中岳・木曽駒ヶ岳(西駒ヶ岳)・宝剣岳 / fawtさんの中岳(長野県上伊那郡宮田村)・宝剣岳・木曽駒ヶ岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
百名山の一角、中央アルプスは木曽駒ケ岳に泊まりで行って参りました。実は中央アルプスに登りに行くのは今回が初めて。木曽駒ケ岳か空木岳かこの二択で迷っていたのですが、初めてだしロープウェイ利用して楽々登れる木曽駒ケ岳にしようということで今回の山行に。
なかなかプランニングの難しい山ですね中央アルプスは。ロープウェイ利用して木曽駒ケ岳に行くのであれば日帰り余裕の登山ですし、空木まで縦走するのであれば私の体力的には二泊欲しい…… 一泊二日で行くのは帯に短し襷に長しのどっちつかずな計画のようにも感じましたが、もう雪が降って山が眠るまでの間はできるだけ山の中にいたい! と思いテントを担いでの決行となりました( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
終電で中央アルプスへ向かう
毎週のごとく終業後即電車に飛び乗っての前泊スタイル。私の最寄駅からだと駒ヶ根ロープウェイに到着するのは始発を利用しても昼過ぎ。木曽駒ケ岳に登るだけならば午後からでも余裕の登山ですが、どうせ登るのなら日のある時間を長くとってゆったり過ごしたいですよね。
終電の孤独感、嫌いじゃありません。自分一人しかいない電車、ちょっといいですよね。
今日は木ノ下駅まで行って近くの漫画喫茶で夜を明かす予定です。木ノ下まで行けば電車一本約30分で、駒ヶ岳ロープウェイまでのバスが出ている駒ヶ根駅までアクセスできますからね。始発で向かえば6時のバスには乗れます。
自分の恥を喧伝する趣味はないのですが自戒の意を込めて記録させていただきます。辰野駅で終電を逃しました( ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )
2021年8月の大雨で被災して飯田線伊那新町駅~辰野駅間が止まっていたんですよね。私が辰野駅に着いた時にはもう代行バスの終電が終わっていまして。
飯田線の運転計画及び代行バスの運行について[10月15日15:00時点]
辰野駅周辺は本当に何もなくて、あ~あやっちゃったという感じです。あまり褒められた事ではないですが待合室で夜を越させてもらうことに。電車一本早ければ代行バスの終電には間に合いましたし余裕のないギリギリの行動時間はこういうハプニングに遭遇した時に詰んでしまいますね。
駒ヶ根駅から 駒ヶ岳ロープウェイへのバスへ
翌朝8:05
駒ヶ根駅到着です。辰野駅から約1時間半かかりました…… 日が完全に登っています。前泊の恩恵をあまり感じることのできない時間になってしまいました。大雨での被災がなければ…… 天災は本当に困ります。自然に文句を言っても仕方がないのですが。
駒ヶ根から駒ヶ岳ロープウェイまでのバスは30分間隔で出ています。コンビニで朝食摂りたかったので9:00のバスに乗ることに。
目の前にはこれから登る木曽山脈。天気には恵まれたようで今からワクワクが止まりません( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
駒ヶ岳ロープウェイの起点しらび平駅までやってきました。ここからロープウェイで千畳敷駅まで上がります。その高低差はなんと950m。
10:10
千畳敷駅に到着です。しらび平駅からかかった時間は約7分30秒。1km近い標高をそれだけの時間で稼ぐのですから文明の利器はすごいです。
しかしこの「日本最高所駅」のうたい文句は室堂駅でも聞いた気がしますね。果たしてどちらが最強なのか。
鉄道駅としては室堂駅(2,450m)が日本最高所ですが、ロープウェイも含めると千畳敷駅(2,611.5m)が最高所になるということのようです。
千畳敷駅到着
千畳敷駅を出た瞬間にこの絶景!
