2022-9-30
出羽三山においては『死』を司る月山。しかしそれは決してネガティブなものではありません。死後の世界はそれ即ち極楽浄土。三関三渡の行においてはこの月山によって擬死体験をすることになります。生まれ変わるためには死なねばならぬという事。今回はそんな月山登山回です( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
月山登山
6:20 月山八合目

月山八合目からおはようございます。三関三渡の行、二日目です。
『現世』の羽黒山を昨日越え、本日は『死』にして『過去』をつかさどる月山を行きます。

終着点の湯殿山も今日中に到達できると思うので行(ぎょう)の最終日でもあります。

清々しい朝。天気も良さそうで助かりました。

うっすら見える鳥海山にも元気をもらいます。
登った山を他の山から見るのはとてもいい気分です( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

では参りましょうか。昨日めちゃくちゃ苦労して八合目まで上がってきただけあって、月山の山頂に至るのはそれほど重労働ではありません。注意しながら、しかし気負わず歩いていきましょう。

朝陽が魅せてくれるんですよこれが( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

溢れるような迫力ある雲海ではありませんが面積が広く圧倒されます。海というよりは湖とでも言うべきお上品さ。美しい……。早起きの御褒美です。


日が昇るのはあっという間。傾斜も厳しくなり汗をかき始める頃です。
7:30 佛生池小屋

休憩して行動食を食べます。小屋の扉は板がかかっていて入れません。月山の小屋たちは閉まるのが早いですね。

再び登っていきます。

紅葉の色付きがいい感じですね。色のバランスも素晴らしいです。

月山(1984m)は標高2000mにギリギリ届かないくらいの山ですが、日本アルプスにも劣らないくらいの高山植物の宝庫。その数はおよそ350種類あり、植物豊富な月山は紅葉が見事なのも納得です。


紅葉に溺れる登山道。

鳥海山くんもこう見る分にはなだらかな山に見えるんですけどねぇ……。




人間発見。

む!

あれは月山山頂にある月山神社。ピークが見えました。

月山は火山であり東側が半月状になだらかな傾斜を形作っています。殺意ありありの急峻な山々が立ち並ぶ日本アルプスとは違った穏やかな魅力のある山域です。

月山神社本宮の看板が見えてきました。あとは看板通りにまっすぐ進んでいくだけ。
大間違い! 月山山頂標識はここを右折です。
神社のあるところには山頂標識はありません。゚(゚^ω^゚)゚。
8:35 月山神社

そして到着!
月山神社!



月山神社の祭神は月読命(ツクヨミノミコト)。当然ですねえ( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
羽黒山の記事で本地仏は阿弥陀如来と書きましたが、一つの場所で神だの仏だの言っているのは神仏習合の時代の名残です。明治の神仏分離によって出羽三山一帯が神道化し多くのお寺がつぶれてしまったんですよね。
とはいえ月読命も阿弥陀如来もいずれも死後の世界をつかさどる神仏。解釈一致です( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

賽銭入れが三日月形 ☾

さて参拝を終えたところで三関三渡の行の終点、湯殿山へと向かいますか。

月山神社の由緒も相まって
ほこから浄土かい
というような景色。絶景なり。


そしてここからは湯殿山へ向かう道です。見てるだけで楽しい道( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )


振り返ると月山神社。
いや立地が良すぎるでしょう( ˶´ヮ`˵ )


月山神社が月山のシルエットを乱していないんですよね。
山のアウトラインにすっぽり収まる月山神社。もはや山の一部と化しています。絵になる景色とはこのこと。


鳥と海と山と月。


そしてここで気づきました。どう考えてもこの月山神社よりも高い場所が無いのにまだ月山の山頂標識を見ていないことに……。


そうして例の分岐点まで戻ることに。゚(゚^ω^゚)゚。
往復で30分はロスしてしまいました。無駄な時間を……。
9:10 月山頂上


しかしこの標識を見ずして登頂は宣言できません。


ということで、日本百名山にして三関三渡の行・二座目「月山」に登頂です( •̀ᴗ•́ )
出羽三山の中で「死」を司る山とされますが、それは決してネガティブな意味ではありません。死後の世界、それ即ち極楽浄土。この山で体験するのは終わりではなく、再生への通過儀礼です。
極楽浄土へ向かうように一歩一歩を重ね、三関三渡の行においては、この月山で“擬死”を体験する。それは、古より修験者が自らの生を見つめ直すために歩いた、魂の峠越えなのです。


そして、未来を司る湯殿山にて、新たに生まれ落ちるというわけです。
ということで、参りましょうか。湯殿山へ生まれ変わるためにね!( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
現世を駆け抜け、死を越え、そして未来へ。
三関三渡の締めくくり、魂のリブートに向かって歩き出します。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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