2023-7-26
サブタイの通りです。裏銀座2日目は赤牛岳にスケジュールを壊されました。行動時間は脅威の14時間。一体なぜこんなことに……。゚(゚^ω^゚)゚。
裏銀座縦走二日目
5:30 烏帽子小屋テント場
裏銀座縦走二日目です。昨日は高瀬ダムから烏帽子小屋まで上がってきたのでした。次のテント場である三俣山荘まではここから8時間以上かかるという事で午前中にして烏帽子小屋のテント場に幕営したのでしたね。
昨日の行程が短めだった分、今日の行程は長くなります。途中登ろうと思っている水晶岳が微妙にルートから外れているのでピストンして登るのに1時間は使いそうですからね。実際の行動時間は10時間行くか行かないかという所ですか。まあ奥駈よりは軽くで済みます。
避難小屋が充実している奥駈と違って今回の縦走は全行程でテント泊なのでその設営撤収に時間を取られるのがネックではありますけどね。久々の山でのテント撤収だったので少し時間を食ってしまいました。テントの撤収は本当に面倒です。下界でも面倒。゚(゚^ω^゚)゚。
しかしこの景色を見ればネガティブな気持ちも吹っ飛ぶというものです。ようやく歩ける憧れの北アルプスの稜線。天気も良さそうですし楽しみでしかありません( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
烏帽子小屋を後に先に進みます。
チラッと見えた烏帽子岳にもサヨナラ。本当にカッコいい山でした( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
まず向かうは野口五郎小屋。
キャッキャッと思わず笑い声が漏れてしまうような素晴らしい景色。こういう稜線歩きがしたくて山を巡る旅をしていたんだなと再認識しました。やはり山は縦走に限ります( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
そして左手に見えるはーー
裏銀座の終着点『槍ヶ岳』!
なんて立派な山容ですか。この山に憧れて憧れて。゚(゚^ω^゚)゚。
ゴールの頂を眺めながら縦走できるのがこの裏銀座の醍醐味ですね。眼福過ぎる。
絶景に癒され疲れを感じる間もなく野口五郎岳を視界に収めるまで歩いてきました。ここまでくれば小屋もすぐそこです。
7:50 野口五郎小屋
野口五郎小屋で小休止。重石がこれでもかという程屋根に乗っています。現在は閉鎖されましたがかつてはここにもテント場があったようです。ただここらは風が強すぎてテントは中に人がいても吹っ飛ばされることもあるとか。そりゃ閉鎖されますね。゚(゚^ω^゚)゚。
一息ついたら野口五郎岳へ向かいます。小屋からは徒歩15分ほどです。
野口とはこの山が属する長野県大町市の野口集落に由来し、五郎はゴーロの当て字です。ゴーロとは画像のように大きな石が転がっている場所の事です。何違わぬゴロゴロ具合のゴーロ地帯。足をくじかないように注意して進みましょう。
水晶の文字も出てきましたね。
というか後ろの君が水晶かね!
遠くない!?。゚(゚^ω^゚)゚。
さすがは北アルプスの奥地に潜む百名山。簡単にはたどり着かせてくれません。
8:20 野口五郎岳
野口五郎岳到着!
野口五郎というと新御三家の一人である野口五郎を思い浮かべるかと思いますが、彼の芸名は本当にこの山から取られたものなんですよ。郷ひろみ岳、西城秀樹岳は無いんですか?(。◔‸◔。)
長い行程ですからあまり遊んでいる時間もありませんね。水晶へ向かって歩きます。
しかしこの極上の稜線ですよ。「遠い」よりも「楽しみ」が勝ります( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
ふと振り返ると槍ヶ岳。あまりにもカッコいい……。
日が昇り切るとまた暑くなりますね。水と塩タブレットがどんどんなくなります。
こういう時は雲がかかったりガスってくれるとありがたいですね。
水晶岳はもちろん遠いですが水晶小屋も遠い。゚(゚^ω^゚)゚。
午前中の踏ん張りどころです。
小さなピークを越えて砂礫の斜面を下ると東沢乗越に出ます。
赤茶けた山肌が見えてきました。これは赤岳と言い、水晶小屋もこの上にあります。小さなアップダウンがあるくらいで特別登りにくくはありませんね。疲れますが(^-^;
野口五郎岳から雲が迫ってきました。これからの天気、どうなるやら。
10:50 水晶小屋
水晶小屋へ到着!
