合戦沢の頭・燕岳・北燕岳 / ベルヌーイさんの燕岳・北燕岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
北アルプスのほぼ中央。『女王』の異名を持つ燕岳(つばくろだけ)。土日ではほぼ日帰り登山しかしないのですが燕岳に行くならばぜひ泊まりたい、ということでテント担いでの一泊二日です。
また、今回の燕岳から新しく広角レンズ・望遠レンズを追加しての計3本体制で登山です。カメラを買ってから2か月間、ずっと28~75㎜の標準ズームしか使っていなかったのでどんな画が撮れるか非常にワクワクしております( •̀ᴗ•́ )
0日目
23:00 穂高駅
公共交通機関を利用する場合、燕岳登山のスタート地点は穂高駅です。金曜日、仕事が終わった後すぐ電車に飛び乗って片道3時間かけてやって参りました。到着が夜11時ごろ。もうこの時点でグロッキー(=_=;)
燕岳登山口へのバスは5:10ですから適当なベンチで仮眠をとります。冬は絶対無理な行動ですね。
1日目
4:50 穂高駅
翌朝、穂高駅まで戻ってきました。燕岳の登山口中房温泉までのバスは5:10発なので20分も前にバス停に行けば余裕だろうと高をくくっていたらこの行列です。燕岳が人気なのは知っていましたが朝5時のバスにこれだけ人が集まるというのには少し驚きました。私が列に並んでからも続々と後ろに人が並んできました。当然1台のバスには乗りきらないので臨時のバスも出ていたようです。
北アルプス登山:中房線乗合バス
バスはザックを膝に抱え満員のすし詰め状態。そしてここから登山口までは約1時間。朝っぱらから試されます……
6:10 中房温泉駐車場
バスは窮屈でしたが前日は4時間ほどしか仮眠をとっていないこともあり、すぐに眠ってしまいました。目が覚めるころには中房温泉に到着です。
天気は晴れの予報に反して雨。朝食も登山口で済ませようと思っていたので初っ端からナーバスになりますねぇ。おにぎり二個とスポドリかき込んで登山準備を進めます。
登山口が温泉なのはめちゃくちゃうれしい! 下山後最も優先されるアクションは風呂なので♨
6:50 登山開始
雨も中止するほど勢いではないので出発します。午後からはずっと晴れの予報なのでそのうち天気は回復するでしょう。
燕岳は北アルプスデビューの際によくおススメされる山でありながら、登山口と頂上の標高差は1,287mあり、北アルプス三大急登の一つに数えられています。気が引き締まりますね。
遠目にデッカイ目印のピンクテープだなと遠目に思っていたら普通にタオルでした。どういう状況?
7:15 第一ベンチ
最初の休憩ポイント『第一ベンチ』
森林限界の境目合戦小屋までは4つのベンチがあり、各ベンチ間は4,50分かけて登ることを推奨されています。そんなベンチの一番手は私にとって最も悩ましい場所。
なぜならば燕岳における水汲み場はこの第一ベンチしかありません。歩き始めてまだ30分ほど。給水するほど水は消費しておらず、かといってこのまま進めば水の補給は不可。特に今回はレンズを三本に三脚まで担いでいますので水は余分には持ち歩いてはいません。燕岳はこの先に合戦小屋、燕山荘と売店が控えていますので水は買えるのですが、そこは自分で用意した水と湧水だけでやりくりしたいものですよね。さてどうしたものか。
結論『汲む』
大福を大量のポカリスエットで胃に流し込み水筒減らしてして補給に来ました。貧乏性発揮ですね。ダダでもらえるものは病気以外ほしいものです。
第一ベンチから水汲み場までは結構高低差があって1分ほど下らないといけないのが少し体力使いました。
第一ベンチ出発。サクサク行きましょう。晴れてもなく花もない樹林帯はすぐに飽きてしまいます。
8:00 第二ベンチ
ここでの休憩は無し。
北アル3大急登の片鱗見えてきました。
8:25 第三ベンチ
第三ベンチ到着。 なるほど第一、第二ときて第三ベンチ。パターン見えて来たよ(厚切りジェイソン)
9:00 富士見ベンチ
第四ベンチ到ch……『富士見ベンチ』!? Why Japanese People!?
