本日は日本百名山の一角谷川岳です。ここ数回、山頂での天候に恵まれない登山をしているので今度こそは! と晴れ予報の日を狙って行きました。絶対に晴れてほしいのであれば谷川岳という選択肢には疑問が残るところですが
というのもこの谷川岳は日本海側の天気と太平洋側の天気がちょうどぶつかる位置にある山で非常に天候が変わりやすいことで有名なのです。この不安定な天候と急峻な岩壁、複雑な地形によって、標高2000mにも満たない山でありながら非常に遭難者の多い山でもあります。世界で一番遭難死者を出しているのはこの谷川岳だというのだから驚き
といっても今回私が進むルートは天神尾根ルート。ロープウェイで麓から天神平駅までショートカットするコースですので悪天候にさえ見舞われなければそれほどハードな山行ではない……はず
0日目 土合駅
まずは最寄り駅の土合駅へ
この駅がまた面白い! 駅というよりもトンネルという印象
それもそのはずこの駅は日本一のモグラ駅と呼ばれているのです
何がモグラなのかといいますと――
この深さ! ようこそ土合駅へ
駅からして幻想的なこの階段。これがホームから改札まで続く階段です。距離にして338m。段数は462段。改札までの標高差は70.7m。ここは谷川岳0合目か? と思えるくらい深い駅なのです
出口がこんなに豆粒。距離感がバグります。あととても寒い!(๑-﹏-๑)
地上の水を排水しているのでしょうか。階段の横には水が流れています。まるで洞窟
途中にいくつか休憩用のベンチが設置されています。ホームへ続く階段に休憩のベンチってどんな駅ですか。登山用のザックを背負っているので普通に疲れます(๑-﹏-๑)
駅の階段を上って「お疲れ様」なんてねぎらってもらったのは初めてです
振り返るとこの光景。まさかここで汗をかくことになろうとは。登山前なのにもう若干達成感
通路もまた面白い。監獄かと思うような石造りにガラス窓が風情ありますね
ようやくホームに到着。すぐに警告文が目に入ります。谷川岳がどれだけ警戒されているかがわかります
現在21:00 華金ということで仕事が終わった後すぐに登山の準備をして電車に飛び乗ったので何も食べていませんでした。最寄り駅から土合駅への終電が18:30頃でしたからね。こんなに早い終電にせかされたのも初めての経験です。駅の外に出て夕食をば
土合駅は無人駅ということで、あまり褒められた事ではないですが駅内で夜を越すことにします。他にはクライマーの団体さんが来ていましたので隅っこでひっそりお休み
テントを張らないで下さいと注意書きがありましたがそういう事例があるのでしょうか。冬場だとマットとシュラフだけでは眠れそうにないですね
登山日当日 土合駅出発
翌朝4:00に起床。朝食食べたり登山靴に履き替えたりで1時間ほど使いまして5:00ごろに土合駅出発です。ここからロープウェイの走っている谷川岳ベースプラザまでは歩いて20分ほど
それにしても谷川岳を撮りに来たのにどれだけ土合駅でシャッター切っているのやら。とても見ごたえのある楽しい駅でした( ˶´⚰︎`˵ )
割と……
傾斜が……
……ついていますねえ! 5:30 谷川岳ベースプラザ到着!
良い天気だ~! 予報も1日晴れということでこれからの登山に期待が膨らみます!
リフトに乗るとしましょう。リフト稼働が7:00からなので1時間ほどコーヒー飲んだり天気予報見たりと、まったりしておりました
これで標高を600m弱稼ぎます。これに乗らないルートは西黒尾根という日本三大急登に数えられる健脚者向きのコースになってしまいます。谷川岳の鬼の面の一つですね。私にはレベルが高いですがいつか登ってみたい憧れのコースです
10分ほどで終点天神平駅です
天神尾根ルート スタート
あっという間に天神尾根ルートの起点まで来れました。文明の利器に感謝
天神平からはさらにリフトも出ていて眺望の良い天神峠展望台まで上がることができます。谷川岳のピークとは違う方向のリフトなので今回は利用しません
天神平の時点で素晴らしい眺めなんですよね。正面に見える3つのピークは左から『笠ヶ岳』『朝日岳』『白毛門』です。そちら側から見る谷川岳も絶景でしょうねえ
谷川岳も少し隠れてはいますがその姿を確認することができます
鬼の角の様な二つのピークが印象的。当時思ったことは「え、いや、んん? 遠……」でしたが
最高の天気!最高の朝!テンション上がってきました。いざ発進!
