【296日目】大峯奥駈道⑤ オアシス玉置神社

2023-6-27

大峯奥駈道も5日目になりました。道の厳しさで言えば今日が一番苦労したかもしれません。濡れた急坂を鎖にロープに登り下り。慎重に丁寧に進み、ゴールである熊野本宮、その奥宮である玉置神社まで歩きます。

目次

すこし寝不足の行仙宿山小屋

行仙宿山小屋からおはようございます。見てくださいよこの小屋の広さ。大峯奥駈道の小屋はどれも立派なものが多いですが、その中でもダントツで豪勢な山小屋でした。協力金の2000円を支払う必要がありますけどね。

こんなに立派な山小屋ですから快適な睡眠まちがいなし!と思っていたのですが現実は甘くないですね。夜中に耳元でガサガサ音がするんですよ。

あまりに耳障りなので起きて確認するとなんとネズミが私の食料を漁っているじゃないですか!(メ゚皿゚)

一気に眠気が覚めて食料をザックに避難。まさかネズミがいるなんて。幸いと言っていいのかどうか分かりませんけどかじられたのは食い終わりかけのベビースターラーメン。アルファ米やラーメンなどのメインの食料をやられなくて良かったです。ベビースターだって一日分の行動食になるので腹立たしいですが(メ゚皿゚)

こうして一度ネズミを認識すると気持ち良くは眠れません。浅い睡眠を続けていたら朝になっていました(´Д⊂ヽ

大峯奥駈道5日目

6:25 行仙宿山小屋

最も上等な山小屋で、最も質の悪い睡眠となるとは思う通りには行きませんね山は。不思議なことに体の調子は悪くないのでまあ問題なく歩けるでしょう。大峯奥駈道5日目、開始します。

まずは笠捨山を目指します。昨日、行仙宿山小屋で一緒になった方からは「ここから笠捨山までの間はクマが良く出る」と聞いていたので緊張の道のり。鈴をしっかり鳴らして参ります。

ちょっと降りそうな天気。まあ多少の雨は覚悟の上です。

笠捨山までは延々と直登する急峻な道。行動開始したばかりですから足を痛めないように歩幅狭めて慣らしていきましょう。

無言。

無心。時間の経過がとても長く感じます。

7:55 第18靡『笠捨山』

1時間半歩いて第18靡『笠捨山』登頂。序盤からきついですねぇ!

笠捨山は仙人の居所とも言われています。景観が良いらしいですがこのガスではね……。

標識にはとうとうゴールである熊野本宮大社の名前が出てきました!
奥駈の完了が現実味を帯びてきましたね( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

笠捨山から熊野側は登りよりもさらに急です。マジで急。

ようやく急坂おわり。

笠捨って捲けるんですか!?

葛川辻。近世はここから上葛川の集落へ下りていたようです。

「枯れることあり」の文字が不安ですね(^-^;

鉄塔発見。文明の気配がします。

こんなところに鉄塔を建てられるものですねぇ。人の技術力よ。

難路が続きます。木の根を足掛かりに両手も使って登り続けます。

鎖もロープもあります。とにかくダイナミックな登りの連続。無心で行きます。集中しないとケガをするので。

9:10 第17靡『槍ヶ岳』

第17靡『槍ヶ岳
一応岩峯のピークですが難路は続きます。

鎖ばかり。木の根が濡れるとまたツルッツルに滑るんですよね。゚(゚^ω^゚)゚。

地蔵岳の難しい鎖場

無事に地蔵岳へ登頂。

お地蔵様に手を合わせて道中の安全を祈願します。

その10分後にこの奥駈で一番頭を悩ませた難所の登場です。

この下りの鎖場なのですが……。

ほこから

足の置き場がない!