富士見ベンチの名の通りここからは天気がいいと富士山が見えるらしいですね。あいにくの天気で今回は見えませんでした(๑-﹏-๑)
富士見ベンチでも休憩はとらず進んでいきます。
妖精さんが腰かけるタイプのデカキノコだ。
今は曇りですが強い雨の日は水がなだれこんできそうな道ですね。しかし基本整備された燕岳の登山道。急登もありますが足場が良いからかそこまでの苦労を感じる場面はありませんでした。
9:25 合戦小屋
さあ中房温泉口から2時間半かけて『合戦小屋』に到着です。ここからテント場の燕山荘まではあと1時間と少し。エネルギーを補給して最後の登りに備えましょう。この合戦小屋はあるもので有名なのです。それが――
このスイカです。登山中にスイカを食べたのは初めて。しかも9月も中旬。夏の終わりを感じます。これが私にとって今年最後のスイカになるでしょうね……
未だお日様は拝めていませんがけぶる山も美しい。しかし結構寒いですね。スイカを食べるような天気ではないことは確実です( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
合戦小屋出発! 合戦小屋からテント場までの道がとても楽しい。
歩きやすいですしね。紅葉が深まってくるとさらに美しい道になるのでしょう。今年の紅葉は千畳敷カールや涸沢カールに行きたいので燕岳を再訪する余裕があるかは微妙なところですが……
10:40 燕山荘
ガス真っただ中の燕山荘に到着です。天気が思いやられますがまずはテントの受付を済ませましょう。
幕営料金は一人2000円也。
燕岳はテント場が狭く、昨今のコロナウイルスの状況を鑑みて2021-9-11現在テント場は予約制となっております。しかし超人気の燕岳。登山一週間前に予約サイトを覗いた時は翌月まで土曜日のテント場は満員。無理そうだと諦めかけていたのですが登山二日前に予約サイトをのぞいてみると僅かに空いているではありませんか! ギリギリ滑り込んでテント泊での燕岳登山を実現することができました。他の方のキャンセルに掛けて良かったです。
ガス晴れて視界が開けないかなあとウロウロ。まったく晴れる気配がないので設営を始めます。せっかくテントとカメラ機材かついで登ってきたのに晴れた景色見られないなんてなぁ……と思いながらテントを建てていると
あらあらまあまあ!
一気に雲が開けて来たじゃないですか!
テントに荷物を置いてカメラ片手に慌てて飛び出します。そして初の望遠レンズ装着。楽しくてたまりません!
西側の槍・穂高連峰側にはずっと雲がかかっていました。腹は見えているんですけどね。時折稜線の雲も切れる時がありまして、一瞬だけでもそこから覗く雄々しい山容には圧倒されます。歩きたい……
それにしても望遠は寄れますね~! 面白すぎます! 新しく買ったレンズを試す感動とはこういうものですか。先輩方がレンズの沼にはまっていく気持ちが理解できました。
燕山荘の人気もわかります。最も燕岳が美しく見える位置にこんな豪勢な山小屋が立っているんですから。
燕岳にはイルカ岩というものがあるということだけ知っていたので探してみると燕山荘のすぐ隣にありました。確かにイルカっぽいなと感心(実はイルカ岩はこれのことではない)
昼飯もそこそこにカメラと水だけ持って燕岳の山頂に向かいます。この好天気、無駄にはできぬ。
登山道を進んでいくと階段の前でおばさんが立ち止まっています。近づくと「ライチョウがいますよ」とのこと。階段わきに目をやるとあらかわいい。
反対側にも2羽目のライチョウが! ライチョウを見るのは白馬岳以来で人生二度目。人をあまり警戒しないのでじっくり観察させてもらいました。
燕山荘は立地がかっこいい(立地がかっこいい?)
こんな場所に収容人数650人の山小屋があるんですからすごいですよね。いつか泊まってみたいものです。
14:00 燕岳頂上
コースタイム的には燕山荘から30分ほどで燕岳のピークには立てるのですが、良い天気と絶景に興奮して写真を撮りまくっていたらだいぶのんびりの到着になってしまいました。
朝の曇天はどこへやら。天気が本気を出しすぎです。ありがたい。
こちらは北燕岳。15分ほどの道ですしせっかくなので行ってみようと思います。
近づくと途端に存在感を増してきますね。燕岳が北アルプスの女王と呼ばれていることから、北燕岳にの形状にチェスのルークを連想してしまいました。女王に侍る戦車ですよ完全に。
14:50 北燕岳
東側がずっと雲が滞留しているな、と目をやるとブロッケンの怪物が!
背後からの光が前方の霧で拡散して影周りに光輪ができる現象のことですが実際に見るのは初めてです!