即ザックを下ろして休憩です。
どちらにしろ水晶岳へはザックを小屋に置いたままピストンするので。水晶岳は裏銀座のルート上には無いんですよね。時間を優先するなら登らなくても良い山ですがこの山はそう簡単には来れない百名山です。もちろん登頂します。
悩ましいのはその奥の山ですよ。
これ、赤牛岳です。遠い二百名山として有名な山ですがこうしてみるとそんなに遠く感じないんですよね。地図ではここから片道3時間ほどかかると書いてありますがどう見てもそんなに距離があるとは思えません。赤牛までの稜線も見えていますしそんなに険しそうでもありませんからね。軽荷で行けばパパっと登頂できるのでは……? そう考えると欲が出てきました。
悩む。赤牛に登らないにしても元々10時間くらいかかる今日の行程。しかし現在11時頃でしょう? 宿泊地の三俣山荘まではあと2時間半くらいです。だいぶ早く歩けているんですよね。赤牛行っても問題ないのでは。ザック背負うわけではありませんからいくら何でも片道3時間はかからないと思いますし。でももし本当に地図に書いてある通りのコースタイムだったら……
小屋で悩んでいても仕方ありませんね。どうせ水晶までは行くんですから準備を整えたら水晶へ向けて移動開始です。
うーん、やはり近く感じる。赤牛。
というか水晶岳けっこう険しいですね?
これはお散歩気分でいたらいけないやつです。気を引き締め直しましょう。
山頂付近は滑りやすい蛇紋岩のようですから油断はできませんね。
尾根もかなり痩せています。
しかし景色は素晴らしいですね。
これは日本最後の秘境と名高い雲の平では。めちゃくちゃ歩きたい場所ですがここに寄ると行程が一日伸びてしまいます。くっ……そそられる……!
雲の平の誘惑を振り切って水晶岳の山頂を目指します。
11:40 水晶岳
水晶岳登頂。その山肌から黒岳の名前でも知られます。かつては実際にザクロ石や水晶が採れていました。
北峰の方の頂も踏んでおきましょう。
ちょっとガスっていて展望はイマイチですね。まあいいです。問題はーー
お前だ。
赤牛ィ……!
本当に遠いのか君は。とてもそうは見えません。だってもう頂までの道のりは見えているじゃないですか。行けるかな。行けるよね。行けるでしょう。
行っちゃえ!
12:15 温泉沢ノ頭
うん、かなり傾斜のキツいガレ場ですね!
時間かかるわ!
ここから沢側に下りたい気持ちに駆られましたよ。赤牛に向かわず2時間ほど下ると高天原温泉という山の中の温泉にたどり着けるんですよね。しかし今はカッパ、水、行動食、カメラと必要最低限の荷物しか持って来ていません。私には赤牛を獲って水晶小屋に戻るという選択しかもう無いのです(・`_´・)
幸い急なガレ場は水晶~温泉沢ノ頭間くらい。ここからは多少早歩き可能です。軽荷のアドバンテージを生かすとき。
結構進みました。振り返ると水晶が遠い。
やっぱ遠いのでは
コースタイムは嘘をつきませんね。
しかし赤牛ももう本当に目の前。頂きはそこです。
13:20 赤牛岳
赤牛捕獲!!!
水晶岳から1時間40分!
1時間は捲いていますね!