完全に紅葉の見ごろ。宝剣岳が超カッコいいです。
『山粧う』とは秋の季語でしたか。紅葉をまとった山々はまさに粧うという表現がぴったりの美しさですね。
10:50
30分ほど歩いただけでこんな景色に囲まれます。まだ大して登山らしいことはやっていないのですがもう満足感たっぷりです。こんな素晴らしいカール地にロープウェイを使ってちょちょいと来れるのですから人気の山になるのも分かります。カール地とは氷河が山を削り取ってできたその名の通りお椀のようにカールした地形のことを指す名称。視界を覆うような迫力ある山の景色はカール地ならではですね。
なだらかに湾曲した山肌に萌える草木がたまりません。なだらかなのは序盤だけですが……
お椀の様な地形をしているわけですからそのフチの傾斜がかなりキツいのは必然。
千畳敷カールを乗り越えるまでの時間は1時間弱といったところですが、後半の30分ほどは中々に運動強度の高いのぼりだと思います。
11:40
さあ千畳敷カールを乗り越えてその名も乗越浄土。息も絶え絶えにカールを登りきったらそこは浄土だったと…… 名前の由来は分かりませんが今の自分の状態にぴったりな名前だなと笑っていました。
実際は道も広くて危険はないのですがこうして写真で見ると千畳敷カール側に吸い込まれそうな傾斜。ちょっと恐ろしいですね。
乗越浄土からは宝剣山荘が見えています。ここから北に行けば木曽駒ケ岳。南に向かえば宝剣岳に行けます。
まずは木曽駒ケ岳方面へ。本日の幕営地は木曽駒ケ岳直下にある駒ヶ岳頂上山荘なので、テントを張ってデポすれば往復で宝剣岳に行っても十分余裕があるでしょう。
この視界を遮るものが何もない空中散歩よ。稜線歩きはやはり登山の醍醐味ですね。
乗越浄土から木曽駒ケ岳へ向かう途中に中岳 (2,925m)があります。
中岳を下って頂上山荘に向かう頃にかなりガスってきました。ガスで見にくいですがもう幕営地は見えていますね。ちょこちょことテントが張られているのが確認できます。
頂上山荘の幕営地へ
12:00
頂上山荘に到着です。
受付を済ましてささっとテントを張りましょう。幕営料1200円也。
2時間も行動していないのですが、昼時に一息つくとやはりお腹が減りますね。昼食を摂りたいと思います。山の御馳走カップヌードル。コーラもつければ完璧!
カレーメシも持ってきました。今回省スペース化のため試験的にジップロックに移してみましたが全く不便ないですね。今後はインスタント系の食品もできるだけジップロックに移すようにしましょうか。
13:30
穏やかな時間ですねえ。ただただ微睡んでいるだけで楽しいのは山やキャンプの良いところだと思います。このまま昼寝しても良いのですが、まだ木曽駒ケ岳にも行っていませんし、そのあとは宝剣岳に行く予定。行動再開します。
動くとガスる(被害妄想)
木曽駒ケ岳(2956m)
14:20
木曽駒ケ岳(2956m)登頂!
頂上山荘から木曽駒ケ岳までは15分ほどの道のり。良い立地の山荘ですよね。
ここから駒ヶ岳や濃ヶ池に分岐するようですが今回はここまでにしておきます。今日は宝剣岳に行ってみたいので。
ガスっていても動物なんか撮れると最高に楽しいのですけどね。私が捉えられるのはドローンだけ……
しばらく待っていてもガスが晴れないのでとりあえず宝剣岳に向かうことにします。また日暮れ時に来てみましょう。
15:20
頂上山荘まで下り、中岳通って、乗越浄土の分岐まで戻ってきました。ここから宝剣岳へ向かっていきます。
宝剣岳の切れ落ちた山肌を彩る紅葉が恐ろしくも美しいですねぇ。
途中で道を見失ってしまいました。GPS上でも正しい位置にいるはずなのにどこに進めばいいかわからない状態に。高いところに登ってあたりを見渡してみるかとこの岩を登ってみると……
道ありました( ᐢ ᵕ ᐢ )
下から見上げると岩に隠れてただのハイマツ帯にしか見えなかったです。ちょっとアタフタした昼下がりのワンシーンでした。
そんなことをやっている内に宝剣岳の鎖場登場。ハイキング気分は吹き飛びます。中岳、木曽駒ケ岳となだらかな登山道が続いてきましたが、そこは急峻な宝剣岳。易々とは登らせないという覇気があります。
剱岳の5番鎖場を思い出しました。宝剣岳はちょっと厳しい山ですね。気を引き締めて参りましょう。宝剣岳は極楽平側がより危ないようですけどね。今回は乗越浄土からのピストンで登るのでそちら側は体験できませんが次は挑戦してみたいです。空木岳との縦走も交えてできれば最高ですね( ˶´⚰︎`˵ )
宝剣岳(2931m)
15:40
宝剣岳(2931m)登頂!