山で友人から初めてブロッケンの怪物というワードを聞いた時はキン肉マンの話かと思いました。
15時からの天気はもう素晴らしすぎる。こんなに清々しい青空を山の上で見られる幸せよ。
美ッしい!
山頂部分に限って言えば燕岳は北燕岳から見るほうが好きかもしれません。ピーク部に寄り集まった花崗岩がさながら女王を飾るティアラのようじゃないですか。
燕岳のこの白い砂礫地が本当に歩いていて楽しいです。こんなきれいな登山道そうそうありません。眼福眼福。
ハイマツ帯くぐりぬけ燕山荘へ戻ります。
写真を撮っているときにほかの登山客が「ムーミンいる!ムーミンいる!」と話していたので私も探してみました。
お分かりいただけただろうか……?
こいつです。
確かに笑。
若干圧縮されたムーミンに見えます。
雲に浮かぶ大天井岳がカッコよすぎますね。同じ道を往復しているだけですのに視点を変えるとこうも沢山の絶景に出会えます。
ようやく本物のイルカ岩を見つけましたよ。
確かにこちらの方がかなりイルカに見えます。
イルカ岩の手前の岩はシャチに見えませんか笑? さしずめオルカ岩。
16:00 燕山荘再び
燕山荘まで戻ってきました。ここから槍ヶ岳へ向かうルートは『表銀座』と呼ばれるコース。ああ明日ここから槍ヶ岳に迎えたらどんなに幸せか。
ここを渡って槍ヶ岳へ。いつか必ず歩いて見せます( •̀ᴗ•́ )
夕暮れが近づくにつれてガスが湧いてきました。夕焼けがみられるか少し心配になります。
17:30 マジックアワー開始
っはぁ~! どう撮っても美しいです燕岳。シャッターが止まりません。
日がどんどん落ちていきます
数秒ごとに表情を変えるこの時間帯は本当に楽しいです。東側の雲が全く消えませんでしたがこれはこれで味がありますね。
ぐぐぐ……雲に陽が遮られますねぇ……!
赤い燕岳は望めないか……?
そのまま日没。これはこれで美しい、か。
テントに戻って晩酌とします。こんな素晴らしい山の上でビールが飲める幸せ! テント泊の醍醐味ですよね( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
20:00ごろに星でも見ようかと外に出てきましたが霧雨でした。濡れるわレンズがすぐ曇るわで撮影どころではありませんでした。明日の朝も早いので大人しく就寝することにします。
2日目
5:00 起床
のそのそとテントから這い出しおはようございます。何月だろうと3000m級の朝は寒いですね。日の出を撮りに来ましたがこの時点でもう満足のいく絶景です。燕岳最高かとあらためて思います。
日暮れ日の出は人のシルエットが入るとかなりかっこいい。
朝早いと言うのに燕山荘前はご来光を待つ人でごった返しています。
こんなテント場最高でしょう。人が来るのも分かります。
良い色。空が燃える予感。この夜明け前のワクワクが堪りません。
ナイスご来光!!!
おはようございます女王陛下。
昨日は雲に隠れて見られなかった槍ヶ岳もくっきり。朝の柔らかな光に照らされた槍ヶ岳もカッコいいです。
登ッりたい!!!!!
この視界を埋め尽くす大雲海よ……
燕岳山頂にも人がいますね。暗いうちから登りに行ったんでしょう。ナイトハイクもやってみたいものです。こんな日の出を山頂から見られたら最高ですもんね。
8:00 下山開始
ご来光を見たらテントに戻って朝食撮りながらゆっくり過ごしました。大満足のテント泊です。
こいつは帰り際に撮ったゴリラ岩です。
最後に槍ヶ岳をもう一度刻んでおきます。燕岳自体も最高ですけどちょいちょいこの槍ヶ岳に心引っ張られるシーンがありました。次は表銀座縦走で槍ごと燕岳を楽しみたいと思います。
来年かなぁ……
サンキュー燕山荘。私はテント泊でしたが。
10:40 中房温泉登山口
何とか昼前に下山できました。即温泉に入って汗を流します。帰りのバス待ちの間はソフトクリームを食べます。これで完璧。至福の時です。
振り返り
一泊二日の燕岳。天気よし景色よしで大満足。そして燕岳から見える槍ヶ岳に次の登山欲を大変刺激されるました。次は燕から槍までをつなぐ通称『表銀座』を歩いてみたいものです。また、日の出は燕岳から拝みたいですね。燕山荘にも泊まりたいですし、やりたいことがどんどん増える大変有意義な登山でした( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
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