【135日目②】生を授かる『湯殿山』

という事で引き続き月山から湯殿山へ向かって行きます。
同じ日の記事を二つに分けるのは初めてですね。出羽三山はそれぞれ独立した記事で上げたかったためこういう形になりました。


前回の記事はこちら

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【135日目①】死出の旅『月山』 出羽三山においては『死』を司る月山。しかしそれは決してネガティブなものではありません。 死後の世界、それ即ち極楽浄土。三関三渡の行においてはこの月山によって擬死体験をすることになります。生まれ変わるためには死なねばならぬという事ですね。今回はそんな月山登山回です( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )



令和の世にあって未だに「語るなかれ、聞くなかれ」の禁が守られている湯殿山。ここで行われたこと、またその御神体について口外することは一切許されていません。撮影はもちろん禁止。ここを訪れたかの松尾芭蕉も


語られぬ
湯殿にぬらす
袂かな




と詠むにとどめています。

このネット社会で未だに禁が守られている神秘性。
言わずの禁忌『湯殿山』にて終えた三関三渡の行。最終回です( •̀ᴗ•́  )

目次

ゴールの湯殿山へ

9:25 月山頂上小屋付近

湯殿山神社を目指して歩いていきます。と言ってもそれほどハードな行程ではありません。出羽三山といっても湯殿山に限っては登山道もついていないので登頂することはできないんですよね。雪の積もる冬ならば不可能ではありませんが……。

なのであとは湯殿山神社へ向かう道を下っていくだけです。月山から向かう道は、時折急坂がありますが大部分はなだらかな道のハイキングです。

湯殿山神社へ向かう道、つまり月山の東側は紅葉の盛りですね。あたり一面紅葉に覆われています。燃えるような山よ。

ピントが背景に合ってしまった……。

ぐおおお、今からこんな石段登らされるのか~。゚(゚^ω^゚)゚。

10:40 姥ヶ岳・湯殿山 分岐

と一瞬思いましたが確かこれは姥ヶ岳へ向かう道。セーフ……。

迂回して湯殿山神社に向かいます。

そしてようやく見えてきたのが御神体『湯殿山』!

立派ですねぇ……登れないのが残念に感じるくらいです。

少し歩くと湯殿山神社のバス停が見えてきました。ゴールはもうすぐそこですね。
しかしここからは若干険しい道なので注意していきましょう。梯子なんかもありますし。



湯殿山神社周辺は「語るなかれ、聞くなかれ」の禁が敷かれている撮影禁止スポットですが、どこまでがその範囲なのか分からなかったので一応ここから撮影は控えています。



11:40 湯殿山神社本宮

というわけで湯殿山神社に到着しましたがここからは写真無しセクション。「語るなかれ、聞くなかれ」の禁は伊達ではありません。インターネット大正義のこの令和の世にあって保たれる神秘というのは非常に侵しがたいものがあります。

冒頭でも書きましたが、かの松尾芭蕉も

語られぬ
湯殿にぬらす
袂かな




と詠むにとどめた神域です。
なぜ袂が濡れたのか……? 非常に興味をそそられる一句では無いですか。

この句の意味は湯殿山神社に参拝すると分かります。
「松尾芭蕉の詠んだこの句……フン……なるほどね」てな具合です。
行った人間にしかわからない湯殿山マウントが取れますよ( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )



……冗談は置いておいて。
ここでの体験は是非このブログを見て頂いている方にもしてもらいたいですね。
未だ明るみに出ない令和の神秘。それに特別な資格を持つ人間でなくても触れることができる体験はなかなかできることではないと思います。必要とされることは『行く』ただそれだけ。

口外禁止のタブーが無かったとしても私はあまりここの事を話したいとは思いません。「語るなかれ、聞くなかれ」の禁を抜きにしてもここの参拝方法は特異極まります。私も口が上手い方ではないので話してもこの体験の新鮮さを伝えられる気がしないのです。

