しましょう。裏八丁郭自体は登山口から10分ほどでたどり着ける麓のスポット。一方で龍良山は山頂まで行くとなるとコースタイムは片道2時間弱。結構な運動になります。

今日はフェリーに乗って対馬を出ないといけませんからね。時間に余裕はありますがあまり道草は食わず登っていきましょう。

登り続けて思いましたが頂上に近づくにつれてピンクテープが古く、また見つけづらいですね。比較的狭い道が頂上に続いているので遭難するようなことは考えづらいですが、全員が同じルートを辿れないので道が柔らかくて足を取られやすいです。あと蜘蛛の巣がめちゃくちゃ多い! 単純に龍良山山頂までめざす人が少ないのかもしれません。まあ龍良山に入ろうなんて言う人はみんなオソロシドコロ目当てでしょうしね(偏見)。゚(゚^ω^゚)゚。

11:30 龍良山山頂

龍良山登頂! まず思ったのは

ほこから

ここが!?

です。

展望はほぼないですね。ただ虫が舞っているだけです。

せっかく登頂したので自撮りはしておきますか。本当に人来ないんだろうな……と思える標識の売り切れ具合よ。

賽銭なんか寛永通宝ですからね。岩木山以来ですよ寛永通宝みたの(꒪꒳꒪;)

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本物かどうか定かではありませんけどね(。◔‸◔。)

山頂手前の岩場の方が景色が良いですね。

周りの植物に少し遮られますが結構見通せます。

12:30 龍良山登山口

1時間かけて下山! 大変有意義なオソロシドコロ訪問でした。ただ龍良山は登山としては正直イマイチでしたね。頂上に近づくにつれて歩きにくくなり、ピークを獲ってもあの山頂。ちょっとした修行でしたね。オソロシドコロのある原生林は大変すばらしいエリアなのでそこらへんをハイキングするのはとても楽しいと思います。スダジイの巨木は本当に見事ですよ( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

では自転車を回収して厳原港へ戻りますか。

ここで気づくレンズフードの紛失!マジかー!
北海道以来の紛失です。゚(゚^ω^゚)゚。

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厳原港へ戻るのにも登坂

龍良山へ行くのには登りもしましたが下りもしたので、厳原港へ戻るのにも登坂はあります。最後まで楽させてくれないのが対馬です(꒪꒳꒪;)

大汗かきながら峠のピークへ。ここからはずっと下り! ですが交通量多いのでセーブしながら。速度が出ると制御できないので下りですら抑えなくてはいけないのが積載チャリの辛いところです。ロードバイクでかっ飛ばすやつを旅が終わったらやってみたいですね。

アイス休憩を取りながら港へ。セブンティーンアイスは夏の頼れる味方です。2個食べてしまいました( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

壱岐島へ渡ります

14:10厳原港到着。
出航一時間以上前の到着という余裕を持ったスケジュール。完璧です。

チケットも購入できましたし後はブログでも書いておきますか。

滞在期間3日とは思えないくらい濃密な思い出に溢れていますね対馬。毎日フルパワーで行動していましたから当然と言えば当然ですが。まったく休む暇も与えてくれない厳しい島でした。今度はバイクで来たいです。

ただその3日はどれも素晴らしい日でした!ありがとう対馬!また訪れる日まで( •̀ᴗ•́  )

よし、じゃ相棒もここで休んでいてくれ。

壱岐島には2時間ちょっとで着いてしまうのであまりゆっくりできませんがやれることはやっておきましょう。

まずは充電。よく3日間もってくれましたバッテリー類!チェーン店のない地域は充電に困りますね。゚(゚^ω^゚)゚。

壱岐島編開始!

17:35壱岐島上陸! 全く慌ただしい日ですよ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

壱岐島初日は大した行動はできませんね。フェリーターミナルももう閉まるので滞在する意味もありませんし。

まずはデカいスーパーまで移動してイートインで食事を済ませましょう。

かなりお腹減っていたのでガッツリ食べていたらもう真っ暗です。近くに運動公園があるのでそこで野宿します。明日は雨の予報ですから休息日にしましょう( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )











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