4連休を利用して憧れの剱・立山連峰を歩いてまいりました。特に剱岳は山登りを始めた時から憧れていた山。まさか登る機会が私の人生であるとは思いませんでした。ルートは室堂平から始める別山尾根ルートです。
「剱・立山連峰」縦走が決まったいきさつ
社会人になってから始めた登山という趣味もなんとなく現在まで続いて5年目になりました。その登山もワンゲル出身の同期が連れて行ってくれる時だけ、後ろをちょこちょこついていく感じの意識の低い登山ばかり。ハードな岩山なんて登る機会なんてないんだろうなぁと思っていたら今回の「剱・立山連峰」縦走ですよ。
私の登山の師匠でもあるその同期が「夏の4連休でどっか登りに行こうぜ!」と誘ってくれたので、軽く調べて
立山行きましょう!
と提案したらお隣の剱岳まで縦走するプランを同期がつくってくれたのです。その時の私の反応は
剱岳!?
なんで!?
です。立山の隣に剱岳がある事すら知らなかったのでこの驚き。5年登山していると言ってもプラン他人任せの主体性のない山登りばかりしてきたので知識も何もないんですよね。立山をリクエストしたのも
できるだけ楽に登れそうな3000m峰はないかな
というナメた動機です。
ただそんな私でも剱岳という山は危ないという事はうっすらと知っていたので、組んでくれたプランには腰が引けました。剱岳? 行けるのかな……行っていいのかな……
悩んだ末に「行ってみよう!」という判断に。怖い気持ちもありましたが「もしかしたら剱岳に登れるかもしれない」というワクワクが勝りました。思えば山頂に立つ前から山にワクワクしたのはこの山が初めてでしたね。
仕事終わりに新幹線で富山へ
2021-7-21
17時きっかりで定時退社。すぐさま新幹線で長野駅から富山駅へ向かいました。
富山駅、始めてきましたけどきれいな駅ですね。これから連休ということもあって夜からワクワクしてきました。
深夜0時に同期のI君と待ち合わせてこの日は満喫で就寝です。
「剱・立山連峰」縦走 一日目
2021-7-22
立山駅
連休初日かつ「剱・立山連峰」縦走の一日目です。富山の快活クラブで一夜を過ごし、早朝にI君の車で立山駅までやって参りました。
連休初日ということもあって早朝から多くの人で賑わっています。
それにしても素晴らしい天気に恵まれました。これからの登山に期待が持てますね。
ここからはケーブルカーとバスを利用して室堂へ。立山駅は立山黒部アルペンルートの富山側起点となります。
立山ケーブルカーが美女平に到着したら今度は立山高原バスに乗車。50分ほど揺られればーー
室堂ターミナル
室堂ターミナルに到着です。この時点ですでに標高2450m
室堂ターミナルは日本最高所に位置する駅でもあります。
立山ケーブルカーに立山高原バスと乗り継いで1時間と少し。立山駅からだいぶと標高を稼ぎましたね。
ここから登山本番ですがーー
その前にまずは腹ごしらえ。腹が減っては戦はできぬ。
まだ朝食をとっていなかったのでターミナル内の立山そばで食事にします。
そばといいながら画像はうどんです……
そばとうどんを間違えて食券買ってしまいました(この細さでまさかうどんだとは……)。しかしおいしかったので何も問題はありません。
腹も膨れたところでようやくターミナルから出ます。これから最高の夏を迎えるのかと思うとワクワクが止まりません。
11:20 室堂平
もう満足
ターミナルから一歩出てみればこの光景ですよ。こんなの周辺1,2時間散歩したらそれだけで1日の満足度カンストでしょう( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
見よこの威容。
これから通過する山々を目にして士気も上がります。
しばらくは美しい高原を眺めながら整備された石畳を歩きますので、登山というよりはまさにハイキングといった気分です。
かつては麓の芦峅寺から30kmの道のりを一日かけてここまで登っていたそうです。文明の利器に感謝ですね。
雪渓が出現するころには傾斜も山らしくきつくなってまいりました。ここからが登山本番といった感じですね。
12:05 祓堂
祓堂を通過して少し休憩を取ります。ここは浄土山が見える休憩ポイントらしいのですが、実際に上っていた時はそんなことは知らず通過してから休憩をとることに。浄土山のジョの字も頭に浮かびませんでした(もったいない……)。
さあまずは一ノ越まで参りましょうか。
12:15 一ノ越
なんとまあ山らしい絶景じゃありませんか。疲れも吹き飛ぶというものです。
右に浄土山、
左が雄山で、
その間にはさまれたのが一ノ越です。ここでで20分ほど休憩を取ります。
一ノ越山荘からライチョウがこんにちは。
10分ほどの休憩が終わったら出発。ここから立山連峰の最初のピーク雄山へ向かいます。「一ノ越~雄山」間は非常に足場が不安定で私レベルの登山者ですと「石を崩さないように崩さないように」とかなり神経を使って疲れました。
ふみ跡もいくつかに分かれてどれを歩くか悩むところです。
大分と登ってきました。一ノ越山荘が右下に小さく映っています。
心が洗われる景色ですねぇ。登った分だけ気持ちのいい景色がみられて本当に登りがいのある山です。
13:20 立山連峰の盟主『雄山』
雄山に到着! 雄山は立山の中で最も楽しみにしていたピーク。というのもこの雄山には一之宮に数えられる格式高い神社があるのです。
それが越中国一之宮『雄山神社』! 立山は富士山、白山とともに日本三霊山の一角に数えられる霊験あらたかな山なのです。
参拝料700円を支払ってもちろんお参りします。参拝に興味のない方もお参りする方がほとんどなのではないでしょうか。なぜなら雄山の3003mのピークは鳥居の向こうにありますからね。
ガスってきたことも相まって頂上で参拝客を待ち受ける神主さんがラスボスの風格を漂わせています。頂上ではお祓いと立山についてのお話をしていただきました。その中で印象に残っているのが以下のお話
このあたりにある願い事が書き込まれた石。これはできるだけ丸い石を麓で探しそこに自分の願いを書いた上でこの神社まで持ち運び奉納することで願いが聞き届けられます
え、最初に言うて?