20分ほどで最初のチェックポイント熊穴沢ノ頭に到着です。木道で登山道がめちゃくちゃ整備されていて非常に歩きやすかったです
しかし熊穴沢の頭からはしばしば急登があるのですよね
登山靴で黒く磨かれた岩がまた滑ること!難しいのぼりではないですが雨の日は非常に怖いだろうなと思います
誤算としては天気が良すぎます!そして無風。わずかな岩陰に隠れて都度休憩です。本当に焼かれるような烈日(๑-﹏-๑)
道中見かけた特徴的な山。なんですかこのプチ槍ヶ岳みたいなのは
熊穴沢ノ頭から30分ほど歩いて天狗の留まり場です
あとは肩ノ小屋すぎたら山頂ですね。しかしこの時点で結構ヘロヘロ
頭がスパッと切れたまた面白い形の山!これは吾妻耶山ですね。ぐんま百名山の一角だとか。いやユニークなフォルムだ
深緑、紺碧。なんて強い色使いの絶景ですか
振り返ると天神平が見えます
「ここまで登ってきたか~」よりも「あそこまで戻るのか……」が強い
肩ノ小屋に到着。山頂はあと少し
肩ノ小屋裏に回るとオジカ沢ノ頭へ続く登山道が見えます。いや良い道だ!剣山から見る次郎笈を思い出します
ゴキゲンな蝶になって…… 近づくと撮り逃すのでシャッター切りながらどこまで近づけるかチャレンジしていました
二つの山頂 トマの耳 オキの耳
二つの頂上の分岐まで来ました。谷川岳にはオキの耳、トマの耳という二つのピークがあります。先週行った妙高山と同じですね
まずはトマの耳(1963m)登頂!
こちらはトマの耳から見たオキの耳です。まぎらわしいですね。オキの耳はトマの耳から見えてトマの耳はオキの耳から見える。自力で自分を見ることはできないのです……
オキの耳(1977m)登頂!
トマの耳からは10分ほどで着きます
オキから見たトマの耳。左側が切れ落ちていて恐ろしいながらもきれいな形になっていますね。オキから見るトマの方が好きです。トマ→オキよりも
それにしてもトンボが多い!画面の黒点は私のレンズの汚れではありませんよ( ᐢ ᵕ ᐢ )
さざめけ……
なんとまあ…… 谷川岳で最も美しかったのがこの、俎嵓(まないたぐら)~オジカ沢ノ頭~トマの耳のスイングするような稜線です。惜しむらくは私のレンズだとこれ以上広く写せないことか。広角レンズを本気で買うか悩みます……
山頂はどっちの耳も人でにぎわっていたので肩ノ小屋までおりて”祭り”をはじめます。山でのコーラ、カップ麺が大きな楽しみの一つです
天神平ルートは比較的整備されていますけどこうしてみるとやはり急峻な山だなと思わされます
この光芒がまた……! 天気に感謝
下山
腹ごしらえも済んだところでササっと下山します。お昼時はとても人が多く急登エリアではたびたび渋滞が起きました。これは雨が降っていたらえらい難儀しそうです。とにかく岩がツルツルですべるのですよね
にしてもいい形の山だ。君は一体誰なんだい?
オジカ沢ノ頭ではなさそうなのですが
13:30 下山
山頂で2時間弱滞在していましたね。写真撮っていて飽きません。サンキュー谷川岳
下りのロープウェイも大渋滞。ゴンドラは3分もしないうちに次のが回ってくるのでたいして待ちませんでした
下界に降りると落ち着きます
土合駅までの帰り道でパシャリ。湯桧曽川の土合砂防堰堤です。人工でしょうが風流ですねぇ
久しぶりだな……(9時間ぶり)
駅内の売店で瓶コーラを。昼飲んだでしょうって?ペットボトルコーラと瓶コーラは全く別の飲み物なのです
さあまたあの階段を下りるぞ! と意気込んでホームへ向かったら新幹線のある高崎方面へは地上のホームから電車が出るようで。少し残念
振り返り
世界で一番死者を出している魔の山谷川岳ですが、ロープウェイを利用してかつ天候にも恵まれれば比較的登りやすい部類の山ですね。初谷川岳が全日晴れでとてもラッキーでした。次回はもう少し修業を積んでから日本三大急登の一角西黒尾根ルートに挑戦してみたいな、とひそかに思っています
コメント