あるにはあるのですが岩が濡れていてグリップが効かないんですよね。5分ほどあーでもないこーでもないと試行錯誤していました。結局

ほこから

降りれんねこのままじゃ

という結論に。ではどうしたのかと言いますと。

鎖を巻き上げます。

鎖とザックを括り付けます。

鎖で吊るしながらザックに先に降りてもらいます。身軽な状態なら問題なく下りられるので。

鎖場を下ったらザックを回収して移動再開です。本当に詰んだかと思いましたねこの鎖場。

10:10 第16靡『四阿宿』

第16靡『四阿宿』

第15靡『菊ヶ池』

第14靡『拝返し』
熊野からの順峯ではこの地点で熊野を拝み返すのだといいます。

靡ラッシュでした。10分間の間に靡を3つ通りました。ここ集中してますね。

曇ったかと思えば

晴れる。天候の変化が目まぐるしいです。

10:50 第13靡『香精山』

第13靡『香精山』
ここから杉の植林の中を下りますがこれまたきつい坂でした。゚(゚^ω^゚)゚。

なんか戦史遺物が落ちていました。

11:30 塔ノ谷峠

塔ノ谷峠。

杉が美しい、のですが景色楽しむ余裕無し。゚(゚^ω^゚)゚。

直進直進。

12:20 第12靡『古屋宿』

第12靡『古屋宿』
宿の跡は明治22年の十津川水害によって流されたそう。

12:30 第11靡『如意珠岳』

第11靡『如意珠岳』
標高が1000mを切りました。夏の低山はサウナ地獄です。

40分ほど下ったら蜘蛛の口で大休止。もっと早くに休憩を取りたかったのですが腰掛ける場所でないと足が休まらないんですよね。

蜘蛛の口から10分ほどで舗装路に出ました。普段は登山で舗装路を歩くのは好きではありませんが、こう何日も山の中にいるとたまにはコンクリも良いか、という気持ちになります。

すぐ現実に引き戻されるのですが。゚(゚^ω^゚)゚。
はい、奥駈は左ですね、はい。

と思ったらまた舗装路。わざわざ山の中を進む意味とは。

ここからは度々舗装路と合流します。その度に即山道に引き戻されるのですが。

ハロー舗装路。

バイバイ舗装路(´;ω;`)

合流。

そして別れの繰り返しです。

14:30 花折塚

花折塚を通過。ここは大塔宮護良親王の忠臣片岡八郎の墓所です。

こういう植林の平坦な道が続けばどれだけ楽か……。

再び舗装路に合流した時に展望台が見えたのでわざわざやって来ました。

山深いことよ大峰山……。

先に進みましょう。今日のゴールである玉置神社の看板が見えてきてちょっと元気が回復しました。

デカデカと「世界遺産 大峯奥駈道」
道が世界遺産となっているのはここと、フランスとスペインにある『サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路』のみなんですって( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

一呼吸おいて玉置山山頂へ向けて出発。

ブナはこの区間が最も美しかったです。疲れが癒えるほどの優しい美景。

……頑張りましょう!

めちゃくちゃ人工物。

玉置山はもうすぐです。

15:30 第10靡『玉置山』

ようやくたどり着きました。゚(゚^ω^゚)゚。

第10靡『玉置山』!
玉置山は熊野本宮の奥宮です。

あとは本日のゴールである玉置神社まで下るだけです。











下る”だけ”とはとても言えないほど長い階段に辟易。ラストスパートにキツイもの用意していてくれましたね(^-^;

稲荷神社の後ろから出てきました。

水です。今日の行程は水場が少なかったのでもう手持ちの水がほとんどないんですよね。最悪ここで汲ませてもらいますか。

15:55 玉置神社

たどり着きました玉置神社。第十代崇神天皇の時代に王城火防鎮護と悪神退散のため創建されたと伝えられています。

もちろん参拝。数多の山を越えてここまで来たかと思うともはやお願い事というよりは感謝のためのお参りですね。

玉置神社の手水舎。ここで水汲もうかな……と過るくらい喉が渇いています。飲み水はまだ1Lあるので切羽詰まった状況ではありませんが、もしかしたら駐車場まで行けば自販機があるかもしれないと思って我慢しているところです。

この境内から駐車場までがまた長いのです。20分くらいかかります。

もう体力の限界、という頃に駐車場が見えてきました。

肝心の自販機はというとーー

16:20 玉置神社駐車場

玉置神社駐車場ォ〜!

玉置神社駐車場ォ〜!!!。゚(゚^ω^゚)゚。

悪魔的だ~!!!

こんなに美味いコーラは味わったことがありません。゚(゚^ω^゚)゚。

玉置神社の駐車場、LOVE。
自販機どころの騒ぎじゃありませんでしたね。

食事処まであるという充実具合。大峯奥駈道の最期のオアシスですよ。

月見うどんを注文。

もう、ほんとうに、美味い。美味すぎる! 
うどんってこんなに美味しかったんですね。゚(゚^ω^゚)゚。

うどんだけで収まるはずもなし。カレーも頂きます。
美味い。天国だここは。゚(゚^ω^゚)゚。

この旅で最も素晴らしい駐車場、玉置神社かもしれません。

食後に店主さんとお話していたらお水まで頂いてしまいました。旅人に優しすぎます。ありがとうございましたm(__)m

完全に体が回復しましたね。まさかあんなご馳走に奥駈中、ありつくことができるとは思いませんでした。

駐車場で野宿の準備をしていたら参拝客のおばさまからドーナツとお茶をもらいました。玉置神社に来られる方は奥を駈ける者に優しい……本当にありがとうございますm(__)m

明日はとうとう大峰奥駈道最終日。ラストを前にここ玉置神社駐車場で完全回復することができました。あとはゆっくり休み、万全の態勢で明日を迎えるとしましょう( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )











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