これは事前のリサーチ不足でしたね。知っていれば小石の奉納も体験してみたかったですが。まあ無事に雄山登頂できただけで今回は良しとしましょう。
参拝の証をいろいろもらいました。鈴付きの赤札はザックに取り付けておきます。立山頂上登拝記念札には雄山神社についての説明が書かれていました。休憩がてらに読んでみると
「富山では少年時代に立山に参拝しない者は一人前になれないという風習があった」
だそうで。27歳で今日初登頂の私はもう……
人里離れた山に登るという非日常感からかこういった何気ない説明書き。なんかも普段より楽しく感じてしまいますね。
最後に社の隣にある雄山の標識と写真を撮って登頂!
雄山を後にして次なるピークを目指します。ちょっと急ぎ目で行きますか。天気も怪しくなってきたので。
14:40 大汝山
立山連峰の最高地点、大汝山のピークは「え、そこ!?」というようなところにあります。岩のてっぺんにポツンと標識が立っているだけで全然目立たないんですよね。
この岩がまた微妙に高くてザックを背負ったままだと登るのに難儀しましたので手ぶらでよじ登り写真を撮りました。
画面中央ひだり寄りに見えるのは黒部ダムでしょうか。見晴らしがとても良いですね。
天気がいよいよ崩れそうです。あまり道草も食っていられませんね。先を急ぎます。
15:10 富士ノ折立
立山三山のラスト、富士ノ折立へ到着……
ってこれ今気づきましたけど 富士ノ折立への表札ではないですか!? 見逃してしまいましたかね。GPSのデータ上では通過しているので通っているはずなのですが。大汝山があんな目立たない標識だったので富士ノ折立のも同様に目立たないものだったのかもしれません。
まさかここが富士ノ折立?
なんにせよ先を急ぎます。もう何時降ってもおかしくない天気ですから。
そういっている間に当たりはガスに覆われ……
16:05 真砂岳
写真はございません。案の定雨に降られました……。
真砂のピークに立ったころに小雨が降ってきまして「止むかな~止まないかな~とりあえず行動食食べて様子見るかー」とぼんやりしているうちに豪雨が。゚(゚^ω^゚)゚。
やはり小雨の時点で面倒くさがらずレインウェアに着替えなくてはいけませんね。結構ここで濡れてしまいました。
17:00 別山
雨でテンションダダ下がりでしたが、別山を目前にして晴れ間がさしてきました。この美しさが何度も私をよみがえらせます。
気合を入れなおして歩きだし、さあようやく別山にまでたどり着いたぞ、と顔を上げると
なんとまあ……
岩と氷の殿堂『剣岳』がその姿を見せました。
あまりの存在感、雄々しさに山容を目にした瞬間笑ってしまいましたよ。聞きしに勝る威容、神々しさを感じずにはいられません。疲れも一瞬で吹っ飛びました。
下に見えるテント群が今日の宿剣沢キャンプ場。なんつー贅沢なロケーションですか(。◔‸◔。)
18:10 剣沢キャンプ場
別山からさらに一時間弱下り、剣沢キャンプ場に到着。今日の寝床はこのキャンプ場です。
剱岳のプレッシャーをビンビンに感じるキャンプ場ですね。なんというロケーションか。
もう疲れて動けないのでテントを張ったら食事をして早めに寝ましょう。本番は明日ですからゆっくり休まねば。
夕食は親子丼。卵ケースはダイソーで買ったものなんですけど全くの無傷で運ぶことができました。割れないかと地味に心配だったんですよね。
焼き鳥缶あたためて卵をかけるだけの簡単なものですがそれっぽくはなりました。ただ焼き鳥缶1個に対して卵1個は卵の割合が大きすぎましたね。次回やるなら焼き鳥缶:卵=2:1でいきましょう。
晩酌も欠かせません(コーラですけど)。登山の楽しみの一つはコカ・コーラです。多少荷物が重くなっても山でコーラが飲みたいのです。麻薬かと思うくらい山でのコーラはおいしいですよね
舌も腹も満足させたところで消灯。明日はいよいよ剣岳本番。楽しみでもあり怖くもあります。ケガ無く安全に下山できるようしっかり体を休めましょう。
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