【375日目】南アルプス大縦走⑨ これまでの軌跡が広がる大パノラマ『聖岳』

2023-9-14

聖岳は南アルプス最南端の3000m峰。日本百名山を選定した深田久弥氏はこの山に登るのに4日かかったとか。今でも椹島からコースタイム20時間ほどの遠い山。そんな山に最高の天気、時間帯に登れてもう最高としか言いようがありません。

目次

南アルプス大縦走 13日目

3:15 兎岳避難小屋

小屋内になぜか中盛丸山の標識

兎岳避難小屋にて深夜1時に起床。小屋のドアが閉まらないボロボロの小屋なので隙間風が少し寒かったですね。起きてすぐにアツアツの雑炊を作ってかき込みました(。◔‸◔。)

3時過ぎには小屋から出て行動開始。山では屋根のある建物というだけでもありがたいですがこの小屋は雰囲気あり過ぎてちょっと慄きましたね。こうして深夜に見ると完全にホラー。

またこの瓦礫で封じられた開かずの扉が怖いんですよね。何が入っているのやら……。゚(゚^ω^゚)゚。

兎岳避難小屋を後にして夜の登山道を往きます。今日のモルゲンロートは南アルプスの百名山『聖岳』にて迎える予定です。兎岳避難小屋から2時間弱で登頂できる予定なので山頂から日の出を拝めるはず。

暗いうちは見るものも無いので写真もほとんど撮っていません。5時過ぎになるとこれくらい明るくなってくるのでようやく一眼の出番です。

聖岳の山頂はもう見えています。何人かもう人がいますね。

この夜明け前の景色、ワクワクしてくるので大好きです。今日も天気が良くてお天道様に感謝。

5:10 聖岳

聖岳登頂! 聖なる山とはあまりにも光属性すぎる名前。悪沢岳で悪に染まった心が浄化されるわい……。

まだ日は昇っていません。いいタイミングでの登頂です( •̀ᴗ•́  )

このまま聖岳で日の出を待っても良いのですがせっかくですからここから北東に20分ほど歩いたところにあるピーク奥聖岳に行きましょうか。三角点はここにあります。

奥聖に向かっている間にご来光となりそうですね。この太陽が顔を出す瞬間が一番好き( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

新しい朝や……!

私も山も全てがこの赤い光に包まれる瞬間、至福の時。

お天道様と富士山の取り合わせはいつ見ても最強。富士山はこの縦走中、美しくない時が無いですね。さすがは日本一の山。この山を眺めながら山歩きができるというだけで南アルプスを歩く価値があります。

太陽光線!

振り返ればこの真っ赤な聖岳ですよ(੭ु *`∀´* )੭ु

今日の進行方向に目をやると上河内岳(多分)。

赤石めちゃくちゃ美しいですね!!!

この縦走中のベスト赤石でしょうこれ。聖岳からはこういう風に見えるんですね。見る方向で全く印象が変わる赤石岳ですが、どこから見ても南アの盟主たる威厳はたっぷり。本当にいい山です。

とんがり頭が特徴的な中盛丸山やのっぺらとした小兎岳。

君が美しいのはもう知ってる。

5:30 奥聖岳

もう何もかもが完璧!。゚(゚^ω^゚)゚。

言葉が出ないとはこのことです。なんて素晴らしい景色を見せてくれたんや……。奥聖岳まで足を運んで本当に良かったと思える景色を拝むことができました。

奥聖岳の三角点をチェックしたら

ド迫力の赤石岳

マジックアワーはおしまいです。朝日の魔法が溶けるのは本当に早い。だからこそ価値のある刻なのですけどね。

奥聖岳からの展望を楽しんだら聖岳に戻ります。

聖岳に戻ったら標識とのツーショット。日の出前は余裕がなかったのでほぼ立ち止まらずに奥聖に向かいましたからね。余裕のある今のうちに自撮りは済ませておきましょう。

遠く中央アルプス、さらに後ろには御嶽山まで見える最高のパノラマ。つくづく贅沢な道を歩いているなと実感させられます。長いこと山に入っていると感覚がマヒしてきますがこんな絶景当たり前の事ではありませんからね( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