実際遠い山でしたが身軽状態なのでなんとか2時間切りで赤牛にたどり着きました。ここから同じ時間かけて戻れば水晶小屋には16時前には戻れるのでは? 悪く無いペースです。
撮影にあまり時間はかけられません。急いで記念写真を撮りましょう。なにこれコンビニ寄った帰り? 今回アタックザックもってこなかったんですよね。荷物を削り過ぎたか……。いや赤牛まで行くなんて計画段階では想像もしていませんでしたからね。アタックザックもってくる択は取れないでしょう。゚(゚^ω^゚)゚。
黒部湖の大きな事よ。
というか赤牛に来てこの存在感バリバリの山に気づいたんですけどこれが薬師岳ですか。こりゃ百名山ですわといった迫力。いつかこの山も登ってみたいですね。赤牛から見た薬師は位置関係としては烏帽子から見た赤牛という感じ。じゃあ明日行けるのでは?
絶対行かん!
これは槍を目指す裏銀座縦走。イレギュラーは赤牛で十分です。
では水晶に戻るとしましょう。
雲行も怪しくなってきましたからね。
案の定ちょっとぱらついてきました。カッパを着るほどの雨ではありませんでしたが。
16:45 水晶小屋
水晶小屋に戻ってきたのは16:45。さすがに行と同じペースでは動けませんでした。疲れが出てコースタイム通りの移動時間。そうそう上手くは行きませんか。
時刻は17時前。ガスも出てきてちょっぴり暗くなってきましたね。日没が19:15くらいですからここから三俣山荘までコースタイム通り2時間半かけたとするとギリギリ夜になりそうです。
ネクター(\500)でHPを回復させて17時ちょうどに出発するとしましょう。急いだほうがいいですが慌てる必要はありません。休息をとらない方が効率が悪いですからね。
というか少し期待しているくらいです。もしかしたら今日最後のピークである鷲羽岳で夕景が拝めるかもしれないと。
ガスっていますが微妙に晴れそうでもあるんですよね。
ワリモ北分岐。岩苔乗越経由からの方が30分早く三俣山荘に着きますが私は鷲羽岳に登らなくてはいけません。という事で鷲羽岳方面へ移動。悪天候時は岩苔乗越経由を行くのが良いでしょう。
18:00 ワリモ岳
鷲羽岳の偽ピークとして有名なワリモ岳を越えればーー
今日最後の関門。
こちらが鷲羽岳になります。この威容、当然のように鷲羽岳も百名山です。
日暮前、ガス、立ちはだかる山。
大雪山縦走二日目を思い出します。あのオプタテシケ縦走ルートを……。
私に夕焼けを見せてくれ北アルプスの女神!
これはこれでいい景色ではあるんですけどね。
18:40 鷲羽岳
鷲羽岳登頂!
さて夕焼けはーー
ウンンンンン……!
まあ、光は差しているんですけどね?
この惜しい感じ!。゚(゚^ω^゚)゚。
完全にはガスは晴れなさそうです。
これ以上待っていると鷲羽の下りが怖くなります。残念ですけど夕焼けは今日もお預けかなぁ。
無事に寝床につけるだけ良しとしましょうか。もう三俣山荘は視認しているのでだいぶ安心です。鷲羽から三俣はかなり急なので最後まで油断なりませんが。三俣から鷲羽に登る人たちは大変だと思います。
19:30 三俣山荘
鷲羽からの下りが緩やかになり、背の高いハイマツ帯をくぐりぬけると本日の宿である三俣山荘到着です。テント泊ですが。こちらも一張2000円です。
赤牛からここまでずっとコースタイム通りのペースでしたね。結構体力を使ったようです。もともと長めの行程だったのに赤牛なんていう遠い山に足を伸ばしたせいで……。
しかし後悔はありません。水晶岳に登頂した時に思ったんですよね。
今後の人生でここまで赤牛に近づけることはもうないかもしれない
そう思ったら行かないという選択肢は消えていました。人との出会いだけでなく山とも一期一会というのはありますからね。「時間ができたら」「気が向いたら」と言いながらやっていないこと、合っていない人、一体どれだけある事か。思い立ったが吉日。「いつか」などはないというのがこれまでの度で学んだことです。なので疲れましたが赤牛岳に登れた充実感で今はいっぱいです。サンキュー赤牛。しかし二度と登ることはない、かも(・`_´・)
ここまで読んでくださってありがとうございます。
よろしければ以下のバナーをクリックしていただけると大変励みになります。
↑日本一周バナー
コメント