加えて「話に聞いただけで湯殿山をわかってもらっちゃこまるなァ……」というまたしても湯殿山マウントスピリッツが表に出てしまうんですよね。実は湯殿山の神秘が保たれているのは「俺だけは湯殿山の事しってる」という湯殿山の彼氏面している参拝者のおかげなのでは……と半ば本気で思います。自分だけが秘密を握るというのは気持ちのいいものですよ( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

12:30 参拝終了

よき参拝でした。帰りの送迎車が来るのが16:30なので駐車場まで下って近くの温泉でも入りますか。

ということで15分ほど下って湯殿山神社大鳥居に到着。大鳥居から神社までの間はバスも出ていますが縦走中なので大鳥居までは自力で行くことにしました。

ここはまだ全然山の中。しかしレストハウスや参籠所など施設は充実しているので時間を潰すのに苦労はありません。

手水舎ドラゴン

左側の建物が参籠所です。

参籠所では日帰り入浴もやっているようなので下山前に汗を流しておきますか。

そして風呂上りにはレストハウスでアイスクリーム。
縦走終わりの糖分は何にも代えがたい快楽です( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

16:30 下山

予約した送迎車が到着しました。これより下山です。
羽黒山と同じく湯殿山も国道に出るまでの道は有料道路になっています。定期バスもないのでここまで縦走する場合はあらかじめ送迎車を予約しておかなくてはなりません。これが出羽三山縦走のキモでありネックなんですよね……。最悪歩いて帰るというパワーで解決できないので。

送迎車で『湯殿山口』まで届けて頂いた後は高速バスに乗り換えです。
このバスでエスモールバスターミナルまで行き移動完了です。



通常であれば自宅に帰るまでが登山、と言いたいところですが日本一周中は自転車にたどり着くまでが登山! 

出羽三山縦走もとい三関三渡の行、これにて完了!

いや~生まれ変わりましたね!

羽黒山にて現世利益を。
月山にて擬死体験し。
湯殿山で新しい生命を授かる。

山それぞれにコンセプトがある登山にして巡礼。記憶に刻まれましたね。月山八合目までが苦痛そのものという事や湯殿山から鶴岡市内までのアクセスが悪すぎるという事も含めて……。゚(゚^ω^゚)゚。

山と寺社を巡る旅のコンセプトにハマりすぎな縦走。
たいへん趣深い山行でした( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

アクセスまとめ

出羽三山縦走はアクセスが面倒なので今回の行程を一応まとめておこうかと思います。縦走ではなく出羽三山詣をするだけであれば公共交通機関を使ったコースガイドが庄内観光サイトで紹介されているのでそちらを参照ください。

やまがた庄内観光サイト
出羽三山 正式参拝コース 2泊3日 「山形県庄内エリア」のモデルコース・観光プランをご紹介。【月山の山開きは、例年7月1日です】 2泊3日で出羽三山を参拝します。1日目は羽黒山三神合祭殿に詣で、夜は羽黒...






・鶴岡駅→羽黒山随神門
スタート地点の随神門まではバスです。 (庄内交通 羽黒山頂方面行き)

・羽黒山山頂駐車場→県道211号線
山頂駐車場から古道を通って下山してください。

左が古道。右は自動車専用道路

・県道211号線→月山八合目
ひたすら211号線を登るのみです。ここが一番つらかったですね。゚(゚^ω^゚)゚。

・湯殿山神社駐車場→高速バス山形線『湯殿山口』
これが一番手間で予約が必要です。この区間は自動車専用道路なので最悪歩いて降りるという選択肢もありませんしね。(2022年 高速バス 山形線「湯殿山口」経由と湯殿山仙人沢間の送迎について)

高速バス山形線『湯殿山口』→エスモールバスターミナル
ここからは通常のバスに乗るのと変わりありません。湯殿山神社からの送迎車が高速バス到着の10分ほど前に下ろしてくれるので待ち時間もなかったですね。(高速バス山形線)











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