なんかライチョウ[飛行特化形態]みたいな鳥がいますね。この斑点はホシガラスでしょう。白い斑点が星空に見えたことが名前の由来らしいです。𝓻𝓸𝓶𝓪𝓷𝓽𝓲𝓬……。

聖岳の影

聖岳からの景色も十分に楽しんだのでそろそろ移動しますか。聖岳・奥聖岳はあまりにも良いところだったので名残惜しいですが。

次に向かうのは、なんと、とうとう南アルプスの百名山ラスト一座である光岳です。ようやくこの長い縦走にもゴールが見えてきました。

今日中には光岳には着けないので茶臼岳のテント場で一泊します。

まずは砂地の滑りやすい急坂を下り、崩壊地の縁を通過して小聖岳へ。

7:05 小聖岳

小聖岳に到着。背後に聖岳がドンとそびえ立つ大迫力の景色が楽しめるピークですがーー

標識があまりにもボロボロで笑ってしまいますね。゚(゚^ω^゚)゚。

小聖岳を下ったら聖平小屋を目指します。そこで大休止。あとこの先、茶臼小屋まで水場が無いので聖平小屋で水の補給もしないといけません。

小屋への分岐の標識が見えたら5分もせずに小屋に着きます。

8:00 聖平小屋

聖平小屋 到着。

聖平小屋は水がとても豊富。

南アルプスの天然水が蛇口から出てきます。このガチ天然水を飲めるのもあと少しですね。コンビニで買えますがそれはガチじゃないので(・`_´・)

休憩がてら昼飯にしますか。まだ8時ですけどね(食料はあるのですがガスの残量が心配なので給油した状態のインスタント食品を小屋で買っています)

栄養補給して給水も済ませたら聖平小屋を出発。

docomoつながりました( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

今日の宿泊地である茶臼小屋に着く前に二百名山の上河内岳に登りたいと思います。上河内岳は日本百名山である聖岳と光岳の中間に位置しており、そちらと比べると影が薄くなってしまうのですが実はその二山の絶好の展望地。

……だと北岳山荘のお兄さんに教えてもらっていたのでひそかに登るのが楽しみな山でした。

しかしこのガスよ。さっきまでいい天気だったのに。゚(゚^ω^゚)゚。

10:20 南岳

南岳に到着した時にはガスどころかなんなら少し雨も降っていました。

遠目には日の光が届いているポイントもあるんですけどね。しばらく様子を見ますか。

天気が回復しないまま上河内岳への分岐に来ました。上高地だけはコースから外れて往復30分ほどのピストンで登る山なのでスルーしても良いのですが……

ここまできたら登らない方が悔いになるでしょう! たとえ景色が真っ白だろうとね。゚(゚^ω^゚)゚。

11:00 上河内岳

という事で上河内岳登頂です。奇跡は起きませんでしたか……。

撮れ高としては聖岳で十分なのでこれ以上を望むのは贅沢という事かもしれません(๑-﹏-๑)

上河内岳で敗退したら予定通り茶臼小屋を目指して歩いていきます。花は無いですが地図上でお花畑と記された窪地を抜けると

岩礫とハイマツが広がるゆったりとした尾根を歩いていきます。地形は特に険しくも無いのですが風がめちゃくちゃ強い……!

正面から風を受けると呼吸も難しいくらいです。朝の快晴から変な天気になりましたねぇ。

爆風に吹かれながらようやく茶臼小屋への分岐に着きました。ここからは谷筋を下って行くので風も多少弱まる事でしょう。

予想通り風が弱まり楽になりました。分岐から10分ほど下ると

12:20 茶臼小屋

現在改装中の茶臼小屋に到着です。

ここも水が豊富で飲み水に困ることはありませんね。ガスを節約しているので水があってもお茶など贅沢することができないのが悲しいですが。

テントの受付をして設営が終わったら小屋で夕食を購入。小屋でインスタント類を購入するとポットのお湯を使わせてもらえたのでそのまま食堂で食べちゃいます。ジップロックに入った謎の粉は完走マッシュポテト。ラーメンやうどんのスープで戻すと味付きのマッシュポテトになって最高です( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

水とガスをアホ程使う米粉はやめてその分このマッシュポテトを次回は持って行こうと誓った今回の縦走です。この経験が活かされるような長期縦走がまたあるかは疑問ですが。

食事が終わったらまた16時ごろに就寝。明日、本気を出したらゴールできるかもしれません。











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