この岩は撮影スポットとなっているのか結構登っている方が多かったです。私も登ってみましたが高所恐怖症の方は登らぬが吉。私も視界から下半身を消すと一気にバランスを失うという気付きを得ることができました(他の山に視線を写した瞬間ふらついてかがみ込みました。怖……)
相変わらずガスまみれの状態でしたが、たまに雲から切れた光が漏れてくると素晴らしい景色を見せてくれました。陽射しがちょうど谷を照らして何とも幻想的じゃありませんか。
16:40
名残惜しいですが宝剣岳を下ります。日もだいぶ傾いてきたので今度は夕焼けを木曽駒ケ岳山頂から拝みたいと思います。乗越浄土はもう今日だけで三回行き来していますね…… こんなにあっちこっち動く山行は初めてです。
きれいな青空。ガスもだいぶ晴れましたね。夕焼けに期待が持てます。
木曽駒ケ岳ふたたび
中岳の上り下りは地味に負担です……
17:30
木曽駒ケ岳再訪。三脚セットしてあとは日暮れを待ちます。いやしかし寒い!
チョコを肴にココアを啜ります。ココアにチョコを溶かしたら美味しいかな?と思って試しましたが、チョコとココアは別々に楽しんだ方が良いという結果を得られましたのでここに報告させていただきます。
日暮れ前のブルーアワー。
湧きだすガス。
不穏な予感。
うねるように山に絡みつく雲はこれはこれで大変趣深いのですが……!
日没前は晴れていただけませんか……!
夕焼けチャレンジは失敗です。
苦し紛れに取った日没直後の宝剣岳をどうぞ。カッコいい。
一番星みつけた(画面左上端です)
夕焼けは見られませんでしたがせっかく木曽駒ケ岳で待機していたのでテントに明かりが灯るのを待ってみました。いい幕営地だ……
就寝
20:00
夕食をササっと済ませて就寝。とても寒いのでナルゲンにちょっと熱いくらいの湯を注いで湯たんぽにして足元へ仕込みます。初めて試しましたが暖かいですね。いや暑い……? 気持ちよく寝られそうです。
湯たんぽ側の足は暖かいのですがシュラフ側は寒かったですね。シュラフの保温性能が足りないのでしょうか……? モンベルの#2を使っているので性能不足とは感じないのですが。次はカイロを試してみようと思います。
二日目、雨
6:00
新しい朝が来ました。1時間ほどかけて朝食を摂っていたら7時あたりから雨が。しばらく待っていても一向に雨脚が弱まらないので苦渋の雨天テント撤収。泥だらけのテントはあとの清掃を思うと気が重くなりますよね……
まあまだ木曽駒ケ岳でよかったとも言えます。縦走の中日で濡れたテントを広げることを思うと今回の日じゃないくらいゲンナリしてしまいますものね(๑-﹏-๑)
8:00
下山開始です。カメラは出せないのでかろうじてiPhoneで撮っている状態です。
千畳敷駅がめちゃくちゃ遠く感じます
9:15 下山
天気のせいで余裕のない下山になってしまいました。
せっかく山に来たのに下山時に一眼で撮った写真が何もないのもなあ、と思い簡易のレインカバーをビニール袋で作りました。レインカバーはしっかりしたものを持っているのですが、今回は見通しが甘く「なくても平気だろ」と自宅に置いてきてしまいました( ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )
濡れた紅葉のシックな色合いもシブくてカッコいいですよねぇ……
帰宅帰宅。飯田線が一部止まっていることで今回の山行はかなり移動に苦労しましたね。中央アルプスがとても遠いところに感じてしまいました。
振り返り
今回の山行が初の中央アルプス。木曽駒ケ岳を第一の目標に登山へ来ましたが、千畳敷カールの紅葉に、スリル満点の宝剣岳と+αでいろいろ楽しむことのできた登山でした。冬の千畳敷も美しそうですし、宝剣岳を越えて空木岳まで足を伸ばすのも楽しそうです。また計画を立てて遊びに来たいなと思える山でした( ᐢ ᵕ ᐢ )
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